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ストレスが原因になる脳出血とは

           

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この記事を読んでわかること

脳出血とは
脳出血とストレスの関係
具体的にストレスによって生じる脳出血のリスク


脳出血は脳を栄養する血管がなんらかの原因で破綻し、脳に十分な栄養を供給できなくなることで麻痺やしびれ、意識障害などをきたす疾患です。
原因は様々ですが、実は身体的・精神的ストレスが脳出血の発症に大きく影響することがわかっています。
そこでこの記事では、脳出血とストレスの関係に関して詳しく解説していきます。

脳出血とは

ストレスが与える影響は大きい
心臓から脳には多くの血管が分岐しており、酸素や糖質などの栄養を多分に含んだ新鮮な血液を常に供給しています。
しかし、なんらかの原因で脳の血管が破綻すると出血が生じ、その血管に栄養されていた脳の細胞が栄養を受け取れなくなり、麻痺やしびれなどの症状が出現します。
さらに進行すると、硬い頭蓋骨に囲まれた空間の内部に血液のかたまりが増えていき、頭蓋骨内で脳実質が圧迫されて、意識障害や呼吸停止、最悪の場合は循環破綻など様々な症状をきたします。
本来であればヒトの血管は弾性に富んでおり、多少の衝撃では破綻することはありません。
では、なぜ脳出血の際に血管が破綻してしまうのでしょうか?

脳出血とストレスの関係

脳出血の原因の多くはストレスと関係があることがわかっています。
ストレスは万病の元とされており、身体に様々な悪影響を与えてしまうためです。
身体的・精神的ストレスがかかると、自律神経(副交感神経と交感神経の総称)のうち交感神経が優位に活性化して、持続的な血管収縮や心臓への過度な負担を招きます。
さらに、ストレスによって副腎皮質からコルチゾールというストレスホルモンが多量に分泌されるようになります。
通常、コルチゾールは代謝促進などの機能を担っていますが、過剰に分泌されると血管の収縮や血糖値の上昇を引き起こすため、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症リスクを増加させます。
これら2つの機序から、持続的な高血圧や糖尿病が生じて血管の動脈硬化を招き、血管壁が脆くなることで破綻を招くことになります。
では、具体的にストレスによって生じる脳出血のリスクを説明します。

高血圧

ストレスによって生じる高血圧は脳出血の最大のリスクです。
血圧が高いことで血管に大きな負担がかかり、動脈硬化によって脆弱化した血管が破綻する可能性が高まります。
具体的には、収縮期血圧180mmHg以上の場合は急いで病院を受診するようにしましょう。
また持続的な高血圧はもちろん、血圧の乱高下も脳出血のリスクであり、自宅で測定した血圧の変動が激しい場合も注意が必要です。
高血圧の原因はストレス以外に過剰な塩分摂取や運動不足などが挙げられます。
日常生活から注意して過ごすようにしましょう。

睡眠不足

ストレスによって生じる睡眠不足も脳出血のリスクです。
特に精神的ストレスで不眠症状をきたす方は多く、不眠によって動脈硬化が進展することが知られています。
理想的な睡眠時間は個々によって異なるため一概には言えませんが、概ね6〜7時間の睡眠時間は確保するようにしましょう。

喫煙

ストレスによって喫煙の機会や本数が増加する場合も脳出血のリスクです。
タバコに含まれるニコチンは血管収縮作用や心拍数増加作用があり、血管や心臓に負担をかけることがわかっています。
さらに、血管の内側に障害を与え、悪玉コレステロールによる動脈硬化の進展に大きく影響することもわかっています。
これらの機序から、タバコは心臓や血管にとって非常に有害であり、脳出血の発症リスクを増加させるため注意が必要です。

脳卒中とストレスの関係

ちなみに、脳卒中(脳血管障害)とは脳出血・脳梗塞・くも膜下出血の総称です。
脳出血やくも膜下出血は脳の血管が破綻する病気で、脳梗塞は脳の血管が閉塞する病気ですが、どちらもストレスによる高血圧や動脈硬化が原因となります。
特に脳梗塞は発症患者数が多い病気であり、日常からストレスを溜め込まないように行動することが予防のためにも重要です。

まとめ

今回の記事では、脳出血の原因となるストレスについて解説しました。
ストレスは身体的にも精神的にも様々な悪影響を与え、複数の機序から脳出血発症の原因となります。
特に、ストレスによる持続的な交感神経の活性化・副腎皮質からのコルチゾール分泌は、慢性的な高血圧・糖尿病の発症を引き起こし、ひいては動脈硬化の進展を促します。
脆弱化した脳の血管に血圧の変化などが加わると、血管の一部が破綻して一気に出血を引き起こします。
出血による虚血や圧迫によって脳細胞が障害されると、麻痺やしびれなど日常生活に大きな支障をきたす後遺症を残す可能性があります。
これまで、一度壊死してしまった脳の細胞や機能は基本的に再生しないと考えられてきたため、脳出血に対する基本的な治療は出現した症状を緩和するような対症療法でした。
しかし、近年では再生医療の発達も目覚ましく、損傷した脳細胞の再生も期待できます。
損傷・壊死した脳細胞が再生すれば、日常生活に支障をきたす重篤な後遺症も回復する可能性もあり、現在のその知見が待たれるところです。

よくあるご質問

ストレスで脳梗塞になりますか?
ストレスは脳梗塞の原因になります。
ストレスによって交感神経の活性化・ストレスホルモン「コルチゾール」の分泌が促され、それによって生じる高血圧・糖尿病・高脂血症が持続すると、動脈硬化が進展します。
内部が細く汚い動脈は正常な動脈よりも閉塞しやすく、脳梗塞を引き起こします。
関連記事▶︎ 知ってトクする脳梗塞とストレスの関係

脳出血は何歳ぐらいが多いですか?
脳出血は外傷性を除き、ほとんどが50〜60以降で発症すると報告されています。
発症する方の多くは高血圧や糖尿病などのリスク要因にある程度の期間晒されているため、比較的高齢での発症が多いです。

<参照元>
・MSDマニュアル:
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/07-神経疾患/脳卒中/くも膜下出血-(sah)

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
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