くも膜下出血の後遺症体験談

投稿日:

くも膜下出血は脳卒中の一種で、脳の血管からくも膜下腔というスペースに出血することをいいます。
脳動脈瘤やケガが原因で発症し、多くの場合後遺症を残します。
症状や経過は人それぞれ大きく異なり、実際に体験してみないと分からないことが数多くあります。
ここでは、実際にくも膜下出血を経験された方の発症から治療経過、後遺症や社会復帰までの体験談を紹介していきます。

くも膜下出血の頭痛経験

頭痛の状態
くも膜下出血の症状として、よく「頭を殴られたような」突然の激しい頭痛ということが挙げられます。
看護師Aさんの母親は、ある日「何だか頭が痛いねえ」と言い個人病院に行きました。
偏頭痛と診断され、処方された薬を飲むと翌日には軽くなったので、Aさんは安心していたそうです。
その3日後の朝、再び母親が頭痛を訴えたため、偏頭痛だろうと考え処方された薬の残っていた分を飲ませ、安静にするよう指示して仕事へ出かけていきました。
職場について1時間、偶然仕事が休みで自宅にいた父親から電話が。
母親が嘔吐しているとのこと。
急いで救急車を呼び、搬送された先でくも膜下出血と診断されました・・

このように、くも膜下出血を起こした患者さんが、自ら「今、頭を殴られたような頭痛がする!」と教えてくれる訳ではありません。
ただの偏頭痛のような症状から始まり、徐々に悪化することも数多くあります。
また、くも膜下出血ではこの患者さんのように、前兆として頭痛を自覚することがあると言われています。
これは少量の出血が原因と考えられています。
偶然父親が家にいたおかげで早期の治療を受けることができたAさんの母親。
幸い後遺症はごくわずかで、現在2人の孫に囲まれ元気に過ごされているそうです。

くも膜下出血からの社会復帰

復帰
42歳のBさんはある出版社で編集の仕事をしていました。
プロジェクトの責任者を任されたBさんは朝早くから夜遅くまで、忙しくも充実した日々を送っていました。
そんな中、ある日突然Bさんは意識を失い病院へ搬送、くも膜下出血と診断されました。

コイル塞栓術を受け、2日後に意識を取り戻したBさんは、右腕の違和感を自覚していました。
Bさんには、右半身の麻痺と失語症が残りました。
リハビリでは日常生活での基本動作自立を目指す理学療法、社会に適応するための作業療法、言葉の訓練を行う言語療法を行いました。
車いすからたびたび転んでしまう、目の前に猫のイラストを見せられてもそれが猫であると言葉がでてこない、それでも懸命にリハビリを続け、6ヵ月で自宅に退院となりました。
今でも杖を離すことはできず、会話は中々スムーズにはいきません。
それでも二児の父親として、現在は福祉関係のサイト運営の仕事を続けています。

くも膜下出血レベル5からの生還

くも膜下出血を病院で診療する場合、治療方針決定のために重症度を分類します。
分類方法はいくつかありますが、Gradeが上がるほど重症度が増し、Grade5が最重症です。
Grade5では意識障害が重く、昏睡状態や、強い刺激をあたえてもわずかに反応がみられる程度の状態です。
病院に運び込まれた時点でGrade5(レベル5)だった場合、その経過はかなり厳しいものとなります。
状態が悪く手術を行うこともできずに死に至ることも少なくありません。

Grade5から生還を果たした闘病記として、以下2冊の書籍を紹介します。
「レベル5からの生還 中国で倒れた妻と家族の闘病記」佐藤治迪著
「一度、死んでみましたが」神足裕司著

どちらも手術を受けて生還を果たした方の闘病記です。
発症直後の緊急事態、生死をさまよう中での救急治療、つらいリハビリの日々を送る本人、そしてそれを支える周囲の家族の心持ちがリアルに綴られています。

くも膜下出血の後遺症ブログ

ここではインターネット上のくも膜下出血の闘病記を紹介します。
一つ目は、前節でも紹介した書籍を出版している、神足裕司さんのブログです。
人気コラムニストである神足さんが、サイト「みんなの介護」内でユーモアを交えて後遺症や介護についてコラムを執筆されています。
https://www.minnanokaigo.com/news/kohtari/
漫画家の安堂維子里さんは、くも膜下出血の闘病記を全84ページの漫画で綴っています。
暖かみのあるイラストが、闘病のつらさを優しく包み、浮き上がらせています。

闘病体験を共有するTOBYOでは、非常に多くの闘病記がリンクされており、病名から検索することができます。
https://www.tobyo.jp/

まとめ

自分が病気になってしまったり、家族が病気になったりした時には誰でも不安になるもの。
それがくも膜下出血のような重病であればなおさらです。
闘病記や体験談を知ることで、不安の解消や前向きな闘病生活につながることもあります。
逆に自分の体験談をはき出すことで、気持ちの整理がつく場合もあります。
自分だけで抱え込まずに、他人の力を遠慮なく借りましょう。


脳卒中や脊髄損傷など再生医療に関する情報はこちらでもご覧頂けます。
脳卒中ラボ


貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表【 Dr.貴宝院 永稔 】
大阪医科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA