この記事を読んでわかること
・てんかんとけいれん発作について
・脳梗塞後のてんかんの特徴
・予防策と予後
脳梗塞に対する薬は急性期では点滴から主に投与され、病状が落ち着いてくると退院後の生活を見据えて飲み薬に変更されていきます。
薬というのはすべてそうですが、病気に対する効果を期待できる一方で、一定の確率で副作用を起こす可能性があります。
薬を飲んでいる方は副作用の可能性を知ることで、変わったことがあればすぐに主治医へ相談することができます。
ここでは、脳梗塞に使用される薬の副作用についてご説明します。
脳梗塞の治療に使われるお薬の効果は?
脳梗塞は脳の血管が閉塞し血流が途絶えることで脳の神経が死んでしまう病気です。
血管が閉塞するのは動脈硬化などによって血管が狭くなり、血液のかたまりが血管に詰まったり、ドロドロになった血液が原因で血流が不十分になってしまったりすることが原因です。
脳梗塞になり急性期の治療が終わっても、根本的な原因に対処しないとすぐに再発してしまいます。
そのため脳梗塞の治療に使用される薬は、血液をサラサラにして再発を防ぐ薬が中心となります。
血液をサラサラにする薬には、おおまかに抗血小板薬と抗凝固薬があります。
血液が固まる時主に働く血小板、また凝固因子という成分の働きを抑えて血液をサラサラに固まりづらくします。
抗血小板薬にはアスピリンやクロピドグレル、シロスタゾールなどの薬剤があり、抗凝固薬にはワーファリンやダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバンなどがあります。
原則として抗血小板薬は動脈硬化が原因と考えられる脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性梗塞)に、抗凝固薬は心臓の不整脈が原因と考えられる脳梗塞(心原性脳塞栓症)に対して使用されます。
脳梗塞の薬にありがちな血が止まらなくなる副作用とは
抗血小板薬、抗凝固薬とも血液を固まりづらくする薬剤であるため、血が止まりづらくなるという副作用があります。
皮ふの下に出血してあざができやくなる、鼻血が止まりづらい、歯ぐきから出血する、尿に血が混じるなどの症状が出ることがあります。
ただそれらの出血は止まりづらいだけで、止まらないわけではありません。
一般的な止血の対処を、少し時間を長めにして行うと良いでしょう。
問題になるのは、胃や十二指腸など消化管で起こる出血です。
胃や十二指腸は粘膜の血流が豊富で、胃酸の影響もあり元々出血が止まりづらいのです。
そこに抗凝固薬や抗血小板薬が強く効くと出血がコントロールできず重篤な事態になりかねません。
胃痛などの症状がある方や、胃潰瘍をしたことがある方などは要注意です。
内視鏡での検査や処置、手術を行う場合には、脳梗塞の薬を一時的に中止する場合もありますので、担当医の判断に従ってください。
そのほか薬に対するアレルギー反応や肝臓の障害、まれなもので肺線維症という副作用が出現することもあります。
なにか変わったことがあれば医療機関で相談するようにしてください。
脳梗塞の薬はいつまで飲めばいい?
脳梗塞を一度発症した場合、常に再発のリスクを抱えることになります。
動脈硬化などでボロボロになってしまった血管が自然に元に戻ることはないからです。
そのため基本的に脳梗塞の薬を飲むのに期限はなく、飲み続けるということになります。
副作用など薬を飲むことのデメリットが薬のメリットを上回ってしまう場合には薬の中止を検討することもありますが、脳梗塞の再発は非常に重篤な症状となることが多いためそのようなケースは少なく、内服継続が必要となります。
副作用の不安などから自らの判断で中止してしまうと脳梗塞再発のリスクがぐんと高まってしまうため、しっかりと治療を継続することが重要です。
再生医療による脳梗塞再発予防
脳梗塞は動脈硬化が進んでしまった血管や、一度傷ついてしまった神経のように、基本的に取り返しのつかない疾患です。
脳の血管や神経を根本的に治療する方法は未だ確立されていないため、永年的な再発予防対策が必要となるのです。
そのような現状を変えてくれるかもしれないのが、再生医療です。
再生医療では体の組織の元になる幹細胞を使用し、組織や機能の再生を図ります。
脳の血管や神経を再生することができれば、根本的な治療として脳梗塞の再発を予防してくれるかもしれません。
脳の血管や神経の構造が再生すれば、副作用を心配しながら薬を続ける必要もなくなりますよね。
ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
脳梗塞の薬の副作用が心配な方は、是非ご相談ください。
まとめ
脳梗塞の治療に使われる飲み薬の効果と副作用について紹介しました。
現時点では脳梗塞の再発予防には飲み薬が必要であり、その重要性は副作用の可能性を考えても変わるものではありません。
自らの判断で治療を中止してしまうことはとても危険です。
不安なことは主治医と相談しながら、しっかり治療を続けていくようにしてください。
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