この記事を読んでわかること
・自主運動を始める前の注意点
・自主運動を行う時のポイント
・自主運動メニュー
片麻痺の方が自宅でも出来る運動を寝て出来る運動、座って出来る運動、立って出来る運動に分けて紹介します。
ご自身の状態に合わせて「運動を選択」して行なってみてください。
運動後は水分補給や休息を行い、運動中に体調が悪くなった場合は速やかに運動を中止するようにしましょう。
自主運動を始める前の注意点
自主運動を始める前に必ず自身の体調を確認しましょう。
以下の4つの中から1つでも当てはまる場合は運動を中止してください。
自主運動を始める前の注意点4つ
- 血圧に異常はないか
- 熱や下痢などの体調不良がないか
- 睡眠不足ではないか
- 疲れが残っていないか
運動中に体調の変化があった場合、速やかに運動を中止してください。
自主運動を行って良いかわからない場合は、主治医に相談しましょう。
自主運動を行う時のポイント
自主運動を行う際は、以下の4つのポイントを守るようにしましょう。
自主運動を行う時のポイント4つ
- 適切な姿勢で行う
- 転倒・転落には十分注意する
- 痛みがある時は痛みのない範囲で行うまたは痛みの出ない運動を行う
- 運動後は水分補給・休息と取る
適切な姿勢で運動を行うことで正しい効果が得られます。
また、「椅子や壁が使える」など安全に運動が行える環境を整えることで、転倒・転落がないように十分注意しましょう。
自主運動がはじめての方は少ない回数・セット数から始め、慣れてきたら少しずつ増やすようにしましょう。
片麻痺の自主運動メニュー下肢編
脳卒中の後遺症として、片麻痺が残存している方が自宅でもできる運動を紹介します。
運動は大きく分けて3つ
- 寝てできる自主運動
- 座ってできる自主運動
- 立ってできる自主運動
運動回数は目安です。
最初は少ない回数から始め、慣れてきたら少しずつ回数を増やすと良いでしょう。
無理のない範囲で行い、できる運動を選択して行ってみてください。
寝てできる自主運動メニュー
寝てできる自主運動を5つ紹介
- 片足上げ
- お尻上げ
- タオルを膝裏で潰す運動
- 横向き膝開き運動
- 横向き片足上げ運動
目的や方法、ポイントを1つずつ詳しく解説します。
片足上げ
- 目的
- 足を上げる・歩く時に働く股関節の付け根の筋肉(腸腰筋)の強化
- 方法
- 1.どちらか一方の膝を立て、反対側の足は膝を伸ばす
2.膝を伸ばしている方の足を天井の方向に上げる - ポイント
- 上げる方の膝はできるだけ伸ばした状態でつま先は天井に向けます。
腰痛予防として片膝を立てますが、難しい場合は膝を伸ばした状態でも行えます。
お尻上げ
- 目的
- 立ち座りや段差を登る時に働くお尻の筋肉(大臀筋)の強化
- 方法
- 1.両膝を立てる
2.お尻を上げる - ポイント
- お尻を上げる時は、息を吐きながら上げます。
お尻が上がらない場合は、手で補助しながら行ってみましょう。
タオルを膝裏で潰す運動
- 目的
- 立ち座りの時に働く太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)の強化
- 方法
- 1.膝の裏に巻いたタオルを敷く
2.膝を伸ばし、膝裏でタオルを押し潰す - ポイント
- O脚などの「変形性膝関節症」の方にも効果的と言われている運動です。
膝の痛みがある場合にもおすすめ。
横向き膝開き運動
- 目的
- 立つ・歩くに重要な股関節の安定性を高める役割を持つ股関節外旋筋群の強化
- 方法
- 1.横向きに寝る
2.股関節・膝関節を軽く曲げ、両足の踵を合わせる
3.上半身が動かないように、膝をゆっくり開く - ポイント
- 体が捻れないようにしましょう。
横向き片足上げ運動
- 目的
- 歩く時に体幹を安定させるのに必要な中臀筋の強化
- 方法
- 1.横向きに寝る
2.地面側の足は軽く曲げる
3.天井に向かって足を上げる - ポイント
- 体幹が捻れないようにして、上げる足は体と直線になるように上ましょう。
座って出来る自主運動メニュー
座って出来る運動を5つ紹介
- もも上げ
- 膝伸ばし
- 踵上げ
- つま先上げ
- ボール挟み運動
目的や方法、ポイントを1つずつ詳しく解説します。
もも上げ
- 目的
- 足を上げる・歩く時に働く股関節の付け根の筋肉(腸腰筋)の強化
- 方法
- 1.背もたれから少し体を離して座る
2.体を真っ直ぐした状態で、左右交互に膝を体に引きよせる - ポイント
- 体が後ろに傾かないようにしましょう。
膝伸ばし
- 目的
