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くも膜下出血の予防のためにやっておきたいこと

           

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この記事を読んでわかること

くも膜下出血の危険因子には何があるのか
くも膜下出血を予防するためにはどのようなことが有効なのか
くも膜下出血には遺伝が関係しているのか


くも膜下出血は、脳の動脈瘤(こぶ)が破裂することで起こり、重症な場合には死亡してしまうこともある病気です。
くも膜下出血を予防するためには、高血圧を防ぐことが大切となります。
減塩や禁煙、節酒などが重要です。
今回の記事では、こうしたくも膜下出血の予防方法について解説します。

生活習慣を改善する

くも膜下出血
くも膜下出血は、脳梗塞や脳出血と同様に、脳血管障害の一つです。
高血圧の状態が続くと、動脈硬化が進み脳の血管に動脈瘤という瘤ができることがあります。
この動脈瘤が破れると、くも膜下出血という状態になってしまうことがあります。
くも膜下出血のリスクとなるものとして、高血圧や喫煙、飲酒があります。
そのため、生活習慣を改善をしていくことがまずは大切です。
まず、禁煙をしましょう。
たばこは、脳血管障害の他にも、がんや心臓病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクも高まることが知られています。
また、節酒も重要です。
大量の飲酒は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血といった脳卒中全てのリスクを高めてしまうということがわかっています。
適切な量は、厚生労働省によると、1日平均純アルコールで約20g程度が勧められています。
主な酒量の換算の目安は、以下のような量となります。

お酒の種類 ビール
(中瓶1本500ml)
清酒
(1合180ml)
ウイスキー
ブランデー
(ダブル60ml)
焼酎35度
(1合180ml)
ワイン
(1杯120ml)
アルコール度数 5% 15% 43% 35% 12%
純アルコール量 20% 22% 20% 50% 12%

また、適度な運動やバランスの良い食事も大切です。

血圧や血糖値をコントロールする

先ほども述べましたが、脳卒中の最大の原因は、高血圧です。
そして、高血圧の最大の要因は食塩をとりすぎることによります。
なお、高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧といった2種類があります。
日本人の場合、大部分の高血圧は、特に原因となる病気がない、本態性高血圧です。
本態性高血圧は、食塩の過剰な摂取や肥満、飲酒、運動不足、ストレスや、遺伝的体質などが絡み合い、発生するとされています。
その中でも、日本人にとって重要なのは、食塩の過剰摂取です。
さて、高血圧の予防のためには 食塩の摂取量を制限することが重要です。
食塩摂取の目標は、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満を目標にすることとされています。
また、動脈硬化を促してしまう要因としては、高血糖状態、つまり糖尿病もあげられます。
そのため、くも膜下出血の予防のためには、血糖値を適切にコントロールすることも大切なのです。
具体的には、カロリーを摂りすぎないように気をつけること、運動すること、禁煙、節酒、野菜や大豆製品、海藻類などを食べることがあります。
また、甘い飲み物を飲む習慣も、血糖値のコントロールという観点からは避けた方が良いでしょう。

くも膜下出血のリスクを知る 

ここまで、くも膜下出血のリスクとしては動脈硬化の原因となる高血圧や血糖値について解説してきました。
一方で、くも膜下出血は、遺伝的な要素があるともいわれています。
くも膜下出血の原因として脳動脈瘤の破裂があります。
動脈瘤ができやすいかどうかは、家系性・遺伝的な背景があると言われています。
ただし、脳動脈瘤の発生については、糖尿病や高血圧などと同じように多因子性疾患の一つとして考えられており、複数の遺伝因子や環境因子が複雑に絡まり合っているのです。
くも膜下出血は、重篤なものでは約半数が発症後死亡していまい、20%の方で重度な後遺症が残ってしまいます。
このため、くも膜下出血のリスクとして、高血圧や喫煙、過度な飲酒に加えて、遺伝的な要素もあるということを知っておくことは重要です。

まとめ

今回の記事では、くも膜下出血の予防のために知っておきたいことを述べました。
くも膜下出血の大きなリスクとしては高血圧や喫煙、飲酒が主なものとなります。
そのため、減塩や健康的な生活を行うことが重要です。
しかしながら、くも膜下出血が起こってしまうと手足の麻痺や言語障害などの後遺症が残ってしまうこともあります。
その場合には、リハビリを行って機能の回復をはかっていくことになります。
しかしながら、一度死んでしまった神経細胞は完全に回復することが難しいとされています。
そこで、当院では、『神経障害は治るのを当たり前にする取り組み』を、ニューロテック®と定義しました。
さらに、脳卒中や脊髄損傷、神経障害の患者さんに対する『脳の治る力を高める治療』を、リニューロ®と定義しました。
リニューロ®は、同時刺激×再生医療、骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリにて『脳の治る力を高める治療』です。
そして、神経再生リハビリ®は、再生医療に合わせて磁気刺激や電気刺激などで神経回路を興奮しやすくした上での反復訓練(川平法®)などをおこなうことで、神経回路の再構築を目指すリハビリです。
くも膜下出血後の後遺症に対する再生医療にご興味のある方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

Q&A

くも膜下出血は防げる病気ですか?
くも膜下出血を予防するためには、減塩や禁煙・節酒が有効だと考えられます。また、適度な運動も大切です。遺伝的な要因が関連していることもあるので、家族にくも膜下出血の方がいる場合には、脳ドックなどで脳動脈瘤がないかどうかチェックしておくのも良いでしょう。

タバコはくも膜下出血の原因になりますか?
タバコはくも膜下出血の原因となります。それは、タバコが動脈硬化や血栓の形成を進める作用を持っているからです。すると、脳卒中(脳出血、くも膜出血、脳梗塞)のリスクを高めます。

<参照元>
脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html
高血圧 | e-ヘルスネット(厚生労働省):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html
糖尿病 | e-ヘルスネット(厚生労働省):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-002.html
脳動脈瘤の感受性遺伝子を同定(くも膜下出血の予防法開発に期待):https://www.jst.go.jp/pr/info/info584/index.html


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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