脳梗塞後の運動習慣とその効果 | 再生医療|脳梗塞・脊髄損傷の後遺症を幹細胞治療で改善|ニューロテックメディカル

脳梗塞後の運動習慣とその効果

           

投稿日:
読み終わる時間は約 < 1


この記事を読んでわかること

脳梗塞の後遺症の概要
脳梗塞後の運動効果


脳梗塞は死亡率や後遺症の面で、発症した人の人生に大きな影響を与えます。
予防、リハビリテーション・回復、維持、再発予防のいずれにも運動や生活習慣の改善が効果があると言われています。
しかし、どの程度運動するのが望ましいかを知らない人も多いでしょう。
この記事では、脳梗塞と運動について解説を行います。

脳梗塞による後遺症

リハビリスクワット ストレッチ
脳梗塞は脳卒中の一つであり、脳の血管が詰まってしまう病気です。
高血圧、脂質異常症、糖尿病、不整脈、喫煙などがリスク因子として知られています。
症状は脳の梗塞が起きた部位により大きく異なります。
代表的なものは、片麻痺(左右どちらか一方の手足が動かしにくくなる)、感覚障害、呂律が回らない、顔のゆがみ、飲み込みにくいなどがあります。
医学の発展により、脳卒中による死亡率は改善してきました。
しかし、後遺症で悩む方は少なくなく、日常生活に介助が必要ない人(modified Rankin Scale:0-2)は全体の69%となっています。
介助の必要はなくとも復職などの社会復帰に悩む方もいるので、後遺症は社会全体で大きな悩みとなっています。

脳梗塞の予防のための運動の効果

脳梗塞の予防として、運動や身体活動量の報告がいくつかあります。
身体活動量が増加すると、脳梗塞の危険因子である肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症などを発症しにくく、また発症している場合でもよりよい状態に向かったり、進行を抑制したりします。
また、身体活動の増加は危険因子の管理だけでなく、直接的に動脈硬化を予防します。
日本で行われた研究では、ウォーキングやジョギングなどを1回30-60分、週に4-5回行うと、動脈硬化の進行抑制が最大になると報告しました。
このような理由から、運動や身体活動量の増加は脳梗塞の予防に寄与すると考えられています。
具体的には、1日あたり5メッツの身体活動(歩行2〜4時間程度、ジョギング1〜2時間程度)を行うと脳梗塞のリスクは30%減少すると言われています。

脳梗塞患者の運動と実態

脳梗塞患者の運動と実態
軽症脳梗塞患者を対象にした研究では、再発予防の目安は1日6025歩の身体活動量だと報告しました。
また、別の研究では脳卒中後の身体活動量の低下は、その後の死亡率と関連することを報告しています。
運動・身体活動は脳梗塞発症後の生命予後にも大きく影響しているのがわかります。
さらには、脳梗塞後の運動は、うつ症状を減らしたり、自己効力感を高めることも分かっています。
運動は体だけでなく、心にも良い影響を与えるのです。
では、WHOなどの報告をまとめると、慢性疾患のある方は6500-8500歩/日もしくは、中等度身体活動150分/週、高強度身体活動75分/週を推奨しています。
しかし、脳卒中患者の身体活動をまとめた報告では、健常高齢者が6294-14730/歩なのに対し、脳卒中患者は1389-7379歩/日ほどとより歩数が少ないことを指摘しています。

脳梗塞患者へおすすめの運動

いくら運動がよいと分かっていても後遺症がある中で、身体活動を上げるのはなかなか難しいと思います。
まずは、自分の身体活動量がどのくらいか考えることから始めてみましょう。
自分の活動量を知ることで、活動量への意識が変わり結果として活動量が増えたという研究もあります。
活動量を知るのはスマートフォンやスマートウォッチなどの歩数、活動量計を用いると簡単にできます。
そういったデバイスがなくとも「座っている時間はどれくらい」「歩いている時間はどれくらい」と大まかに数えるだけでも有効です。
おすすめの運動としてはウォーキングや立ち座り、スクワットがあります。
ウォーキングと言っても必ずしも外出する必要はなく、立ったその場での足踏みでも構いません。
上記の通り、1日30分を目標にまずは始めてみましょう。
立ち座りやスクワットも10-15回を1セットとして、1日に3-5セットから始めてみましょう。
運動時にはくれぐれも転倒には注意してください。
また、力を入れる際に息を止めてしまうと血圧が上がることがあります。
力を入れる際は息を吐きながら行うのがおすすめです。

