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持続する痛みの慢性疼痛について

           

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慢性疼痛は、数カ月間以上にわたって持続する痛み、何度も再発したりする痛みを指します。
痛みの原因は、怪我や感染症などによる神経細胞の損失など様々あり、原因を解明してからの治療が必要です。
この記事では、慢性疼痛の特徴やその原因、治療方法について説明しています。

慢性疼痛とは

慢性疼痛
慢性疼痛とは、数カ月間以上にわたって持続したり、何度も再発したりする痛みを指します。
国際疼痛学会では、「治療を要すると期待される時間の枠組みを超えて持続する痛み、あるいは進行性の非がん性疾患に関する痛み」と定義されています。
診療時においては、以下のいずれかに当てはまる痛みを慢性疼痛とみなしています。

  • 3カ月以上痛みが続く
  • 痛みの原因となった怪我や病気が治った後も、1カ月以上痛みが続く
  • 数カ月から数年にわたって再発と消失を繰り返す
  • がん、関節炎、糖尿病、線維筋痛症などの慢性疾患を伴うもの

慢性疼痛の原因

薬で治療

痛みを伴う疾病
がんなど完治が難しい病気による痛みで、変形性膝関節症・関節リウマチなどの痛みも含まれます。
神経の損傷
帯状疱疹などの感染症、交通事故による外傷などが原因で神経が傷つき痛みが続く神経障害性疼痛で、糖尿病なども病気が進むと末梢の神経にダメージを与えるため、慢性的な痛みを伴います。
心理的な影響
中枢機能障害性疼痛と呼ばれており、過剰な痛みを抑えるオピオイド系という神経が機能を失い、軽度な刺激でも激痛を感じることがあります。
原因が分からない腰痛も中枢機能障害が強く関与すると言われており、うつ病の患者さんが感じる頭痛、腰痛、肩、首、歯、胃腸などの痛み、胸痛、関節痛など漠然とした痛みも中枢機能障害性疼痛の一部です。

慢性疼痛の治療法

慢性疼痛を治療するためには、痛みの原因を解明する必要があります。
しかし、前述の3つの原因要素が複雑に絡み合っているため、痛みの専門診療科などに相談することをお勧めします。
痛みの感覚は脳へ記憶されるため、痛みをゼロにすることは難しいですが、痛みの時間を少なくすることは次の痛みを生まないためにも重要です。

医薬品の使用

痛みの強さに応じて、慢性疼痛には以下のような医薬品が使用されます。

  1. 非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)
  2. オピオイド鎮痛薬
  3. 鎮痛補助薬と呼ばれる薬剤(抗うつ薬や 抗てんかん薬など)

慢性疼痛に対して鎮痛薬を使用している人では、以下の様々な要因で1日の内でも痛みの強さが変わります。

  • 損傷している神経の特性(その神経の位置など)
  • 痛みを引き起こす活動(動くことや患部を触ることなど)
  • 精神的ストレス
  • 医薬品の血中濃度の変化

理学的療法

理学療法または作業療法も有用です。
トリガーポイントをスプレーなどで冷却し、筋肉をストレッチすることにより痛みを軽減させたり、損傷を受けた関節、靱帯、腱、筋肉、骨などを支える装具の装着が有用な場合もあります。
また、定期的に歩く習慣をつけたり、活動レベルを上げたりすることも有用です。

統合医療

医師から鍼治療・心身療法・カイロプラクティック・マッサージ療法など統合医療を勧められることもあります。

精神療法と行動療法

注意転換法やリラクゼーション訓練など、心理的技法も痛みのコントロールに役立ちます。
注意転換法では、落ち着いた心地よい場面を想起させるなどの誘導イメージ療法を用います。

運動など生活習慣の改善

痛みにより外出するのが面倒になり、ストレスが蓄積し、体調が悪化するという悪循環に陥ることがあります。
負担にならない適度の散歩など、ストレス発散に繋がるような運動を取り入れ、気持ちが前向きになっていけば症状も軽くなることがあります。

総合的なリハビリテーションプログラム

痛みに対するリハビリテーションプログラムは、機能回復、生活の質の改善、慢性疼痛下における生活のコントロールなどについて、医師、理学療法士、作業療法士、看護師、心理士、統合医療従事者などの総合的なチームで管理されます。

当院で行っている再生医療リハビリについて

当院では再生医療とリハビリを組み合わせた複合治療法「ニューロテックⓇ」という積極的なリハビリテーション治療を行っています。
脳卒中・脊髄損傷・神経障害を専門として、『脳・脊髄の治る力(可塑性)』を高めるため、脳・脊髄の損傷部を同時に刺激する再生医療を行っています。
骨髄由来の間葉系幹細胞を培養し点滴することで、骨髄由来細胞が神経細胞に分化し損傷部位にとどまり、さらにサイトカインを産生することにより、神経損傷に対する治療効果が認められています。
続いて集中的にリハビリを行うことで、後遺症の軽減を目指しています。
損傷を受けた神経細胞を再生医療により回復させながらリハビリを行うことで、慢性疼痛のコントロールのみならず、痛みの消失などの回復も将来的には期待できます。障害を少しでも軽減させるためにリハビリテーションのための下地作りとして、脳・脊髄の治る力を高める『ニューロテック®』をご活用下さい。

まとめ

この記事では、慢性疼痛の原因や症状、治療法についてご説明しました。
現状では、慢性疼痛を完全に消失させることは困難ですが、将来的に再生医療を組み合わせることにより患者さんの希望となれることを切に願っています。

Q&A

慢性疼痛の特徴は?
痛みのきっかけとなった怪我や病気が治っても数ヵ月続く痛み、再発と消失を繰り返す痛みなどが慢性疼痛の特徴です。主な原因として、がんなど治療の難しい病気や感染症や怪我などによる神経の損傷が挙げられます。

神経性疼痛の治し方は?
神経性疼痛の治療方法として、運動を取り入れるなど生活習慣の改善、医薬品の使用、理学療法の導入などがありますが、疼痛の原因を解析した上での治療・処方が最も重要なため、専門診療科などで診てもらうことをお勧めします。

<参考>
厚生労働省:医療用麻薬による慢性疼痛の治療方針


あわせて読みたい記事:慢性疼痛の特徴や薬を徹底解説

貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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