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女性特有の脳梗塞危険因子

           

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この記事を読んでわかること

女性ならではの脳梗塞のリスクがわかる
心房細動と脳梗塞の関係がわかる
女性ならではの心房細動のリスクがわかる


脳梗塞は、脳出血やくも膜下出血とともに脳血管障害といわれています。
一般的に脳梗塞は男性に多くみられますが、女性であっても加齢や避妊薬の使用、妊娠、ホルモン補充療法、自己免疫疾患などが原因となり、脳梗塞になってしまう場合があります
そこで、今回の記事では、女性に特有の脳梗塞の危険因子について解説していきます。

妊娠、経口避妊薬、ホルモン補充療法の影響

妊娠、経口避妊薬、ホルモン補充療法の影響
脳梗塞は、脳への血流が突然遮断され、脳細胞が酸素不足に陥る病気です。
脳梗塞の原因は、高血圧や糖尿病、脂質異常症による動脈硬化などがあります。
一方、女性には男性と比べて独特な脳梗塞のリスク要因があります。
しかし、アメリカで行われた調査では、こうした女性特有の脳梗塞のリスクについて理解している女性はわずか11%であったことがわかっています。
そこで、ここでは女性特有の脳梗塞の危険因子について説明します。

妊娠

妊娠は女性の脳梗塞リスクを高めることがあります。
妊娠中は体内の血液量が増加し、血液が固まりやすくなるため、血栓ができやすくなります
特に、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や子癇(しかん:けいれんのこと)は、脳梗塞のリスクを著しく高めます。

経口避妊薬

経口避妊薬の使用も、特に高血圧や喫煙といった他のリスク要因がある場合、脳梗塞のリスクを高める可能性があります。

ホルモン補充療法(HRT)

閉経後のホルモン補充療法は、特に長期間にわたって使用する場合、脳梗塞のリスクを高めることが指摘されています。
しかし、HRTの利用は個々の健康状態やリスク要因を考慮して慎重に決定されるべきです。

閉経後の変化

女性が閉経を迎えると、体内のエストロゲンレベルが自然に低下します。
このホルモンの影響が脳梗塞の危険性を高めることがあります。
エストロゲンは血管を保護する役割があり、その減少は血管の機能を低下させ、脳梗塞のリスクを高めるのです。

子宮筋腫や自己免疫疾患

子宮筋腫や特定の自己免疫疾患(例えば、全身性エリテマトーデス)も女性に特有のリスク要因であり、これらの状態は脳梗塞のリスクを高める可能性があります。

左心房の拡大と脳梗塞リスクの関連性

左心房の拡大と脳梗塞リスクの関連性
ここでは、左心房の拡大と脳梗塞リスクの関連について解説します。
さらに、女性ホルモンと心房細動の関連性や妊娠と左心房の拡大、閉経後の心血管リスクについても述べていきます。

左心房の拡大が脳梗塞リスクを高めるメカニズム

1.心房細動の誘発

左心房が拡大すると、心臓の電気的な安定性が損なわれ、心房細動を引き起こす可能性が高まります。

2.血栓形成

左心房の拡大によって心房細動が起こると、心房内で血液がうまく循環せず、留まってしまうようになります。
そのため、血栓が形成されやすくなります。

3.脳梗塞の引き金

形成された血栓が血流に乗って脳へ運ばれ、脳血管を塞ぐことで脳梗塞が発生します。

女性ホルモンと心房細動の関連性

女性ホルモンは心血管系に多大な影響を及ぼします。
特に、エストロゲンは血管の弾性を維持する作用があり、閉経後にそのレベルが低下すると血管の柔軟性が失われ、高血圧や心臓疾患のリスクが高まります。
これらの状態は、間接的に左心房の拡大や心房細動のリスクを高め、結果的に脳梗塞の可能性を増加させることがあります。

妊娠と左心房の拡大

妊娠中は、女性の体は大きく変化します。
血液量が増加し、心臓にかかる負荷が高まります。
これにより、一部の女性では心臓の左心房が拡大することがあります。
通常、これは一時的な状態ですが、特定の妊娠合併症(例えば、妊娠高血圧症候群)は、長期的な心血管系の健康に影響を与える可能性があります。

閉経後の心血管リスク

閉経後の女性は、エストロゲンの減少により、心血管疾患のリスクが全般的に高まります。
これにより、左心房の拡大や心房細動のリスクが増加し、脳梗塞の危険性が高まる可能性があります。

閉経後の女性の脳梗塞リスク増加要因

閉経後の女性は、ホルモンの変動により心血管系のリスクが全般的に増加します。
エストロゲンは血管を保護する作用があるため、その減少は血管の弾性低下や動脈硬化を進行させ、脳梗塞を含む心血管疾患のリスクを高めます。
さらに、年齢と共に増加する他のリスク要因(高血圧、糖尿病、肥満など)も、脳梗塞の危険性を高める重要な要素です。
女性特有の脳梗塞リスクを軽減するためには、以下のような予防策があります。

  • 健康的な生活習慣の維持:適度な運動、健康的な食事、禁煙などが心血管系の健康を支えます
  • 血圧とコレステロールの管理:定期的な健康診断でこれらの値をチェックし、必要に応じて医師の指導に従い、必要であれば治療を受けます
  • 閉経後の健康管理:ホルモン補充療法(HRT)の利用を検討する場合は、脳梗塞のリスクと利益を医師と相談し、判断しましょう

まとめ

今回の記事では、女性特有の脳梗塞の危険因子について解説しました。
一般的には男性の方が女性よりも脳梗塞のリスクは高いとされています。
しかし、女性でも脳梗塞のリスク因子があり、性別に関わらず気をつける必要があります。
万が一脳梗塞を発症してしまうと、手足の麻痺や呂律困難などの後遺症が残ってしまうことがあります。
そこで、ニューロテックメディカルでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、脳脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
リニューロ®では、同時刺激×神経再生医療®、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生医療×同時リハビリ®を行うことで神経障害の軽減を目指します。
男性、女性に関わらず、脳梗塞の後遺症などに対する再生医療に、ご興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。

Q&A

脳梗塞の原因として女性に多いのは?
女性における脳梗塞の原因には、避妊薬使用、妊娠中や出産直後のリスク増、ホルモン補充療法、閃輝暗点を伴う片頭痛、特定の自己免疫疾患があります。これらは、女性特有のホルモンの変化や生理的要因によるものです。

脳梗塞には男女差がありますか?
はい。一般に、脳梗塞は男性に多く見られる傾向がありますが、年齢が上がると女性のリスクも高まります。具体的には、女性は閉経後にエストロゲンのレベルが低下することで脳梗塞のリスクが増加すると考えられています。また、妊娠中の女性は脳梗塞のリスクが高まることが知られています。

<参照元>
・脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html
・4.大血管障害と性差.糖尿病.2013;56(8):532-534.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/56/8/56_532/_pdf/-char/ja
・survey-finds-that-most-women-do-not-know-female-specific-signs-symptoms-of-stroke.The Ohio State University Wexner Medical Center
https://wexnermedical.osu.edu/mediaroom/pressreleaselisting/survey-finds-that-most-women-do-not-know-female-specific-signs-symptoms-of-stroke



貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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