高次脳機能障害者の家族が受けるストレスや対処法 | 再生医療×リハビリ神経障害の後遺症をTMS、幹細胞治療で改善

高次脳機能障害者の家族が受けるストレスや対処法

           

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高次脳機能障害は、脳卒中や頭部外傷後に生じることがあるもので、注意障害記憶障害遂行機能障害などを起こします。
本人を支える家族には、新たな役割が求められたり、生活の負担が増したりするため、強いストレスを受けることがあります。
ストレスを低減するためには、福祉サービスの積極的な活用や家族会への参加が有用です。

高次脳機能障害とは?

まず高次脳機能障害について、簡単に説明します。
高次脳機能障害は、通常脳卒中や頭部外傷など、脳への大きなダメージが加わるような状態から回復したあとみられる、一種の脳機能障害です。
その症状にはいくつかの特徴がありますが、代表的なものをいくつか紹介します。

注意障害

ひとつのことに注意すると、他のことが疎かになることがあります。
その程度はさまざまで、日常的に応答が鈍くなって呼びかけに反応できなくなる、ふたつのことが同時にできなくなる、周囲がうるさいと気が散って何もできなくなる、などがあります。

記憶障害

物事を記憶する能力も失われてしまいます。
例えば短期的な記憶ができなくなるため、鍵をおいた場所を忘れてしまう、覚えたことを思い出せなくなるために、道を忘れてしまって迷子になってしまう、などがみられます。

遂行機能障害

決められた作業を完成できなくなるのが、遂行機能障害です。
約束した時間にいつも遅れてしまう、約束した仕事が期日までにできない、などがみられます。
これは意欲の低下によって行動を起こすことが難しくなってしまうこと、興味を保持できないために途中で投げ出してしまうことなどが影響していると考えられています。

空間認知力障害

空間を認識する能力が低下するため、例えば視野の左側を無視してしまい、歩行中にぶつかってしまうことがあります。
また物質の大きさや奥行き、距離などを認識することが困難になり、コップに水を注ぐことがむずかしくなることもあります。

社会行動の障害

これまで挙げたさまざまな障害の影響を受け、社会行動が障害されることがあります。
例えば、これまでできていたことがさらにできなくなってしまうことで、怒りっぽくなったり、逆に自信を失ってうつ状態になったりします。
子どもっぽく赤ちゃんがえりがみられたり、欲求のコントロールが難しくなってお金を使いすぎたりすることもあります。
このほかにも言葉を理解する能力が低下してしまうため、話が通じなくなる、本人も言いたいことが言えなくなることもあります。

高次脳機能障の方と暮らす家族が抱えるストレス

家族のストレス
このようにできていたことができなくなることから、本人もストレスを受けますが、本人を支える家族も強いストレスを受けます。
次に家族が受けるストレスを、いくつかご紹介します。

生活に関するストレス

家族の中で父親や母親などの役割を果たして人が、突然その役割を果たせなくなってしまいます。
そのため、例えば経済的に不安定になることや家事の負担が増えることなどが起こりえます。
親戚や地域住民から理解が得られず、社会的に孤立してしまうこと、介護に時間を取られてしまうために自分のことができなくなってしまうことなど、それまでの生活を継続していくことが難しくなり、強いストレスを感じることになります。

新たな役割を求められることに対するストレス

家族は状況によっては、高次脳機能障を発症した方の役割を肩代わりする必要が出てきますので、今までする必要のなかった手続きの代行を求められることがあります。
時間やお金の管理が難しくなった本人に代わって、スケジュールや家計の管理をする必要が出てくることもあるでしょう。
このような新しい役割は、慣れてくると大きな問題ではないかもしれませんが、本人の状態が十分に理解できて適切な対処法がわかるまでは、相当なストレスとなります。

将来に対する不安・ストレス

介護する家族が高齢となったり、病気を抱えたりすると、本人のケアが十分できなくなってしまうことがあります。
高次脳機能障は治ることがない状態ですので、介護者は不安を感じることがあるでしょう。

本人に対するストレス

高次脳機能障害を発症すると、本人が感情のコントロールを失うことがあります。
本人のことを思って一生懸命介護しても、本人が怒り出したり、頑固になっていうことを聞かなかったりすると、介護者には強い精神的なストレスとなります。

家族が抱えるストレスへの対処法

最後に、家族が抱えるストレスをどのように解消すべきか、いくつかご提案させていただきます。

行政・福祉のサポートを得る

障害の程度によりますが、行政が用意している福祉サービスを利用することができます。
ショートステイやデイサービスを利用することは、家族が休息する時間を確保するためにも、ストレスを感じていなくても取り入れるべきでしょう。

家族会の活用

高次脳機能障の方の家族が集まり、それぞれの体験や直面している悩みを共有する場として、家族会があります。
当事者の悩みやストレスは、同じ状況にある人でなければ到底理解ができません。
したがって、家族会に参加することで癒しとなり、ストレスの軽減を図ることができます。

心理支援を得る

家族が身体的、心理的負担から体調不良を感じるレベルになると、直接的な心理支援を得るべきです。
施設によっては、高次脳機能障の方の家族向けに心理支援プログラムを有していることもあります。
場合によっては、心療内科や心のケアをしてくれる医療機関を受診することも検討すべきでしょう。

まとめ

高次脳機能障害の症状、また家族が受けるストレス、ストレスへの対処法をご説明しました。
ストレスを受け続けていると、どうしても視野が狭くなってしまい、自分から助けを求めることが難しくなることがあります。
ですから辛くなってしまう前に助けを求め、精神的に安定した状態を維持しながら、永くケアを続けることができるようにすることをお勧めいたします。


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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