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非常に稀な疾患の線条体黒質変性症とは

           

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大脳皮質基底核変性症とは、その名の通り大脳皮質と大脳基底核に同時に変性が生じ、神経細胞が萎縮していく病気です。
大脳基底核の変性はパーキンソン病に似た症状を、大脳皮質の変性は麻痺などの運動障害を引き起こし、併発する病気です。
この記事では、大脳皮質基底核変性症の症状や原因、治療などについて詳しく解説していきます。

大脳皮質基底核変性症とは

大脳基底核
みなさんは、大脳皮質基底核変性症という病気をご存知でしょうか?
人口10万人あたり約3.5人が発症すると報告されている非常に稀な疾患で、40〜80代で発症することの多い(ピークは60代)変性疾患です。
変性疾患とは、なんらかの原因で脳細胞に異常タンパクが蓄積し、その細胞の形態や機能が失われていく疾患です。
代表的な変性疾患としてパーキンソン病やアルツハイマー型認知症などが挙げられますが、それぞれ脳の中の変性部位が異なるため、出現する症状も異なります。
例えば、パーキンソン病では大脳基底核が変性することで様々な神経症状をきたします。
また、アルツハイマー型認知症では海馬と呼ばれる部分が変性することで、主に認知機能が障害されます。
では、大脳皮質基底核変性症はどういった病気なのでしょうか?
大脳皮質基底核変性症は、脳の中でも大脳基底核と大脳皮質が同時に変性していく病気であり、大脳基底核の症状であるパーキンソン病様の運動症状と大脳皮質の症状の両者を併せ持つことが特徴となります。
なぜ変性が起きてしまうのでしょうか?

大脳皮質基底核変性症の原因

大脳皮質基底核変性症の原因は遺伝などではなく、タウ蛋白という異常タンパク質が前頭葉や頭頂葉の神経細胞に異常集積するためです。
しかし、なぜこのような変化が起こるかは現在に至るまで解明されておりません。

大脳皮質基底核変性症の症状

ここでは、大脳皮質基底核変性症の主な症状について解説します。
前述したように、大脳基底核と大脳皮質の両方が変性の影響を受けるため、それぞれの部位に応じて特徴的な症状が出現します。
大脳基底核の変性は、筋肉の固縮や動作緩慢、歩行障害などパーキンソン病様の症状をきたします。
それに対し、大脳皮質の変性によって動作のぎこちなさ(失行)などが生じます。
典型的な症状としては、左右片方の腕の筋肉がこわばり始め、うまく動かせなくなります。
徐々にその症状は顕著になり、同側の足にも同様の症状を認めるようになると歩行障害なども出現します。
他にも下記のような症状をきたすことがあります。

  • 言葉が出にくくなる失語症
  • 片方の空間を見落としてしまう半側空間無視
  • 手足の小刻みなふるえ(振戦)
  • 腕を動かす際にビクついてしまうミオクローヌス
  • 手足に持続的な筋収縮を引き起こすジストニア

上記の通り、症状は左右どちらかに強く出現することが典型ですが、典型的な経過をたどらない症例も多く、診断に難渋することも少なくありません。
これらの臨床症状とともに、頭部MRI 検査、脳血流SPECT検査などを行い、複合的な所見から総合的に診断を行います。

大脳皮質基底核変性症の治療

結論から言えば、大脳皮質基底核変性症を根治するための特効薬などは存在しません。
そのため、それぞれの症状に対して症状を抑えるような対症療法が主な治療です。
例えば、パーキンソン症状に対してはパーキンソン病治療薬が用いられます。
パーキンソン病は大脳基底核におけるドーパミンの機能不全が原因であるため、ドーパミンを補充するような治療法が主であり、具体的には、レボドパ、ドーパミンアゴニスト、アマンタジンなどの薬を使用します。
他にも、手足のビクつきであるミオクローヌスには抗痙攣薬であるクロナゼパムが有効です。
また、発症から5〜10年で寝たきりになってしまう方が多いため、早期から体動を促すように理学療法を取り入れることが重要です。
症状が進行して飲み込み(嚥下能力)が悪くなると誤嚥性肺炎を併発し、最悪死に至る可能性もあるため、身体的なリハビリ以外にも嚥下訓練などが重要です。

まとめ

今回の記事では大脳皮質基底核変性症の病態や症状、治療などについて解説させて頂きました。
大脳皮質基底核変性症は大脳皮質や大脳基底核の神経細胞が変性することで、様々な症状をきたす変性疾患です。
アルツハイマー型認知症などと同様、脳細胞にダウ蛋白が蓄積して機能が障害されていく病気であると考えられています。
典型的な経過であれば、左右どちらかの腕や足に動作のぎこちなさが生じ、徐々に症状の範囲が広がっていくという特徴があります。
現状、根治療法は存在せず、あくまで症状の進行を抑えこむことが治療の目的となっていますが、近年では再生医療が発達しつつあり、変性した脳細胞も再生できるかもしれません。
大脳皮質基底核変性症によって変性した脳細胞が再生すれば、運動能力が改善する可能性もあるため、現在その知見が待たれるところです。

Q&A

大脳皮質基底核変性症の予後は?
大脳基底核変性症は不可逆的な変性疾患であるため、その症状は緩徐に、しかし確実に進行していきます。
一般的には、発症から寝たきりになるまで5〜10年ほどであると報告されています。

大脳基底核に含まれているのは何ですか?
大脳基底核とは、脳内部に存在する神経の集合体のことで、淡蒼球、視床下核、線条体、黒質などの部位が含まれています。
主な役割としては、運動をよりスムーズに行うための運動調整機能があります。
関連記事▶︎ 大脳皮質基底核変性症とは

<参照元>
難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/142

貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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