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脳出血で意識不明の生存率について

           

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この記事を読んでわかること

脳出血による死とは
意識障害を伴うような脳出血の生存率
脳梗塞・クモ膜下出血の生存率


脳出血は脳を栄養する血管が破綻し、硬い容器である頭蓋骨内に血液が溜まっていく病気です。
溜まった血液によって脳が圧迫されるため、出血の程度によっては意識障害など様々な症状が出現し、最悪の場合死に至ることもあります。
そこでこの記事では、意識不明を伴うほどの脳出血における生存率に関して詳しく解説していきます。

脳出血による死とは

脳卒中
そもそも脳出血とは脳卒中(脳血管障害)の1つであり、脳を栄養する血管がなんらかの原因で破綻し、脳内で出血する病気です。
脳出血は戦後長らく日本人の死因第1位でしたが、1970年をピークに減少し、1981年には悪性新生物に代わり第2位になると、1985年には心疾患に代わって第3位に、2011年には肺炎に代わって第4位にまで下がっています。
この背景には、医療の発達や危険因子の管理が向上したことが挙げられ、現在では発症率・死亡率ともに劇的に減少しました。
とはいえ、一度発症すると非常にリスクの高い病気であることに変わりはありません。
脳は非常に酸素需要の高い臓器であり、心臓から常に酸素を多く含んだフレッシュな血液が供給されています。
しかし、脳の血管が動脈硬化などによって脆弱化すると、血圧の変動などによって血管が破綻し出血を引き起こします。
すると、これまで新鮮な血液が供給されていた脳細胞に酸素が届かなくなるため、脳細胞が壊死してしまい、麻痺やしびれなどの神経症状が出現します。
また、出血の程度や範囲が大きいと、徐々に血液によって脳実質が圧迫され始めます。
脳は硬い頭蓋骨に囲まれた閉鎖空間に存在しているため、内部に出血を引き起こすと行き場を失った血液が脳実質を圧迫してしまい、脳全体の機能が障害されて意識障害に至ります。
最終的には、呼吸や循環を調整している脳幹(中脳・橋・延髄の総称)が圧迫を受けてしまい、自発呼吸の停止や循環動態の破綻を引き起こし死に至ります。
つまり、意識障害を伴うような広範囲の脳出血は非常に危険な状態であるということがわかります。

意識障害を伴うような脳出血の生存率

それでは、具体的に意識障害を伴うような脳出血の生存率はどれほどなのでしょうか?
結論から言えば脳出血の5年生存率は26.7%であり、10年生存率は24.1%と言われており、平均余命は10〜12年程度と考えられています。
また、脳出血は再発しやすい病気であり、次の数年以内に再発することがあります。
日本の久山町で行われた研究によれば、発症後10年間の再発率はクモ膜下出血で70.0%、脳出血で55.6%と報告されています。
再発した場合、より多くの脳の部位が損傷を受けるため、その後の生存率はさらに低くなる傾向にあり、決して予後の良い疾患とは言えません。
それでは、脳出血以外の脳血管障害の予後はどの程度なのでしょうか?

脳梗塞の生存率

近年では、食生活の欧米化やライフスタイルの変化によって、脳出血患者は減少し脳梗塞患者が増加する傾向が顕著になっています。
さらに急速な高齢化に伴って、脳梗塞患者のさらなる増加が予想されています。
脳梗塞には、脳深部の微細な血管が閉塞するラクナ梗塞、脳を栄養する太い血管が閉塞するアテローム性血栓性脳梗塞、心臓内の血栓が脳に飛んでしまう心原性脳塞栓症の3つがあります。
脳梗塞全体の5年生存率は82%と言われているのに対して、アテローム性血栓性脳梗塞では79%、心原性脳塞栓症では64%と言われています。
心原性脳塞栓症の場合、心臓に溜まった血栓が血流に乗って脳の血管に飛んでしまうため、広範な脳機能障害を引き起こすことが予後低下に起因していると考えられます。

クモ膜下出血の生存率

クモ膜下出血の予後は決して良いとは言えません。
まず、初回発作と再発時の死亡率は50〜60%とかなり高率であり、特に初回の発作では48時間以内に4人に1人は死亡すると言われています。
その後急性期を越えると再発による死亡は少なくなりますが、10年以内の再発死亡例は全体の10%ほどになると言われています。

まとめ

今回の記事では、意識不明を伴うような脳出血の生存率などについて解説しました。
長期的な動脈硬化によって脆弱化した脳の血管に血圧の変化などが加わると、血管の一部が破綻して一気に出血を引き起こします。
出血による虚血や圧迫によって脳細胞が障害されると、麻痺やしびれなど日常生活に大きな支障をきたす後遺症を残す可能性があります。
また、広範な出血によって脳全体が圧迫を受け、さらに脳に浮腫が生じることで脳を栄養する血流が途絶え、意識障害や呼吸停止、循環破綻など命に関わるような重い症状を引き起こします。
現状、急性期には手術療法による血腫除去や破綻した血管の修復が望ましいですが、一度壊死してしまった脳の細胞や機能は基本的に再生しないと考えられているため、治療が遅れると重篤な後遺症を残す可能性もあります。
そこで、近年では機能回復の治療法として再生医療が非常に注目されています。
再生医療によって損傷した脳細胞の機能が回復すれば、重篤な後遺症からの回復も見込まれるため、現在のその知見が待たれるところです。

Q&A

脳出血の意識不明はなぜ起こるのですか?
脳出血に陥ると脳全体が血腫に圧迫され、さらに出血に伴う浮腫が生じてしばらくの間脳が浮腫んだ状態が続きます。
その際、脳全体が頭蓋骨内で圧迫を受けるため、脳内部の血流も低下して意識不明の状態に陥ります。

脳出血後の後遺症発生率は?
厚生労働省のデータによれば、脳出血を含む脳卒中発症者の78.3%はなんらかの後遺症を残しています。
とは言え、日常生活に大きな支障のない程度の後遺症患者が最も多く、寝たきりなどの重度の障害を残す割合は5.7%程度でした。

<参照元>
・脳卒中の疫学:
https://webview.isho.jp/journal/detail/pdf/10.11477/mf.1402223933?searched=2
・日本における塞栓症:
https://webview.isho.jp/journal/detail/pdf/10.11477/mf.3104200218?searched=2
・厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/18/backdata/01-01-02-06.html


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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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