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脳腫瘍の良性と悪性の見分け方

           

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「腫瘍」という言葉は怖い響きを持った言葉ですが、「脳腫瘍」とするとより一層怖い病気のような感じがしますよね。
「腫瘍」や「がん」「良性」「悪性」など、良く使われる割に正確な意味が理解しづらいという点もあり、漠然とした不安を抱きやすい疾患です。
確かに脳腫瘍は命に関わることがある病気の一つですが、そうではないこともあります。
この記事では脳腫瘍に関わる用語の説明から、良性腫瘍と悪性腫瘍の見分け方について解説していきます。

脳腫瘍とは

悪性腫瘍
腫瘍というのは何らかの原因でできた異常な細胞が集まって作ったかたまりのことです。
異常な細胞ができる原因には様々なものがありますが、年齢や遺伝的要因が代表的です。
異常な細胞にも種類があり、周囲の組織を破壊し入り込む(浸潤といいます)性質や血液等を伝って別の臓器でも増殖する(転移といいます)性質を持ったものと、そうではないものがあります。
浸潤や転移を起こすものを悪性腫瘍、そうではないものと良性腫瘍と呼びます。
「がん」や「肉腫」は悪性であることを示す用語です。
脳腫瘍というのは、頭蓋骨の中にできる腫瘍の総称です。
頭蓋骨の中にはもちろん脳がありますが、他にも脳を覆う膜や脳神経(顔面神経や三叉神経、聴神経など)があります。
どこからでも腫瘍は発生する可能性があり、それらをまとめて脳腫瘍と呼ぶのです。

良性脳腫瘍と悪性脳腫瘍

脳下垂体の手術
脳腫瘍には脳から発生するもの(原発性)と体の別の臓器などから転移してくるもの(転移性)があります。
転移性脳腫瘍の場合、転移を起こしているので全て悪性脳腫瘍です。
原発性脳腫瘍には、良性のものと悪性のものがあります。
代表的な良性脳腫瘍には下垂体腺腫や神経鞘腫などがあります。
脳の中の下垂体という場所にできる下垂体腺腫は頭痛や視力低下の原因となり、ホルモンの異常をきたすことがあります。
神経鞘腫は脳神経から発生するもので、頻度が高いのは聴神経腫瘍です。
どちらも良性であるため致死的になることは少ないものの、周囲の神経を圧迫することでさまざまな症状を引き起こします。
手術による摘出が有効です。
悪性脳腫瘍にはびまん性星細胞腫、乏突起膠細胞腫、膠芽腫などがあります。
悪性であるため進行が早く、周囲の神経を障害し致命的になることも少なくありません。
手術で全てを摘出することは難しく、放射線や化学療法を併用する必要があります。
良性か悪性かによって手術方法や治療法が異なり、また予後が大きく異なるため両者を正しく見分けることは非常に重要です。

脳腫瘍の良性と悪性の見分け方

腫瘍の良性と悪性

症状から見分ける

脳腫瘍の症状はできた場所によって様々ですが、片方の手足・顔半分の麻痺、しびれ、ろれつが回らない、視野が欠ける・二重に見える、頭痛などがあります。
どれも脳から起きる症状としては一般的なもので、脳梗塞や脳出血の症状とも似ています。
脳腫瘍は悪性・良性に関わらず一般的な症状を起こすため、症状から両者を見分けるのは難しい、と言わざるを得ません。

画像検査から見分ける

脳腫瘍の治療計画を立てる上で重要になるのが、画像検査です。
特に造影剤を使用したMRI検査は、腫瘍そのものの性状や腫瘍を取り巻く血管の状況を詳しく検査することができます。
腫瘍が周囲組織に入り込んでいないか、腫瘍に流れ込む血管の数がどうかなどの所見を参考に良性、悪性を推測します。
その推測を元に手術方法や術後の治療計画を立てていきます。

手術をして見分ける

手術をして摘出した腫瘍は、病理検査を行います。
病理検査とは顕微鏡で腫瘍の細胞を細かく観察することで、良性と悪性を見分ける検査です。
細胞の形や性状をみて悪性細胞の特徴がないかなど、評価します。
近年では遺伝子検査を行うことが一般的となっており、診断の精度が向上しています。

良性脳腫瘍と悪性脳腫瘍に対する再生医療

脳腫瘍は周囲の神経を圧迫し、障害することで神経の症状を引き起こします。
特に悪性腫瘍は周囲の組織を破壊しながら大きくなるため、症状が重くなりやすいのです。
一度障害を受けた神経は元通りに再生することはなく、症状は後遺症となり生涯続くものとなってしまします。
治療が難しい神経の障害に対して、自らの細胞などを使用して機能を再生しようと試みるのが、再生医療です。
再生医療では神経の元になる幹細胞を使用します。
幹細胞が体内に移植されると成長する過程で神経を保護する因子や、修復する因子を分泌します。
それに加えて幹細胞が神経細胞に成長し、生着して機能することを期待しています。
ニューロテックメディカル株式会社では「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
脳腫瘍の後遺症にお悩みの方やそのご家族の方は、ぜひご相談ください。

まとめ

良性脳腫瘍、悪性脳腫瘍について解説しました。
良性か悪性かによってその後の運命は大きく変わりますが、症状などから自分で見分けるのは困難です。
どちらにしても早期発見が重要であるため、気になる症状が続く場合には早めに医療機関を受診するようにしましょう。

あわせて読みたい記事:脳梗塞が原因で起こる脳浮腫とは

Q&A

良性脳腫瘍の特徴は?
良性脳腫瘍は、腫瘍の成長速度が緩やかで、主要周辺の脳や正常組織との境界がハッキリしており、他の部位に転移する可能性がないものを指します。
腫瘍が大きくなれば頭痛や嘔吐が認められるようになり、その他の症状については発生した部位によって異なります

<参照元>
・「脳腫瘍の分類と疫学」日本臨床79(1), 2021
・「脳腫瘍(成人)について」
がん情報サービスホームページ

貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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