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シェーグレン症候群の症状と治療

           

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この記事を読んでわかること

シェーグレン症候群とは
シェーグレン症候群の症状
シェーグレン症候群の治療


私達の体には免疫があり、外敵や異物から体を守る働きをしています。
ところが自分の免疫が間違って自分を攻撃してしまう疾患があり、それを自己免疫疾患といいます。
自己免疫疾患には多くの種類があります。
この記事では、自己免疫疾患の一つであるシェーグレン症候群について解説します。

シェーグレン症候群とは

唾液腺と涙腺
シェーグレン症候群は主に涙や唾液を作っている臓器(涙腺、唾液腺)を障害する自己免疫疾患です。
中年の女性に発生することが多く、50歳代に発症のピークがあり、男女比は1:17と圧倒的に女性に多い疾患です。
遺伝的要因やウイルスなどの感染症、免疫機能の異常、女性ホルモンの関与などが原因と考えられています。
国内には約7万人の患者さんがいるというデータがありますが、病院を受診していない人を含めると10-30万人ほどいると考えられています。

シェーグレン症候群の症状

涙腺、唾液腺の機能が障害され涙や唾液の分泌が減少することにより症状が起こります。
初期から自覚しやすいのはドライアイ、ドライマウスです。
涙の量が減ることで目が渇き、強い痛みを自覚することがあります。
視力に影響することもあり、常時感じるためつらい症状の一つです。
唾液が減ると口が渇き、よく水を飲むようになります。
口が渇くと発語がままならなくなり、虫歯が多くなるなど思わぬ症状を引き起こすこともあります。
その他全身の症状が起きるケースもあります。
関節の痛みや炎症、間質性肺炎、腎機能障害、末梢神経障害など様々な症状を引き起こします。
レイノー現象という特徴的な指の色の変化を自覚することもあります。
血液検査や涙、唾液の分泌量を調べる検査により診断を行います。
涙腺や唾液腺の一部を採取し顕微鏡の検査を行い、診断を確定させることがあります。
シェーグレン症候群は難病指定されているため、医療費助成の対象になることがあります。

シェーグレン症候群の治療

シェーグレン症候群を根本的に治療するのは難しく、対症療法が中心になります。
ドライアイの症状がある場合は点眼薬で涙を補充します。
効果は一時的なものとなるため、1日に複数回の点眼が必要になることが一般的です。
ドライマウスがある場合虫歯を予防するため、口腔内を清潔に保つ必要があります。
歯のブラッシングや歯周病対策が重要です。
喫煙やアルコール、香辛料は口腔内の環境を悪化させる可能性があるため控えたほうが良いとされています。
全身性の症状がある場合にはステロイドや免疫抑制薬の使用を検討します。

シェーグレン症候群と再生医療

シェーグレン症候群の根本的な治療、つまり涙腺や唾液腺の機能を取り戻す事は現状ではできません
ところが大阪大学は再生医療の手法によりヒトの涙腺を再生できる可能性を示しました。
この研究で使用されたのはヒトiPS細胞です。
iPS細胞から目の角膜や結膜を作ることには以前成功していたのですが、今回その方法を応用することで涙腺の細胞を作製することに成功したのです。
作製された涙腺の細胞は動物への移植実験により、成熟した涙腺組織になったことが確認されました。
ヒトへの応用にはまだ時間が必要ですが、涙腺の機能を根本的に再生できる可能性を示しており、重要な研究成果と言えます。
再生医療はあらゆる分野への応用が試みられており、シェーグレン症候群を始めとした種々の難病も新たな解決方法が開発されるかもしれません。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
再生医療と最先端のリハビリテーションの組み合わせにより各疾患の治療を行います。
症状にお悩みの方は、ぜひご相談ください。

まとめ

シェーグレン症候群について解説しました。
涙や唾液の減少は程度が強くなると日常生活への影響が大きい症状です。
全身の症状が徐々に進行する可能性もあり、早めに専門医の診察を受けることをお勧めします。
再生医療の効果に期待が高まります。

Q&A

シェーグレン症候群の前兆は?
シェーグレン症候群の初期症状にはドライアイ、ドライマウスがあります。目の渇きや口の乾燥を感じる頻度が多いようなら、本症の可能性を考え受診を検討してください。指の色が変わるレイノー現象が起きることもあります。

シェーグレン症候群はなぜ起こる?
発症の原因ははっきりと解明されていませんが、遺伝的要因やウイルスなどの感染症、免疫機能の異常、女性ホルモンの関与など複数の要因が関係して原因になると考えられています。

<参照元>
・「iPS細胞から涙腺オルガノイドの作製法を確立」プレスリリース
https://www.amed.go.jp/news/release_20220421-01.html



貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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