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子供が高次脳機能障害になった場合

           

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脳梗塞など脳の損傷や疾患が原因で起こる高次脳機能障害という症状があります。
治療を受けて体の機能としては自力での生活が可能な状態になっても、認知の障害や社会になじめないなどが原因で、社会復帰の壁になる症状です。
中高年者以降、高齢の方に起こることの多い症状ですが、脳の損傷や疾患は子供にも起こりえます。
子供でも、同じように高次脳機能障害になることがあるのです。
ここでは、子供の高次脳機能障害について解説していきます。

高次脳機能障害とは

高次脳機能とは、記憶や注意力、認知や判断など人間の脳が持つ高度な機能のことです。
人間が人と関わり合いながら、社会生活を送るには必要不可欠な機能であり、いわば人間らしくあるための機能といえます。
人間の脳が持つ機能には、大きく分けて次のようなものがあります。

  1. 呼吸や循環など生命を維持するために必要な機能
  2. 運動や視覚、聴覚など基本的な機能
  3. 高次脳機能

脳の損傷や疾患を負っても、1,2の機能が維持されていれば、生きていくことは可能であるといえます。
ただし人間らしい社会生活に復帰するためには、3の高次脳機能が必要なのです。
高次脳機能に障害が起こるのが高次脳機能障害で、物を覚えていられない記憶障害や、注意が散漫で集中できない注意障害、急に怒り出してしまう・意欲が出ないなど感情をコントロールできないといった症状が起こります。
成人の場合特にですが、脳の機能に一度強い障害が起こるとその後の回復は一定程度にとどまり、後遺症として残存するケースが多くなります。
見た目では分かりづらいため周囲の協力や支援を得ることができずに、本人や家族が苦労しやすい症状といえます。

子供の高次脳機能障害と発達障害の違い

発達障害
高次脳機能は脳が持つ機能ですから、脳に損傷や疾患が発生すれば、子供でも高次脳機能障害が発生する可能性があります。
子供にも脳梗塞や脳出血など脳血管障害が起こることがありますし、生まれつきの病変や脳腫瘍、転んで頭をぶつけるなど脳にダメージが及ぶ危険性は数多く想定することができます。
子供の場合、もともと高次脳機能が発達途上であることもあり、症状なのかどうかはっきりしづらいケースも多いと思われます。
これまで出来ていたことができなくなった、授業で何をしたか思い出すことができない、集中が続かず座っていることができない、準備を自分ですることができない、無気力・無関心など。
さまざまな症状が起こりえますが、どれも子供にはよく見られることかなという感じもしますよね。
また、発達障害やADHDなど近年よく耳にする疾患の症状とも非常に似ています
発達障害と高次脳機能障害の違いは、その原因がはっきりしているかどうかという点です。
発達障害は原因を特定せず症状から診断するのに対して、高次脳機能障害は脳が損傷した原因となる事故や病気との関連がはっきりできる場合に下される診断です。
両者には共通している点や異なる点、両方にあてはまる患者さんもいるのではないかといった点など不明な点があり、引き続き議論が必要と考えられています。

子供の高次脳機能障害は治らない?

高次脳機能障害は脳の障害です。
脳の神経は非常に繊細な組織であるため、一度強く傷つくと原則として元に戻ることはありません。
そのため、高次脳機能障害が治癒するのは非常に難しい、と言わざるをえません。
通常受傷、発症から2-3年は回復に向かい症状や検査結果に改善が見られますが、それ以降は大きな改善を望むことは難しくなります。
ただし、子供の脳は発達途上であるため、未完成な部分が残されています
神経の回復能力、再生能力は成人と比較して高いと考えられており、高次脳機能障害が時間とともに変化していく現象が観察されています。

子供の高次脳機能障害に対する再生医療

脳の神経に損傷が起こると、一定期間は回復の兆しを見せるものの、ある段階で止まってしまい元の状態に戻ることはありません。
神経の回復能力、再生能力には限界があるからです。
自らの神経が持つ回復能力を最大限に引き出そうとする医療、それが再生医療です。
再生医療では、神経や血管の元になる細胞(幹細胞)を使用し、神経の回復を促すような成分(成長因子)が作用します。
また移植した細胞が実際に神経になり、機能を再生するという作用も期待しています。
もともと神経の回復能力が高い子供の場合、より高い再生医療の効果が期待されます。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
子供の高次脳機能障害に対しては、幹細胞治療とリハビリテーションを組み合わせることで最大限の機能回復を達成できると考えています。
患者さんやご家族の方は、ぜひご相談ください。

まとめ

子供の高次脳機能障害について、解説しました。
子供の場合残された時間が長いため、後遺症が残るとそれに悩む期間も長いということになります。
障害者手帳(療育手帳)など社会的な支援を活用するとともに、必要な治療を受けて最大限機能を維持できるように対処していきましょう。


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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