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介護に便利なリハビリパンツとは

           

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リハビリパンツとは介護をするときに使用される便利なオムツのことで、その利便性の高さや履き心地の良さから使用者が増えています。
一般的な紙オムツとは若干使用感が異なり、かつ種類も豊富なので、その特徴をしっかり理解した上で使用するべきです。
そこで今回は、介護の際に便利なリハビリパンツに関して詳しく解説していきます。

介護におけるリハビリパンツとは?

脳血管障害や脊髄損傷、認知症などによって排泄のコントロールが付かなくなってくる高齢者は少なくありません。
特に脊髄損傷では、排尿や排便をコントロールする仙髄の機能が障害されやすく、麻痺やしびれと同様に出現しやすい合併症と言えます。
看護や介護を行う側からしても、可能な限り自立した排尿、排便を尊重できるようにサポートしたいという想いがあります。
そこで、上記疾患などによって排泄行為に対して介護や看護を必要とする高齢者、もしくは患者さんに対するケアは年々進化しています。
従来使用されてきた一般的な紙オムツは、「紙オムツ=赤ん坊」というイメージも強く、今まで自立して排泄を行えていた人間が急に紙オムツの装着をすんなり受け入れるのは難しいです。
そこで、最近では紙オムツの代わりにリハビリパンツがよく使われるようになりました。
介護や看護時に便利なリハビリパンツとは一体どういったものなのでしょうか?

リハビリパンツと紙オムツの違い

紙おむつとリハビリパンツの違い
まず形状から全く異なります。
一般的な紙オムツは下腹部をテープで固定するように作られていて、主に移動や座位が困難な方に使いやすいように作られています。
しかし、リハビリパンツは下着感覚で履けるショーツ型の紙パンツで、紙オムツと違って薄手で自然に着用できる履き心地が特徴的です。
また、リハビリパンツは紙オムツと違ってテープでの固定ではないため、着脱時に自立して立位を保てる方に向いています。
次に性能についてですが、従来の紙オムツでは尿取りパッドが一体になっているためオムツごと取り替えが必要でしたが、リハビリパンツであれば尿取りパッドが分離できるため、本体が汚れていなければ尿取りパッドのみの交換で済むため、介護費用も削減できるメリットがあります。
逆に、紙オムツでは固定テープの圧着次第で締め付けを調整可能ですが、リハビリパンツでは締め付け具合を調整できないため尿漏れし易いというデメリットがあり、日中はリハビリパンツ、夜間は紙オムツと使い分けして使用している方も多いです。

リハビリパンツの使用目的

では、実際にリハビリパンツはどのようなシーン、目的で使用されているのでしょうか?

本人の自立した排尿を促す

生活における基本動作である排泄を自分で自由にコントロールできないという状況は、思っている以上に本人にとっては屈辱的であったりプライドを傷つけられるものです。
そこで、介護や看護に携わる場合、極力は本人の自立した排泄を促すべきです。
そこで、紙オムツよりも履きやすく、薄手で下着感覚で着用できるリハビリパンツであれば抵抗なく受け入れられる人が多いため、利用を勧めるべきです。

介護者の負担軽減

リハビリパンツは着脱時に上げ下げするだけであり、通常と同じ要領で排泄することができます。
また、本体に汚れがなければ尿取りパッドを交換するだけで使用できるため、介護の負担が軽減するとともに、オムツ代の負担も軽減することができます。

入院中の一時的な使用

なんらかの理由で入院した場合、入院中は横になっている時間が多いので、一時的に体の筋肉が落ちることは少なくありません。
特に高齢者では筋肉の廃用が著しく、筋力低下によって自立した排泄が難しくなる人もいます。
そこで、普段はリハビリパンツを使用していない人でも一時的に利用することがあります。

リハビリパンツの種類は?

サイズがS-LLまであるため、ウエストサイズに合わせて自分に見合ったサイズを選ぶべきです。
また、リハビリパンツは吸水量が300ml(排尿2回分程度)ほどの薄型パンツと、吸水量750ml(排尿5回分程度)ほどの長時間タイプがあります。
これらを組み合わせて自分に見合ったものを使用すべきです。
例えば、リハビリパンツを初めて着用する人であれば極力薄型のものを使用し、場合によっては尿取りパッドを使用せずサイズ感だけ慣れるように履くのもいいかもしれません。
逆に、長時間出歩くことが多い人であれば薄型よりも長時間タイプを使用したほうが安心して使用できます。

まとめ

今回は、排泄に対する介護や看護において最近利用されているリハビリパンツについて詳しく解説しました。
リハビリパンツは、従来の紙オムツよりも着用の心理的ハードルが低く、介護者の身体的、経済的負担も軽減できます。
介護が必要な方の自尊心を保ちながら介護者にとっても負担の少ないリハビリパンツは、非常に利便性が高く、それぞれのニーズを満たせるほど豊富なサイズや種類があるため、排泄に問題のある方はぜひ検討すべきです。
またこういったサービスとは別に、近年では再生医療の分野の発達も目覚ましいです。
再生医療とは自身の骨髄から採取した幹細胞を増幅させて、体内に戻すことで損傷した神経細胞を再生させる治療法で、再生医療によって失われた膀胱や直腸の機能を回復させることも可能になるかもしれません。
そうなれば、介護を受ける本人はもちろんのこと、介護者の負担もさらに軽減できる可能性があり、現在その知見が待たれるところです。


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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