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脊髄損傷後の一人暮らしについて

           

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脊髄損傷は主に交通外傷によって脊髄を損傷する病気です。
脊髄には多くの神経が通っているため、損傷によって麻痺が生じ、排泄や排尿なども障害を受け、日常生活に大きな支障が出てしまう可能性があります。
特に一人暮らしでは、多くの苦労を抱えて生活している方も少なくありません。
そこで本書では、脊髄損傷後の生活について解説していきます。

脊髄損傷とは

転倒して脊髄損傷
脊髄損傷とはその名の通りなんらかの原因で脊髄を損傷した状態です。
そもそも脊髄とは神経の束のようなもので、内部には運動神経や感覚神経、交感神経や副交感神経などの自律神経などの様々な種類の神経が通っていて、脊髄損傷の高さが高位であればあるほど症状も多岐に渡ります。
受傷から症状が安定するまでの急性期であれば、当然医療機関での積極的治療を受ける必要があります。
しかし、後遺症として麻痺やしびれ、膀胱直腸障害などの合併症があり日常生活を営む上で介護や介助が必要な場合であっても、急性期を過ぎてしまった患者さんはいつまでも病院に入れるわけではありません。
急性期病院でのリハビリは最長でも受傷後2ヶ月間、その後回復期リハビリテーションを行なった場合でも最大150-180日以内には回復期病棟を退院しなくてはならないため、最大でも240日間の入院が限界となります。
退院後は自宅もしくは施設での介護生活を自分で選択して、リハビリを行わなくてはなりません。
家族が熱心に介護をしてくれる環境ならまだしも、もし仮にあなたが一人暮らしであれば、まともな日常生活すら営めなくなってしまう可能性もあります。
さて、では実際に脊髄損傷に陥ってしまった方は、自宅ではどのような日常生活を送っているのでしょうか?

脊髄損傷の日常生活とは?

退院後に自宅での生活が決まれば、まずは誰がいつどのように介護を行なってくれるのか介護体制を整える必要性があります。
今までのリハビリの過程で、自分にどのような介護器具が必要なのか、自宅はどのような改造が必要なのか、引っ越しが必要なのかなど多くのことを考えなくてはいけません。
多くの患者さんはまず最初に家族の介護を利用されますが、家族の介護ならではの悩みも多いようです。
家族の生活や時間を毀損しているのではないのかと自問自答したり、家族だからこそつい感情をぶつけてしまい自己嫌悪することも少なくありません。
そこで一人暮らしを考える場合は、後遺症の程度にもよりますが多くの方が訪問介護や訪問看護などの居宅支援サービスを受けることになります。
排尿や排便を自分で処理することが難しく入浴も困難な事が多いため、週2-3回の訪問看護や訪問介護を受けている方が多いようです。
具体的にどのように過ごしてるのかご紹介していきます。

移動

四肢麻痺の場合、意思があっても手足を思い通り動かす事ができないため、当然移動もできません。
そこで普段の移動には、アゴで操作する電動車椅子などを使用している事が多く、ベッドとの乗り移りは専用リフトを使用している方が多いです。
そのほか自宅内にスロープの設置を行い、電動車椅子である程度自由に移動できるようにする改装が必要になります。

食事

麻痺の程度次第ですが、完全麻痺でなければ自助具を使っての食事も可能です。
また、軽度麻痺であれば調理が可能な方もいます。
重度の麻痺の場合は調理などが難しいため、食事の介護が必須になります。
また体温調節機能が障害されやすいため、介護なしで常に飲水できるように工夫している方も多いです。

排泄

膀胱や直腸の機能は高率で障害されるため、排尿や排便の対策は必須と言えます。
排尿に関しては、自己導尿やバルーン留置カテーテル、膀胱瘻の確立によって自立排尿を行うことができます。
むしろ問題は袋に溜まった尿を自力で捨てられるかどうかであり、自力では不可能な場合は介護が必要になってしまいます。
排便に関しても、基本的に便座に座って座位を保つ事ができないため板敷トイレを作るなどの環境整備を行なった上で、座薬や自助具を使って排便を行います。

入浴

ある程度自力での移乗が可能な方であれば、車椅子と同程度の高さの板を敷いて入浴も可能です。
また自力での移乗が不可能な場合は、バスリフトを使用して介護下での入浴を行います。

まとめ

脊髄は一度損傷すると機能の回復は困難であり、麻痺症状などの後遺症によって日常生活に大きな支障をきたします。
そこで本書では脊髄損傷後の自宅での暮らし方について、動作毎に解説しました。
ご紹介したように多くの日常動作において自力では困難なことも多く、一人暮らしでは苦労することも多いのが現状です。
しかし、近年では再生医療の発達が目覚ましいです。
再生医療によって損傷した神経が修復できれば、失われた機能の回復もあり得るため、脊髄損傷後の患者さんの生活にとって大きな変化を与えてくれる可能性があります。
今後さらなる研究が進むことを期待しています。

Q&A

脊髄損傷患者の一人暮らしで注意することは?
脊髄損傷患者が一人暮らしをする際、まず住環境を整備が必要です。入口などバリアフリーにして、アクセシビリティを確保すること、そして近くに助けを求められる人がいることや緊急通報システムを設置することも必要です。

脊髄損傷患者が一人暮らしで利用できるサービスは?
脊髄損傷患者の一人暮らしにおいて、ヘルパーサービスは身体的な支援を提供します。これには食事の準備、掃除、洗濯、お風呂やトイレの補助などが含まれます。また、訪問看護サービスは医療的なケアを提供し、病状の管理や薬の管理を支援します。その他、地域の福祉サービスでは、日常生活用品の提供や住居の改修支援などが受けられます。まずは、各自治体の福祉窓口や医療機関で情報を得ることが必要です。


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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