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脳卒中とパーキンソン病の関連性

           

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この記事を読んでわかること

脳卒中の後遺症とパーキンソン病の症状
脳卒中によるドーパミン神経細胞の影響
脳卒中患者におけるパーキンソン病のリスク


脳卒中は脳梗塞や脳出血・くも膜下出血の総称で、脳を栄養する血管が破綻し、脳細胞が壊死する病気
です。
脳卒中には麻痺やしびれなどのさまざまな後遺症が認められますが、一部の方では脳卒中後にパーキンソン病と非常に類似した症状をきたす方もいます。
そこでこの記事では、 脳卒中とパーキンソン病の関連性について解説していきます。

脳卒中の後遺症とパーキンソン病の症状

黒質の変性
脳卒中とパーキンソン病の関連性を理解するためには両者の病態を把握しておく必要があります。
脳卒中とは、脳梗塞や脳出血・くも膜下出血の総称で、脳を栄養する血管が破綻し、脳に栄養を送れなくなることで脳細胞が壊死する病気です。
出血や梗塞が起こる部位に応じて、麻痺やしびれ・構音障害・嚥下障害・認知機能障害などさまざまな症状が出現します。
一方で、パーキンソン病とは大脳の下にある中脳の黒質と呼ばれる部位に原因不明の変性が生じ、ドパミンと呼ばれる神経伝達物質の分泌が低下する病気です。
本来、ドパミンが作用することで体のスムーズな運動を可能にしていますが、パーキンソン病に罹患すると脳内でドパミンが枯渇するため、さまざまな症状が出現します。
パーキンソン病における代表的な症状は下記の4つです。

  • 安静時振戦:安静時に生じる振戦で、動かすと振戦は小さくなる 
  • 筋強剛(筋固縮):スムーズな運動ができず、他人が体を触った時に強張りを感じる
  • 動作緩慢:動きが遅くなり、細かい運動もできなくなる
  • 姿勢反射障害:バランスが取れなくなり、転倒しやすくなる

上記以外にも、排尿や排便・血圧や脈拍などのコントロールが悪くなる自律神経障害や抑うつ気分などの症状をきたすこともあります。
前述したように、パーキンソン病そのものは中脳黒質の変性が原因ですが、他の原因でパーキンソン病のような症状をきたすこともあり、これを「パーキンソニズム」と呼びます。
パーキンソニズムをきたす主な原因は下記の通りです。

  • 脳血管障害性:脳卒中(脳血管障害)に伴うもの
  • 薬剤性:ドパミンの作用を減弱させてしまう薬剤によるもの
  • 水頭症:脳腫瘍や頭部外傷など脳卒中以外の原因で直接脳が障害されるもの

中でも、脳血管障害性パーキンソニズムは最も頻度が高く、患者数も多い病態です。
しかし、脳血管障害性パーキンソニズムとパーキンソン病では出現する症状に違いがあることが知られています。

症状の進行度

ーキンソン病では黒質が徐々に変性していくため、症状が緩徐に進行します。
一方で、脳血管障害性パーキンソニズムでは、脳卒中発症とともに急速かつ階段状に症状が進行していきます。

症状の特徴

パーキンソン病では症状の左右差が明瞭で、症状が進行すると前傾姿勢となります。
一方で、脳血管障害性パーキンソニズムでは、症状の左右差が不明瞭で、姿勢は直立姿勢となります。
また、安静時振戦を伴わず、下半身に強く症状が出やすいなどの特徴も挙げられます。

脳卒中によるドーパミン神経細胞の影響

シナプスとドパミン
では、なぜ脳卒中でパーキンソン病のような症状が出現してしまうのでしょうか?
結論から言えば、脳卒中によってドパミン分泌に関わる神経細胞や、ドパミンを受け取る側の神経細胞が損傷を受けるからです。
特に、大脳皮質と視床・脳幹を結びつけている神経核の集まりである大脳基底核(線条体・淡蒼球・黒質・視床下核からなる )と呼ばれる部位が損傷を受けるとパーキンソニズムが出現しやすいです。

脳卒中患者におけるパーキンソン病のリスク

脳梗塞でパーキンソン病を合併しやすくなる
脳卒中患者、特に脳梗塞でパーキンソニズムを合併しやすく、大脳基底核の多発性ラクナ梗塞の症例の26%、大脳皮質下白質の広範な虚血性変化を認める症例の40%にパーキンニズムが出現したという報告もあります。
また、脳血管障害性パーキンソニズムはパーキンソン病と異なり、四肢麻痺など他の神経症状も出現する可能性が高く、日常生活に与える影響も大きくなる可能性が高いです。
さらに、一般的に行われるパーキンソン病治療薬への反応性に乏しいことが知られており、リスクの高い疾患と言えます。

まとめ

今回の記事では、脳卒中とパーキンソン病の関連性について解説しました。
脳卒中によって大脳基底核が損傷すると、脳内におけるドパミンの働きが損なわれ、スムーズな運動が障害されることで筋固縮や姿勢反射障害などのパーキンソニズムが生じます。
一般的なパーキンソン病よりも症状の進行が急速で、背景に脳卒中を伴うことから他の神経障害をきたす可能性もあります。
さらに、パーキンソン病治療薬への反応性も乏しく、よりハイリスクなパーキンソン病とも言えます。
残念ながら、一度発症すると根治する術がないため、現状では予防医療に務めるなどの対策が取られています。
しかし、近年では再生医療の分野が成長しており、脳梗塞によって損傷を受けたドパミンに関与する脳細胞が再生医療によって回復する可能性もあります。
そうなれば、ドパミンの働きが正常化してパーキンソニズムが改善する可能性もあり、現在のその知見が待たれるところです。

Q&A

脳卒中とパーキンソン病の間にはどのような関連性があるの?
脳卒中によって大脳基底核など、パーキンソン病発症に関わる神経細胞が障害されることで、パーキンソン病のような症状をきたすことがあります。
これを脳血管障害性パーキンソニズムと呼び、いわゆるパーキンソン病とは別の疾患として考えられています。

パーキンソン病の患者が脳卒中を発症するリスクは高いですか?
パーキンソン病の患者では、自律神経障害によって血圧変動が大きく、姿勢障害や動作緩慢・筋固縮によって健康的な運動を行えなくなる方もいるため、脳梗塞をはじめとする脳血管障害の発症には十分注意する必要があります。

<参照元>
・難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/169#:~:text=パーキンソン病」とはどの,と呼んでいます%E3%80%82
・日本内科学会雑誌:https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/104/8/104_1585/_pdf


あわせて読みたい記事:パーキンソン病の末期症状と余命

貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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