認知症の人にやっていけないこと | 脳梗塞・脊髄損傷・脳出血の再生医療ニューロテックメディカル

認知症の人にやっていけないこと

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高齢化社会の進む日本では今後認知症患者が増加していく可能性が高いです。
そんな中、良くも悪くも家族や周囲の人の言動次第で認知症の症状は変化してしまうため、症状を無意識に悪化させてしまうことのないよう、適切な対応方法を知っておくことが重要です。
そこで今回は、認知症の人にやってはいけないことに関して詳しく解説していきます。

認知症患者への適切な対応とは?

認知症の人の接し方を考える
人間の記憶は、基本的に側頭葉の海馬と言われる記憶の倉庫のような場所に保管されていきます。
認知症の多くは、この海馬をはじめとする側頭葉の変性に伴う萎縮が原因となります。
また他にも、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によっても認知機能は低下します。
代表的な症状は記憶障害、いわゆる物忘れですが、「昨日の夕飯が思い出せない」などの一過性の記憶障害ではなく「夕飯を食べたことすら思い出せない」という、出来事や体験そのものの記憶が喪失します。
進行すると数分前の記憶すら保持できなくなってしまいます。
他に、見当識障害も出現します。
見当識障害とは時間、場所、他者などの周囲の状況を正しく認識できなくなることです。
自分の家にいながらも自宅ではないと感じて家を出ようとしたり、よく行く場所でも迷子になったりします。
自宅の外への徘徊や迷子は、家族や周囲の人にとって同居困難の原因になりやすいです。
他にも、物を盗まれてしまったと妄想する物盗られ妄想や、幻視幻聴などの幻覚を認める方もいます。
特に物盗られ妄想は、一緒に暮らす誰かに「通帳を盗まれた」と妄想してしまい興奮してしまいます。
もう盗まれないようにと、誰にも見られないように通帳などを隠してしまいますが、隠したこと自体を忘れてしまうため、結果として本当に紛失してしまいます。
家族からすれば、身に覚えのないことで怒られてしまい、場合によっては暴力を振るわれることもあり、同居が難しくなる原因になります。
しかし、認知症はあくまで病気であり、本人からすれば決して悪気があってやっているわけではありません。
患者さんに対して周囲の人が否定的な言動をしてしまうと、本人からすれば身に覚えのないことで悪態をつかれたと認識してしまうため、ストレスとなり認知症の症状が悪化する可能性があります。
そこで、認知症の方に対して行なってはいけない言動についてご紹介します。

否定的な言葉を避ける

記憶障害があるため正常な判断が失われていますが、患者さんが行う行動は本人からすれば正しいと思って行なっている行動です。
それを頭ごなしに否定してしまったり叱ってしまうと、本人からすれば激しい怒りや不安を感じてしまいます。
そこで、本人の言っていることを一旦受け入れ、寄り添うように話しかけることが必要です。

命令口調にならない

一緒にいる時間が長くなると、どうしても言うことを聞いてくれない患者さんに対して命令口調になってしまったり、脅すような言葉を使ってしまう人もいます。
「〜しないとダメ」「〜しないと許さない」などの言葉は、患者さんにとって不安が増してパニックになってしまい、症状が悪化する可能性もあるため控えた方がいいです。
口調を柔らかくして、なぜその行動を行いたくないのかゆっくりと尋ねてみると良いかもしれません。

急がせない

認知症の方は高齢であり、食事や排泄には時間がかかってしまいます。
介護をする人からすれば早くしてほしいと感じるかもしれませんが、焦らせても良いことは何1つありません。
本人からすれば、なぜ急かされているのか理解できずパニックになってしまい、さらに関係性が悪化してしまいます。

無視しない

前述したように、記憶の残らない認知症といえども感情はあります。
本人を除け者にして周囲が無視するように会話したり物扱いされるのは不快なのです。
可能な限り、本人のことは本人に言う、もしくは本人に聞くべきです。
これは行動においても同様で、本人にはどうせ何もできないから何もさせないと考えるのは危険です。
何もできないと感じることがストレスになり、病状を悪化させ兼ねません。
出来ることを出来る範囲で尊重してあげる必要があります。

励ましすぎる

うつ病や軽度認知症の方にとって「もっと出来る」「もっと頑張ろう」などの前向きな発言はかえってマイナスになる可能性があります。
必要以上の励ましは、本人にとって何もできていないと思わせてしまうからです。
認知症の方に対しては激励よりも、できた事に対する感謝や評価をすべきです。

まとめ

今回は認知症の人にやっていけないことについて解説しました。
認知機能の低下に伴う様々な症状は、家族や知人などの周囲の対応次第では悪化する可能性もあるため、周囲には慎重かつ適切な対応が求められます。
長期間の介護や同居によって患者さんへの言葉や行動が粗雑になってしまいがちですが、これは患者さん本人はもちろんのこと、周囲の人にとっても良いことではありません。
ぜひ、今回紹介した対応を実践してみてください。
また、近年では再生医療の発達も目覚ましいです。
今まで損傷した神経細胞は治らないと考えられてきましたが、再生医療では損傷した神経細胞の再生が期待できます。
脳梗塞や脳出血で障害された神経や変性してしまった神経の機能が再生すれば、失われた認知機能も回復できる可能性があり、今後の知見が待たれるところです。


貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表 Dr.貴宝院 永稔

大阪医科薬科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

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