脳梗塞後寝たきりを防ぎ寿命を伸ばす再生医療の可能性|脳卒中・脊髄損傷|麻痺痺れなど神経再生医療×同時リハビリ™で改善

脳梗塞後の寝たきりを防ぎ寿命を伸ばす再生医療の可能性

           

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脳梗塞後を起こすと、平均余命ばかりでなく、寝たきりなどになり健康寿命までも短くなってしまう恐れがあります。
そのため、脳梗塞後のリハビリテーションが機能回復や健康寿命の延伸のために大切となります。
この記事では、脳梗塞と健康寿命の関係について、また再生医療がリハビリテーションに与える可能性についても解説していきます。

脳梗塞は寝たきりを含む要介護状態になる原因の一つ

要介護と要支援
脳卒中は、脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の血管が切れてしまう脳出血やクモ膜下出血の3つの病気の総称です。
1960年代までは日本では高血圧が主な原因となる脳出血が大半を占めており、脳卒中死亡率は欧米の2倍でした。
しかし、現在では血圧をコントロールする降圧剤の開発が進んだため脳出血は減少し、近年では脳卒中の75%を脳梗塞が占めるようになりました。
脳梗塞を含む脳卒中が発症すると、後遺症が残ることが多いばかりでなく、発症後の寿命が発症していない人よりも短くなってしまうことが報告されています。
一方、令和3年版高齢社会白書によると、65歳以上の方が要介護状態になった原因として、脳卒中は男女合わせたすべての方の中で認知症の18.1%に続く2位で15.0%でした。
なお、男性だけでみると、24.5%と脳卒中は要介護状態になった原因で最多でした。
女性の場合は、脳卒中が原因の中では順位としては5位であり高くはないものの、10.3%とやはり一定の割合を占めていました。
脳卒中の中で、脳梗塞が7割強を占めていることを考えると、寝たきりを含む要介護状態の原因として脳梗塞は見過ごせないといえます。

平均寿命から健康寿命を引いた期間は寝たきりを含む要介護状態

寝たきりを含む要介護状態では何が問題となるのでしょうか。
そのヒントとして、ここでは、健康寿命の概念をご紹介します。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。
逆にいえば、健康寿命と平均寿命の差は、日常生活に制限がある期間を意味しており、寝たきりを含む要介護状態とほぼ同義であるといえます。
令和元年の研究では、健康寿命は男性で72. 68年、女性で75. 38年で、平均寿命との差はそれぞれ8. 73年、12. 76年、となっていました。
男女ともにこの約10年の間は、寝たきりを含む、生活に支障がある期間を意味しています。
脳梗塞が要介護状態の原因として重要であることから、長寿化が進む日本においては脳梗塞を含む脳卒中後にも、健康寿命を伸ばし、寝たきりにならないようにすることが望ましいといえるでしょう。

リハビリを行うことで健康寿命の延伸が期待できる

リハビリによる改善
脳梗塞を含め、脳卒中の主な原因としては高血圧があります。
そのため、脳卒中を防ぐためには生活習慣の改善などで高血圧の予防や改善をしていく必要があります。
しかし、もしも脳卒中になってしまった場合には、薬物治療はもちろん、早期からのリハビリテーションが大切となります。
脳卒中に対してのリハビリテーションは脳卒中治療ガイドラインでも推奨されています。
ガイドラインによると、脳卒中発症早期からの早期座位・立位、装具を用いた早期歩行訓練、摂食・嚥下訓練、セルフケア訓練などを含んだ積極的なリハビリテーションを、発症後できるだけ早期から行うことが勧められる、とされています。
リハビリテーションによって手足の筋力の回復を促すことができれば、完全ではなくとも生活に支障が少ない状態に改善でき、健康寿命の延伸にも一定の効果が期待できるでしょう。
さらに、脳梗塞の後遺症として、飲み込みの機能が衰える嚥下機能低下もあります。
飲み込みの機能が衰えると、本来の食物や水の通り道である食道でなく、気管や気管支に流れ込んでしまう「誤嚥」のリスクが高くなります。
誤嚥性肺炎は高齢者の死亡原因として重要なものですが、飲み込みのリハビリテーションを行うことでそのリスクを低減することで、脳梗塞後の余命が長くなるということも期待できます。

再生医療による脳梗塞の後遺症とリハビリの可能性

再生医療同時リハビリ
さて、リハビリテーションの効果を高めるためにはどのような方法があるでしょうか。
当院では、「神経再生医療×同時リハビリ™」という独自の集学的治療を行っています。
再生医療としては、幹細胞培養上清液の点鼻治療や、幹細胞点滴といったものをご用意しています。
この再生医療をリハビリテーションの下地とします。
そして、磁気刺激機器、電気刺激機器、ロボットなどのデバイスを用い、リハビリテーションを行っていきます。
この「再生医療×同時リハビリ™」では、脳や神経への刺激が損傷箇所の血流を増やし、修復を促しながら効率的に運動神経・感覚神経の神経回路を鍛え、脳梗塞を起こす前の状態に近づける効果が期待できます。

まとめ

この記事では、脳梗塞を含む脳卒中が平均寿命ならびに健康寿命を縮める原因となることについて解説しました。
リハビリテーションに再生医療を組み合わせることで、機能回復や健康寿命の延伸につながることが期待され、その可能性に今後も注目していきたいところです。

Q&A

脳梗塞は完全に治りますか?
脳梗塞の重症度にもよりますが、脳梗塞は脳の血管が詰まることで脳細胞が死んでしまい、その部分の機能が低下する病態です。
低下した脳機能は完全に戻ることは難しいです。そのため、後遺症を少しでも軽減させるためにリハビリテーションなどで機能改善を図っていくことになります。

脳梗塞2回目再発でどうなる?
脳梗塞は、脳細胞の損傷範囲が広がっていくため、再発を繰り返す度に症状が重くなります。
1回目の脳梗塞の症状が軽症であっても、2回めの再発では症状が悪化する可能性もあります。
そこで、再発予防のために生活習慣改善を行ったり、きちんと予防薬を飲み続けることが大切となります。

<参照元>
・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html
・Life Expectancy after Stroke Based on Age, Sex, and Rankin Grade of Disability: A Synthesis. Shavelle RM, et al. Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases.2019;28(12):104450
・2 健康・福祉|令和3年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府:https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/html/zenbun/s1_2_2.html
・平均寿命と健康寿命 | e-ヘルスネット(厚生労働省):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/hale/h-01-002.html#:~:text=2019%EF%BC%88%E4%BB%A4%E5%92%8C%E5%85%83%EF%BC%89%E5%B9%B4,%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
・脳卒中治療ガイドライン2021における リハビリテーション領域の動向

貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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