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脳梗塞の症状と病期による看護のポイント

           

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脳梗塞は前兆症状があらわれる方もいますが、多くの方は突然発症します。
症状や後遺症の程度は発症から治療までの時間が大きく関係しているため、脳梗塞の症状を知っておいて素早く適切な行動をとることが大切です。
また病期ごとに適切な看護を受けることでも、症状や後遺症の程度に大きな影響を及ぼします。
この記事では、脳梗塞の症状や病期による看護のポイントをご紹介します。

脳梗塞の症状

脳卒中の症状
脳梗塞はさまざまな症状があらわれ、中には後遺症が残ってしまい苦しんでいる方も少なくありません。
脳梗塞は発症から治療までの時間が、症状の程度やその後の回復に大きく影響する病気のため、少しでも疑わしい症状があらわれたらすぐに救急車を呼び治療を受けることが重要です。
激しいめまいや手足に力が入らなくなり倒れてしまう、といったわかりやすい症状があらわれることはまれなため、脳梗塞の症状を把握しておくことが早期発見には大切です。

脳梗塞の前兆症状

脳梗塞は突然発症する方が多いですが、前兆症状があらわれる方もいます。
具体的な症状としては、めまいや頭痛、顔がゆがむ、左右のどちらか片側に力が入らない、物が二重に見える、視野が狭くなる、呂律が回らない、眠気を感じるなどです。
この前兆症状は一過性脳虚血発作と呼ばれ、一時的に脳の血管が詰まり血流が悪くなることで発症するといわれています。
一過性脳虚血発作の症状は数分~24時間以内に消えますが、その後の48時間以内に脳梗塞を発症しやすいことがわかっているため、放置せずに適切な処置を受けることが大切です。

脳梗塞であらわれる代表的な症状

これからご紹介する症状は、脳梗塞を発症していなくても起こる可能性があります。
脳梗塞が原因であらわれる症状の特徴は「突然」と「片側性」にあらわれることです。
自分または周りにいる人に以下のような症状があらわれたら一刻も早く救急車を呼んでください。

  • 激しい頭痛
  • 吐き気
  • 顔がゆがむ
  • ふらつき真っすぐ歩けない
  • 左右どちらかの手足がしびれる、重い
  • ものが見えにくい、二重に見える
  • 物が飲み込めない
  • 言葉が出ない、呂律が回らない
  • 会話の内容が理解できない

など。

脳梗塞の看護のポイント

脳梗塞による嚥下障害とリハビリテーション

脳梗塞による嚥下障害とリハビリテーション


脳梗塞患者の看護は、急性期、回復期、生活期ごとにポイントが異なります。
看護内容によって後遺症の程度や社会復帰までの期間に差が出てくるため、適切な看護を行うことは重要です。

発症直後における看護のポイント

脳梗塞は発症から治療を始めるまでの時間が、症状や後遺症の程度に大きな影響を及ぼす病気です。
そのため、発症直後の看護も早期治療が行えるような支援が主な役割となります。
具体的には、発症時刻や病歴などの聴取、バイタルサインのチェック、モニターの装着、症状の確認、認知機能の評価、誤嚥予防、体位調整、検査を行うための介助などです。
また発症直後は、頭蓋内圧の上昇による脳ヘルニアの発症に注意を払う必要があります。
そのため、頭蓋内圧上昇による頭痛や吐き気の緩和に努めながら、症状の変化を観測して異常があったらすぐに医師に報告しなければいけません。
患者自身で意思決定できない場合は家族が代理で意思決定をすることになるため、患者の状態を報告するとともに精神的なケアを行うことも大切です。

急性期における看護のポイント

急性期は容態が急変する可能性が高いため、バイタルチェックや呼吸管理などを行い容態の安定に努めます。
また頭蓋内圧の亢進や脳梗塞の再発による容態の悪化に注意を払い、感染予防やルート類の抜去予防なども行う必要があります。
容態が安定してきたら、嚥下評価や座位姿勢の保持、意識障害の回復、口腔ケアなど経口摂取に向けての援助が必要です。
出来るだけ早くリハビリテーションを行うことは、廃用性症候群の予防や後遺症の改善につながるため、リハビリテーションが行えるように患者の状態を整えることも看護内容となります。
また身体的なケアと同時に、患者の不安や後遺症についての理解を助けるための精神的な支援も急性期における看護の大切なポイントです。

回復期における看護のポイント

引き続き患者さんの全身管理を行いますが、急性期に比べると容態の変化は起こりにくいため、後遺症によって行えなくなった日常生活動作の援助が中心になってきます。
具体的には、病床の整理や食事の世話、身体の清潔、排泄の世話などです。
リハビリテーションで獲得した日常生活動作を、病室で繰り返し実践するための援助をします。
回復期は、脳梗塞によって失った機能の回復への希望や意欲が低下していく患者さんも多い時期です。
リハビリテーションを継続するためのモチベーション維持などの精神的な支援も、回復期における看護のポイントになります。
さらに退院後の再発予防や再発時の対処法などの教育的支援も行います。
血圧管理や適切な食生活、適度な運動、禁煙の継続、内服管理などを指導し、患者さんや家族が退院後も安心して生活を送っていけるように支援することが大切です。

慢性期における看護のポイント

慢性期は、訪問介護や外来での支援が中心です。
具体的には、健康状態の把握や再発防止の為の教育、日常生活の支援、心理的な支援などがあります。
脳梗塞患者はうつ病を発症する方も多く、早期発見し出来るだけ早く適切な治療を受けられるようにするために、心理的な支援は大切です。

まとめ

脳梗塞の症状や病期による看護のポイントをご紹介しました。
脳梗塞には前兆症状があらわれる方もいますが突然現れることが多いため、症状を知っておいて出来るだけ早く治療を受けることは大切です。
脳梗塞の看護は病期によって異なっており、適切な看護を受けることで症状や後遺症の程度に大きな差がでます。
これをきっかけに脳梗塞について興味を持ち、万が一のとき適切な対応をとれるようになっていただければと願っております。

あわせて読みたい記事:脳梗塞後に利用できる補助金制度

貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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