まとめ

この記事では脳梗塞後遺症について解説し、そもそもリスクを減らすように、また発症した際には再発しないようにするための運動について解説しました。
しかし、発症前にどれだけ気を使っていても発症する人はいますし、リハビリを頑張っても後遺症が残ってしまう人がいます。
当院では『神経障害は治るを当たり前にする』を目標にしたニューロテック®という取り組みを行っています。
取り組みの中で、脳卒中、脊髄損傷で後遺症に悩む方を対象としてリニューロ®(同時刺激×神経再生医療、骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリにて『狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療』)を実施しています。
今後の医療の発展にも注目しながら、今できることを行い、少しでも後遺症で悩む方の一助になれればと思います。

よくあるご質問

ウォーキングは脳梗塞に効果がある?
脳梗塞になった人は後遺症や社会から離れることで、身体活動が少なくなってしまいます。ウォーキングは活動量の維持のために取り組みやすく、再発予防として1日約6000歩の歩行が目安となります。

脳梗塞の運動の必要性は?
比較的若い人でも1日に8時間以上の座位を取る人は、脳卒中になるリスクが4-7倍に上がることが知られています。脳卒中の予防のためには適度な運動を行うことも重要です。運動は血圧や糖尿病などの危険因子の管理にも役立ちます。

参照元>
脳卒中患者における身体活動研究の動向―我が国での身体活動促進に向けた介入の現状と課題―:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ree/21/2/21_21.91/_pdf/
日本人における身体活動と脳卒中との関係:https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/7927

関連記事



あわせて読みたい記事:脳梗塞の運動療法について

外部サイトの関連記事:脳梗塞後の日常生活の管理と家族支援



脳卒中・脊髄損傷のご相談
3ステップで簡単フォーム

  • お名前
  • Email・TEL
  • 年齢・内容

お名前をご記入ください


  • お名前
  • Email・TEL
  • 年齢・内容

メールアドレス

電話番号

※携帯電話へショートメッセージでご連絡させていただく場合がございます。




  • お名前
  • Email・TEL
  • 年齢・内容

年齢と地域の選択

ご相談内容を入力

送信前にプライバシーポリシー(別タブが開きます)を必ずご確認下さい。




※送信後にページが移動します。確認画面はありません。


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


再生医療の治療 各地クリニックの案内

YouTubeチャンネル

脳卒中や脊髄損傷など再生医療に関する情報はこちらでもご覧頂けます。
脳卒中ラボ

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

ニューロテックメディカル・リハビリセンター

おすすめ記事

(腰椎損傷 下肢不全麻痺|30代 MK様)

おすすめ記事

最近の記事

  1. くも膜下出血治療後の認知症と精神的健康の関係性

  2. 若年性アルツハイマーにおける認知機能の低下とその影響

  3. 腰椎脊柱管狭窄症の痺れと麻痺を和らげる最新治療法とは

【再生医療×リハビリテーションの可能性】オンライン講演会 Vol.1

ピックアップ記事

  1. 環軸椎亜脱臼とダウン症の関連性

  2. 脊髄損傷に対するリハビリ回復効果を最大化する方法

  3. 若年性脳梗塞の症状と早期発見の重要性

おすすめ記事

  1. 脊髄炎という感染症や自己免疫疾患で起こる神経障害

  2. 高次脳機能障害患者への看護支援について

  3. 脳卒中とこれらの神経路の関係

クリニックのご案内

脳梗塞・脊髄損傷クリニック

脳卒中・脊髄損傷の後遺症の
       お悩みや治療のご相談
お気軽にお問い合わせ下さい

0120-955-573

[電話受付]【月~土】9:00~18:00/日祝休