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高次脳機能障害の患者さんやご家族を支援する仕組み

           

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病気になるとつらいのは患者さん本人ですが、患者さんを支える家族にとっても大問題です。
特に社会復帰できないような病気になってしまうと、ただ生活を送っていくことが簡単ではなくなり、ご家族には大きな負担がかかることになります。
その事実は、脳梗塞など発症後に患者さんの生活機能が低下する疾患ではなおさらです。
ここでは、後遺症として高次脳機能障害が残った場合ご家族にどのような負担がかかるのか、そして患者さんとご家族を支援する仕組みについて解説していきます。

高次脳機能障害の特徴

高次脳機能障害患者と家族
高次脳機能障害とは、「認知」や「行動」に障害が起こり、問題解決や判断、行動の抑制、計画など人としての高度な機能が十分でなくなることを言います。
記憶が障害されることで同じ話や質問を繰り返してしまう、注意力が障害されぼんやりしてしまったりすぐ飽きてしまう、感情のコントロールができずに興奮しやすかったり怒りやすかったりする、などの症状が起こります。
会話や歩行などは普通にできるため、一見したところ病気をしたとは分かりません。
ところが社会復帰しようと思うと問題が起こり、周囲の人も別人のようになってしまった患者さんを見て戸惑ってしまいます。
高次脳機能障害が「見えない障害」と呼ばれるのはそのためです。
障害と見てもらえず、本人の資質の問題ではないかと思われてしまうと、本人・家族とも困ることになります。

高次脳機能障害患者のご家族が困ること

脳梗塞の後遺症にはさまざまなものがありますが、象徴的とも言えるのが半身麻痺ではないでしょうか。
顔の動きや手足の動きが障害されるため、誰が見てもすぐに障害が残っていると気づくことができます。
障害があることが周囲から認識されれば、支援を受けやすくなり、必要な治療へつながることが想定されます。
一方で、高次脳機能障害は「見えない障害」であるため、周囲に認識されづらいばかりか、ご家族ですら後遺症と認識できていないことがあります。
病気の発症前とは明らかに違う状態でも、高次脳機能障害に関する知識がないと、「性格が変わった」「認知症が進行した」などと考え、適切な治療へつながらない可能性があります。
病状は急には変わらないため、支援を受けられない状態で生活を送っていくのは物理的にも、場合によっては経済的にも困難な状況になってしまいます。

高次脳機能障害の患者やご家族を支援する仕組み

以前は高次脳機能障害に対する認識が十分ではなく、患者さんやご家族を支援する仕組みがありませんでした。
そのため困り果てた家族が公的支援を得ようと思っても門前払い、という状況もあったようです。
ところが脳卒中から日常生活へ復帰した方では、約40%の方に高次脳機能障害が残ることが明らかにされるなど障害に対する認識が高まり、2006年に厚生労働省は「高次脳機能障害診断基準」を定めました
これにより診断基準を満たす患者さんは障害者手帳の取得が可能となり、さまざまな医療福祉サービスを利用できるようになりました。
従来精神疾患の診断は精神科の医師だけができる領域だったのですが、高次脳機能障害に関しては診療科を問わずに診断することが可能となるなど、患者さん、ご家族へ向けて広く門戸が開かれたのです。
そのほか就労・就学や社会参加を目指す患者さんとご家族を支援するための「支援拠点機関」が全国に100箇所以上設置されており、「高次脳機能障害情報・支援センター」のホームページ(http://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/)で確認することができます。
各地の自治体や地域では、高次脳機能障害に関する家族相談会などを開催している場所もあります。
患者さんのご家族はほとんどの場合、高次脳機能障害の方と生活するのは初めてのはずです。
自分たちで抱え込む必要はありませんので、公的な支援を利用してほしいと思います。

高次脳機能障害に対する再生医療

高次脳機能障害の患者さんやご家族を支援する仕組みが整ってきたとはいえ、それで障害が治るわけではありません。
高次脳機能障害は、脳の障害ですから一度完成してしまった症状は生涯残る後遺症となってしまいます。
失われた神経の機能を取り戻すのは基本的に不可能と考えられてきました。
しかし、神経障害の治療に新たな光をもたらしてくれる可能性があるのが、再生医療です。
再生医療とは、幹細胞等を用いて臓器や組織の欠損、機能障害に対して臓器や組織を再生し、機能の回復を目指す医療です。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
高次脳機能障害に対しては、幹細胞治療とリハビリテーションを組み合わせることで最大限の機能回復を達成できると考えています。
高次脳機能障害の患者さんやご家族の方は、ぜひご相談ください。

まとめ

高次脳機能障害について、患者さん、ご家族を支援する仕組みを中心に解説しました。
脳梗塞などの疾患は、発症しないに越したことはありませんが、もし発症してしまった場合は後遺症を抱えながら生活していくことを考えなくてはなりません。
「見えない障害」とどのように付き合っていくか、周りに広がっている支援の輪をぜひ利用していただきたいと思います。


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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