脳出血治療後の退院と回復までの生活の流れ|脳卒中・脊髄損傷|麻痺痺れなど神経再生医療×同時リハビリ™で改善

脳出血治療後の退院と回復までの生活の流れ

           

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この記事を読んでわかること

脳出血退院後の生活とは
脳出血後の退院生活を左右するのは?
脳出血と再生医療の可能性


脳出血治療後に退院したらどんな生活になるのだろうか?
ご自身やご家族、また知り合いの方など身近な人でで脳出血と診断された方がいらっしゃる時には、このような疑問を思い浮かべるのではないでしょうか?
入院治療が無事に済んで、そろそろ退院に向けて生活を考えていかなくてはいけない。
そんな人が少しでも脳出血後の生活がイメージできるように、この記事では、脳出血の治療を終えて退院された方がどのような生活を送ることができるのかについて論文や報告参考を元に研究や結果をご紹介していきます。

脳出血後の退院生活に対するイメージと現実は少し違う?

脳出血後の退院生活に対するイメージと現実は少し違う?
実は脳出血の患者さんが退院されたときに感じているイメージと実際の生活にはギャップがあることもあると研究により報告されています。
リハビリテーション科学ジャーナルに掲載されたとある論文では脳出血を含む脳血管障害者7名に対して入院中に想定したいた退院後の生活と退院後に感じた実生活についてインタビューしてみたようです。
その結果によると想定通りに暮らしを送れている人もいれば、やはり入院前に想像していたよりもネガティブな感情を感じることがあり、中でも、家族に迷惑をかけたくないという葛藤や職場のスタッフの不理解などの陰性感情を感じる人も少なからずいたようです。

<参考>脳血管障害者が経験する退院後生活のギャップとその要因 : 回復期リハビリテーション病棟における作業療法への示唆
https://irdb.nii.ac.jp/01012/0004292952

脳出血による平均的な入院期間とは?

脳出血後の入院期間は、一般的に数週間から数ヶ月にわたります。
患者の年齢や病状によって異なりますが、40~44歳の患者の平均入院日数は56.4日、80~84歳の患者では151.3日と大きな差があります。
高齢者ではリハビリの期間が長くなり、また脳出血の重症度も高くなるため、より長期の入院が必要となる傾向があります。
急性期治療を終えた後、回復期病院でのリハビリテーションに進むことが多く、退院までの期間を含めた長期的な治療計画が立てられます。

脳出血後の退院生活で注意すべき点

それでは退院後の生活をより良いものにするにはどうしたらいいのでしょうか?
一般に脳血管疾患患者のADL(生活)は退院時が最大であり、その後低下していくことも研究から明らかになっています。
特に生活の中での「移動」という項目が退院前後で変化してしまうことが明らかになりました。
同研究の中ではその鍵を握るのが退院前の退院支援であることも示されており、退院から実生活へ移る時の周りの人のサポートが欠かせないようです。

<参考>脳血管疾患患者における回復期リハビリテーション退院後の日常生活活動能力の変化及び関連因子に関するアンケート調査
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jotr/38/1/38_37/_pdf

脳出血退院後のリハビリ

脳出血後の退院後も、リハビリテーションは非常に重要です。
回復期病院でのリハビリを終えた後、自宅でのリハビリが続きます。
日常生活での動作を改善するためのリハビリや、再発を防ぐための運動指導が行われることが多いです。
また、リハビリの進行状況を定期的に確認し、必要に応じて医師や理学療法士と協力してリハビリ計画を調整していきます。
家族や介護者もこのプロセスに積極的に関わることが、患者の回復を促進する鍵となります。

脳卒中後の飲酒は?

飲酒は良いのか?
生活に戻る上でおそらく多くの人が気になるのは、今後お酒を飲むことができるのだろうか?という疑問があるのではないでしょうか?
まず第一に、脳出血や脳梗塞の発症と飲酒には関連性があることが知られていています。
適度な飲酒は脳出血や脳梗塞の発症を減少する効果がありますが、一方で、過度な飲酒は脳出血や脳梗塞の発生を増やすことが海外の論文により明らかになっています。
特に脳出血の発生と強い関係があるとの示唆もされています。

<参考>Differing association of alcohol consumption with different stroke types: a systematic review and meta-analysis
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5121939/

そのように脳出血や脳梗塞の原因に飲酒が考えられる一方で、脳梗塞後の飲酒は適度ならいいのではないかという報告も日本の研究から明らかになっています。
この報告によると、適度な飲酒であれば、血管の炎症を押さえるため脳梗塞発症後もいい影響を与えるのではということが示されているのです。
しかしながら、この研究については2つ注意するべき点があります。
1つ目に、この研究では脳出血に関しては言及されていないので、脳出血についてはこの報告からはなんとも言えないです。
2つ目に、適度な飲酒は日本酒1〜2合とされているようですが、このメッセージを「お酒を飲んでも大丈夫だ」と拡大解釈してしまわないことが大切です。お医者さんにお酒を飲んでいいと言われただけではなく、きちんとどれくらいなら飲んでもいいかということをお医者さんと相談して適切な量でお酒は楽しみましょう。

<参考>飲酒の習慣が、脳梗塞の発症後に好影響 ただし飲み過ぎは禁物
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000000340.html

脳出血の後に運転はできるのか?

退院後に運転はできるのか
お酒以外の例として自動車の運転について検討した報告をご紹介します。
日常生活を営む上で自動車運転が必要な場面は多くありますよね。
特に、脳出血の退院後に運転をすることができるのだろうか?と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん脳出血の症状の程度によって運転ができるできないは人それぞれではありますが、高次脳機能に関する報告からは脳出血を経験した被験者2名のうち1人は対向車や信号への注意が欠けているとの結果でしたが、一方でもう1人は問題なく運転をすることができたようです。

<参考>高次脳機能研究
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/37/1/37_98/_pdf/-char/ja

脳出血と再生医療の可能性

この記事では脳出血を発症し治療を終えて退院した際に、どのような生活となるのかを論文をから例を引用してご紹介しました。
脳出血後にどのようなことができるのかはもちろん症状によって人それぞれですし、また、家族や職場の人のサポートや配慮によって生活の質も変化します。
また、脳出血などの脳血管障害はかつて根本的な治療方法がなくリハビリと再発予防しかありませんでしたが、近年では再生医療によってその症状を改善できる可能性も出てきました。
この記事でご紹介したのは現状でしかなく、再生医療が普及することで今後は脳出血の退院後の生活がさらに発症前の生活に近づいていくかもしれませんね。

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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