背中の警告:背骨の痛みと下肢の痺れの医学的原因|再生医療|脳梗塞・脊髄損傷の後遺症を幹細胞治療で改善|ニューロテックメディカル

背中の警告:背骨の痛みと下肢の痺れの医学的原因

           

投稿日:
読み終わる時間は約 < 1


この記事を読んでわかること

背骨の痛みにはどのような原因があるか
下肢の痺れの原因としてはどのような病気があるか
下肢の痛みやしびれはどうして起こるのか


背骨の痛みと下肢の痺れの医学的な原因とは?
背骨が作ってる脊柱管という穴に、脊髄が通っています。
この脊髄が何らかの原因で障害を受けると、背骨が痛む原因になったり、下半身のしびれを来したりすることがあります。
今回の記事では、これらの原因について、メカニズムから解説していきます。

背骨と神経の病理

椎間板ヘルニア
背骨は、医学的には脊椎(せきつい)という骨のことを指します。
これは、首の部位では頚椎、胸の部分では胸椎、腰の部分では腰椎、おしりの部分では仙椎というように部位によって名前が変わります。
背骨は脳から出た脊髄という神経の太い束を通す、脊柱管という構造を作っています。
そして、脊髄からは椎間孔という孔を通って神経が背骨から身体のいろいろな部分へと伸びているのです。
この部位のことを、神経根と呼びます。
そのため、背骨である脊椎が何らかの異常をきたす場合に、背骨の痛みとして感じられたり、あるいはさまざまな神経症状を起こしたりすることになります。
例えば、以下のような疾患が挙げられます。

背骨痛の一般的な原因

背骨の痛みをきたす疾患としては、以下のような物が挙げられます。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、脊椎椎間板の変性や損傷により、内部のゲル状の物質が外に漏れ出すことで、周囲の神経根や脊髄を圧迫する病気です。
症状として、背中や首の痛み、その神経が司る部位の痛み、筋力の低下、感覚異常などが現れることがあります。
腰椎椎間板ヘルニアを来たした場合には、下肢の痛みや痺れも症状として現れてきます。
また、頚椎の椎間板ヘルニアでは手指の細かな運動がしづらくなったり、あるいは指先の感覚喪失といった感覚障害が起こることもあり得ます。

脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症は、 脊柱管が狭くなり、脊髄や神経根が圧迫されることで、神経が障害される病気です。
特に、腰部で起こりやすいとされています。
症状としては歩行時の痛み、下肢のしびれや痺れ、筋力低下などがあります。

腰椎分離症

腰椎分離症は、脊椎の椎骨が正常な位置からずれることで、神経組織に影響を及ぼすものです。
症状として、背中の痛みや下半身の痛み、脚の痺れ、歩行困難などが挙がります。

脊椎側弯症

脊椎の形状が異常に変形することでも、神経組織に圧迫をかけることがあります。
例えば、脊椎側弯症では背骨が左右に曲がってしまうため、背中や首の痛み、姿勢の異常、神経症状が見られることがあります。

神経根症候群

神経根症候群では、椎間板ヘルニアや椎体の変性などによって、脊椎神経根が損傷や圧迫を受け、神経機能が影響を受けます。
障害を受ける神経の場所によって、特定の神経の支配領域に痛みや感覚異常、筋力低下が生じることがあります。

下肢の痺れと痛みのメカニズム

下肢の痺れと痛みは、さまざまな原因によって引き起こされる可能性があります。
以下に、一般的なメカニズムをいくつか挙げていきます。

神経の圧迫または損傷

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症は、脊椎の構造の異常が神経根を圧迫し、神経の伝達信号の正常な伝達を妨げてしまいます。
これにより、下肢に痺れや痛みが生じる可能性があります。

炎症

関節や腱鞘の炎症が神経に影響を与え、痺れや痛みを引き起こすことがあります。

血流障害

動脈硬化症などによって下肢の血管が狭くなり、血流が制限されることで、組織に適切な酸素や栄養が供給されず、痺れや痛みが生じる可能性があります。

末梢神経障害

例えば、糖尿病性神経障害では、高血糖が神経組織にダメージを与え、下肢に異常な感覚や痛みを引き起こすことがあります。

感覚喪失を引き起こす症状

感覚喪失は、特定の感覚が鈍くなるか完全に失われる状態を指します。
これは様々な病態によって引き起こされる可能性があります。
以下に、感覚喪失を引き起こす可能性のある主な症状や状態を挙げていきます。

