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脳梗塞の基本的な予防策

           

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この記事を読んでわかること

脳梗塞の予防としての食事
脳梗塞の予防のための禁煙、禁酒


脳梗塞は死亡を免れたとしても後遺症が残ることも多く、本人や家族の人生に大きな影響を与える疾患の一つであり、予防に越したことはありません。
医学研究の発展により、脳梗塞と食事などの生活習慣の関連も明らかになりました。
この記事では脳梗塞の予防のための生活について解説します。

脳梗塞の予防のための生活習慣

地中海料理
脳梗塞は脳の血管が何らかの要因で詰まってしまう疾患です。
代表的な初発症状は片麻痺(左右どちらか一方の手足が動かしにくくなる)、感覚障害、めまい、構音障害(呂律が回らない)、嚥下障害(飲み込みがうまくできない)などがありますが、どの部位の血管が詰まるかにより症状は異なります。
片麻痺や嚥下障害、高次脳機能障害(注意・記憶・判断などが適切にできなくなってしまう障害)などが残った場合には、復職・社会復帰がしにくくなることもあれば、在宅での生活すら難しくなってしまう場合があります。
よって、脳梗塞は予防するに越したことはありません。
脳梗塞のリスク因子には高血圧、脂質異常症、不整脈、喫煙などが知られており、予防には危険因子の管理が求められます。
また、生活習慣によっても脳梗塞を減らすことが明らかになっています。

脳梗塞の予防のための食事のポイント

脳梗塞を予防するための食事について多くの研究がなされており、一部を紹介します。

塩分を減らす

脳梗塞・動脈硬化の大きなリスク因子の1つには高血圧があります。
高血圧は塩分との関連が強く、減塩は高血圧、ひいては脳梗塞のリスクを下げます。
食塩は1日6g以下が推奨されています。
アメリカなどでは1日2-3gでよいという報告もあります。
しかし、現実的には1日10gほど摂っている人も多いです。
特に和食は食塩添加量が多い食事と言われているので、かなり注意をしなければ6gを達成することは難しいでしょう。
厳密に何g以下を目指すよりも、減塩のものを選ぶようにしたり、漬物を減らしたりということから始めると良いでしょう。

食物繊維を増やす

食物繊維の多い野菜や果物を増やすことは、脳梗塞の予防に有効です。
野菜を1日に200gとることで11%、果物を200gとることで32%の脳梗塞のリスクを下げることが知られています。
ただし、どれだけ栄養価が高くとも野菜ジュースや果物ジュースでは効果がありません。
むしろ、そういったジュースを摂ることは糖尿病のリスクを高め、脳梗塞のリスクを上げてしまうでしょう。

地中海食

最も健康に良い食事と言われているのが地中海食であり、脳梗塞の予防においても有用とされています。
地中海食の特徴として、果物や野菜を多く使用する、より魚を多く使う、オリーブオイル・ナッツなど未精製の穀物をよく使うといったものがあります。
全部を地中海食に変えるのは困難だと思いますので、少し意識して野菜や魚を増やすなどから始めてみましょう。
地中海食ではワインを飲まれることが多いです。
飲酒と脳梗塞の関係については後述しています。

日常生活での適切な運動方法

運動は脳梗塞を予防するだけでなく、高血圧・糖尿病・脂質異常症などのリスク因子のコントロールも良くします。
中強度(ジョギングやの有酸素運動を週に3日以上、1回20-60分行うことで、約30%リスクを減らすことができると考えられています。

タバコやアルコールと脳梗塞の関わり

タバコ

喫煙は脳梗塞やその原因の動脈硬化の大きなリスクとなります。
用量反応関係、つまり「タバコを吸う量が増えれば増えるほど脳梗塞の発症率は高くなる」ことが知られています。
また、本人が吸っていなくとも周囲に喫煙者がいる「受動喫煙」にも注意が必要です。
非喫煙者であっても、配偶者が喫煙者であった場合には約2倍の発症率であったという報告もあります。
喫煙では脳梗塞だけでなく脳出血やくも膜下出血のリスクが上がることも重要です。
脳出血やくも膜下出血は脳梗塞と比較して死亡率が高いです。
特にくも膜下出血は「1/3が死亡、1/3が後遺症あり、1/3が何とか社会復帰」と言われるほどの疾患です。
脳梗塞を予防するには禁煙は必須と言えるでしょう。
ちなみに、電子タバコと脳梗塞の関係はま明らかになっていません。

アルコール

アルコールは「酒は百薬の長」と言われることもあります。
これまでは少量のアルコールは健康に良いとする研究もありましたが、最近では少量でも健康に悪いという報告が多くなっていますし、健康になるために少量を飲んだ方が良いということもありません。
脳梗塞についても同様で、少量であればリスクを減らせるのではないかと考えられてきました。
少なくとも大量の飲酒は避けながら、新たな報告・研究を待ちたいところです。

まとめ

この記事では脳梗塞の予防について、生活習慣(食事、運動など)の面から解説しました。
脳梗塞は一度の発症で、本人と家族の人生を大きく変えてしまう可能性があるので、できるだけ予防したいものです。
もし発症してしまった際には速やかに治療を受け、リハビリテーションを行う必要があります。
それでも一定数は後遺症が残ってしまう方がいます。
当院ではそのような人を対象にニューロテック®という『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』を行っています。
その中の「脳の治る力を高める」治療のリニューロ®は、同時刺激×再生医療、骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリから構成されます。
ニューロテック®を行って今困っている方の力になりながら、将来の患者さんのためにも日々知見を高めて参ります。

よくあるご質問

脳梗塞の一番の原因は何ですか?
心原性脳塞栓症は不整脈(心房細動)が発症への大きな原因となります。アテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞は動脈硬化の影響が大きいです。中には原因が稀であったり、原因不明であったりする脳梗塞もあるので危険因子がなければ脳梗塞にならないというわけではありません。

脳梗塞になりやすい人の特徴は?
脳梗塞のリスクを持っている人は脳梗塞になりやすい人と言えます。
具体的には高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙習慣のある人、肥満やメタボリックシンドロームのある人などが該当します。

<参照元>
Adherence to a Mediterranean diet and prediction of incident stroke https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4621211/
Diet for stroke prevention https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6047334/
Smoking and stroke: the more you smoke the more you stroke https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2928253/

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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