- 立ち座りの時に働く太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)の強化
- 方法
- 1.背もたれから少し体を離して座る
2.膝をしっかり伸ばす - ポイント
- 太ももが椅子から離れないようにしましょう
かかと上げ
- 目的
- 立ち上がる・歩く・段差を昇る時などに働くふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)の強化
- 方法
- 1.背もたれから少し体を離して座る
2.両足一緒に踵を上げる
3.かかとを上げきった所で一度止める - ポイント
- 足にむくみがある方にも効果的な運動
つま先上げ
- 目的
- 歩く時につま先を上げる前脛骨筋の強化
- 方法
- 1.背もたれから少し体を離して座る
2.両方一緒につま先を上げる
3.つま先を上げきった所で一度止める - ポイント
- 体を揺らさずに行いましょう
ボール挟み運動
- 目的
- 骨盤を安定させる内ももの筋肉(内転筋群)の強化
- 方法
- 1.背もたれから少し体を離して座る
2.膝に挟んだボールを潰す - ポイント
- 挟むものはタオル、クッションなどで代用できます。
慣れてきたら「閉じたまま3秒停止」など行なってみてください。
立ってする自主運動メニュー
立って出来る運動を3つ紹介
- 立ち上がり運動
- 片足を開く運動
- 足を後ろに蹴る運動
目的や方法、ポイントを1つずつ詳しく解説します。
立ち上がり運動
- 目的
- 足全体の筋力強化、バランス能力向上、立ち上がり能力向上
- 方法
- 1.椅子やテーブルに手をつく
2.反動を使わずに、ゆっくり立ち座りを繰り返す - ポイント
- 立つ時も座る時もゆっくり行いましょう。
立ち上がった際は、背筋が伸びるまで立ち上がります。
片足を開く運動
- 目的
- 歩く時に体幹を安定させるのに必要な中臀筋の強化
- 方法
- 1.壁や椅子に手をつき、視線は前方
2.体を動かないようにして、足を横に開く - ポイント
- 体が横に傾かないようにしましょう。
また、つま先を正面に向けることで、より中臀筋を鍛えることができます。
足を後ろに蹴る運動
- 目的
- 立ち座りや段差を上るときに働く大臀筋の強化
- 方法
- 1.壁や椅子に手をつく
2.膝を伸ばしたまま後ろに蹴る - ポイント
- できるだけ膝は伸ばした状態で行います。
体が前かがみにならないようにしましょう。
まとめ
脳卒中により後遺症である片麻痺の治療として大きな注目を集めるのが再生医療です。
再生医療の手法としては、人の体にある様々な細胞になる事ができる幹細胞を使った「幹細胞治療」が注目されています。
ニューロテックメディカル株式会社では、脳を保護・修復させる効果が期待できる「サイトカイン上清液」を使った治療を行っております。
「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、1人でも多くの患者さんに再生医療を届けたいと思っています。
脳卒中による半身麻痺にお悩みの方やご家族の方は、ぜひご相談ください。
よくあるご質問
片麻痺の起き上がり訓練は?
片麻痺の起き上がり訓練は、日常生活で自立・介助量を減らす上で重要な訓練です。
片麻痺の重症度によって方法は異なりますが、基本的には以下の方法で起き上がりの練習を反復して行います。
1.両方の膝を曲げ、健側に膝を倒して上半身までしっかり寝返る
2.ベッドから両方の足を下ろす
3.上半身の体重を健側の肘に乗せる
4.肘を伸ばしながら、上半身の体重を健側の手に乗せる
5.まっすぐ座る
装具のリハビリ効果は?
片麻痺の重症度によっては装具を使ったリハビリが推奨されています。
装具は固定・制御・強制の役割を持ち、身体機能障害や姿勢保持などを補うものです。
装具にも様々な種類があり、医師・理学療法士・義肢装具士などに相談して作成することをお勧めします。
関連記事▶︎ 半身麻痺の評価(上肢・手指・下肢)ステージV
<参照元>
・自宅でできる脳卒中後の片麻痺 5つの下肢 自主トレ 簡単エクササイズのご紹介!!
https://nou-reha.com/stroke/conditions_stroke/9281
・症状別・疾患別運動プログラム
https://hs.juntendo.ac.jp/pt/homeprogram.html
あわせて読みたい記事:頚椎損傷における後遺症について
外部サイトの関連記事:脳梗塞で右半身麻痺になりました
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