糖尿病性神経障害

先述のように、糖尿病によって高血糖な状態が続くと、神経組織はダメージを受けてしまいます。
この結果、手足の感覚が鈍くなったり、痛みや熱さを感じにくくなることがあります。
これは末梢神経障害と呼ばれるものです。

脊椎損傷

脊椎が損傷されると、その損傷レベル以下の感覚が影響を受け、感覚喪失が生じることがあります。
具体的な症状は損傷の場所によって異なります。
例えば、首の部位の脊髄である頚髄が損傷を受けると、上肢下肢の麻痺が起こります。

脳卒中

脳卒中は、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血を総称した、脳血管障害のことです。
脳卒中によって脳の特定の部位が障害を受けると、感覚が喪失することがあります。
例えば、脳の感覚運動皮質に損傷があると、その特定の体の部位の感覚が鈍くなることがあります。

まとめ

今回の記事では、背骨の痛みと下肢の痺れの原因になるような病気について、解説しました。
脊髄損傷や脳卒中などによって脳神経や脊髄が障害を受けた場合、後遺症として麻痺やしびれなどが残ってしまうことがあります。
そうした後遺症を治療するために、我々ニューロテックメディカルでは、脳卒中・脊髄損傷を専門として、脳脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
このリニューロ®では、同時刺激×再生医療™、骨髄由来間葉系幹細胞を用いて脳や脊髄の治る力を高めた上で、神経再生リハビリ*3をおこなうことで神経障害の軽減を目指しています。
再生医療にご興味のある方は、ぜひ一度当院までご相談下さい。

Q&A

下肢のしびれの原因は?
下肢のしびれには、長時間の正座や、運動後の一時的な神経や筋肉の疲労によって起こるものがあります。これらは、自然に消失していきますが、姿勢に関係なくしびれたり、しびれが長引くときには、脳や腰椎の病気の可能性もあります。多いのは、腰椎椎間板ヘルニアなどで腰の神経が圧迫されている場合などです。

腰が痛くて足がしびれる病気は?
腰が痛くて足がしびれる病気としては、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが原因として考えられます。坐骨神経痛なども、しびれの症状が現れます。その他、転倒などによって腰部の脊椎が折れてしまう圧迫骨折などが起こっている場合にも腰痛や足のしびれが起こることもあります。

<参照元>
脊椎脊髄疾患について・主な疾患:https://ssl.jssr.gr.jp/medical/sick/disease.html
神経根症.臨床神経生理学.2013:41(3);151-156.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscn/41/3/41_151/_pdf


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


再生医療の治療 各地クリニックの案内

YouTubeチャンネル

脳卒中や脊髄損傷など再生医療に関する情報はこちらでもご覧頂けます。
脳卒中ラボ

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

ニューロテックメディカル・リハビリセンター

おすすめ記事

(腰椎損傷 下肢不全麻痺|30代 MK様)

おすすめ記事

最近の記事

  1. 首筋の違和感が示す脳卒中の可能性

  2. ワクチン接種後の視神経脊髄炎発症

  3. 女性特有の脳梗塞危険因子

【再生医療×リハビリテーションの可能性】オンライン講演会 Vol.1

ピックアップ記事

  1. トカゲの尻尾は再生する?!

  2. 脳卒中による片麻痺後の歩行の特徴とは

  3. 頚椎症性神経根症の後遺症とは

おすすめ記事

  1. 50代の脳梗塞再発率はどの程度あるのか

  2. 脳梗塞で嚥下障害になるメカニズム

  3. 視神経脊髄炎の症状や後遺症について

各クリニックのご案内

福永診療所
脳梗塞・脊髄損傷クリニック
リブラささしまメディカルクリニック

脳卒中・脊髄損傷の後遺症の
       お悩みや治療のご相談
お気軽にお問い合わせ下さい

0120-955-573

[電話受付]平日9:00~18:00/土曜日13:00迄/日祝休