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視神経脊髄炎の症状や後遺症について

           

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視神経脊髄炎は、免疫の異常により自分の神経細胞に障害が出てしまう疾患です。
視力低下、視野の一部が欠けるなどの症状が多く、ステロイドなどの免疫を抑える薬で治療されます。
再発や様々な後遺症を残すことも多いです。
この記事では視神経脊髄炎がどのような疾患でどのような症状、後遺症があるのかを解説します。

視神経脊髄炎とは

髄鞘
視神経脊髄炎は、免疫の異常により誤って自分の髄鞘を攻撃してしまうことで様々な症状がでる疾患です。
脳の中には無数の神経細胞があります。
それぞれの神経細胞は一部が手足のように伸びており(軸索と呼びます)、それにより他の神経細胞と連絡しあい、ネットワークを構築しています。
軸索には髄鞘というものが巻かれています。
髄鞘は電気を通さない「絶縁体」です。
神経細胞が活動する際は電気が流れ、髄鞘はこの電気がショートしないように適切に流れ、他の部分で発生した電流から軸索を守る役割をしています。
コンセントにつなぐ電源コードがビニールなどで覆われているのと同じ働きです。
また、免疫の機能の一つで、効率的に異物を攻撃するために抗体というものが生物の中で作られます。
抗体により誤って自分の身体を攻撃してしまう病気を自己免疫疾患と呼びます。
視神経脊髄炎は主に抗アクアポリン4抗体という抗体が産生されることで、免疫機能が自分の髄鞘を攻撃してしまうことで様々な症状が出ます。
ただし、中には抗アクアポリン抗体がない場合もあります。
同じように髄鞘が破壊される疾患に多発性硬化症という病気があります。
症状や病態は似ていても治療が異なるために、しっかりと区別されることが重要です。

どんな人に多い?

視神経脊髄炎は約9割が女性と報告されています。
日本での視神経脊髄炎の発症のピークは30〜40歳であり、中には小児期や60歳以降に発症する方もおられます。
日本における有病率は10万人あたり2〜4人です。
発症した方の血縁者に視神経脊髄炎が多く発症するということは知られていますが、原因遺伝子やどの程度遺伝するのかは明らかになっていません。

視神経脊髄炎の症状

視神経脊髄炎は脳や脊髄が障害されることで、視力低下、視野欠損、麻痺などが出現します。
髄鞘の破壊は脳や脊髄のあらゆる部位で起こる可能性があり、障害された部位により異なる症状が出現します。
視神経脊髄炎ではその名の通り、まず視神経(目と脳をつなぐ神経)が障害されます。
視神経が障害されると高度の視力低下、中には辛うじて明暗がわかる、失明する方もおられます。
視神経の障害部位によっては、視野の一部が欠けてしまうこともあります。
脊髄が障害された場合は、感覚の障害や麻痺(部位により対麻痺・下肢のみに麻痺が出る、四肢麻痺・上肢と下肢の両方に麻痺が出るがあります)、膀胱直腸障害(排尿や排便の機能が落ちる)などがあります。
頸髄の高い部分が障害された場合は、横隔膜の機能が落ちてしまうためにうまく呼吸ができなくなる場合があります。

治療として

治療はステロイドなど、暴走した免疫を抑える薬を用います。
呼吸がうまくできなくなった場合には、人工呼吸器などによる全身管理を行います。

視神経脊髄炎の後遺症

視神経脊髄炎の症状は治療により改善することもありますが、後遺症として残存するものも多くあります。
どれも根本的な治療は確立されていないため、対症療法(症状に対してそれぞれの治療を行う)を行っていくこととなります。
後遺症は患者さんにとって苦痛でありますが、薬の効き方も個人によって差があるのできめ細やかな対応が必要です。
後遺症としては以下のようなものがあります。

しびれや痛み

体の様々な部位にしびれや痛みが生じます。
「じんじん」「ぴりぴり」と表現されることが多く、安静にしていても症状があることが多いです。
鎮痛薬や抗うつ薬、抗てんかん薬などを用います。

けいれんやこむら返り

手足がつるというのも特徴的な後遺症です。抗てんかん薬を用いて治療されます。

排尿障害

膀胱直腸障害の後遺症で、尿を貯めることができない、上手く出すことができないなどの症状が出ることがあります。
膀胱の過剰な収縮を減らす抗コリン薬や、尿道の筋肉を緩めるα遮断薬を用います。
特に尿を上手く出すことができない場合で薬物療法の効果がない場合、尿道に管を入れて尿を出す導尿やカテーテル留置が必要になります。
 

再生医療について

似た病気として括られることが多い、多発性硬化症というものがあります。
2018年に発表された国際研究において、多発性硬化症に対する幹細胞移植が再発率を減らすことが明らかになりました。
当院ではすでに、脳梗塞後遺症や脊髄損傷に対して幹細胞治療を行っており、リハビリと組み合わせることにより大きな効果を目指しています。
視神経脊髄炎での再生医療の有用性はまだ明らかではないですが、今後の発展に期待したいです。

まとめ

この記事では視神経脊髄炎の症状、後遺症について説明しました。
多彩な症状を呈する難病であり、再生医療も含め今後の研究に期待したい領域です。

Q&A

視神経脊髄炎の年齢は?
発症の平均年齢は40歳前後と報告されています。同じような症状が出る多発性硬化症と比較して、10歳ほど高く、比較的高齢での発症が多いのが特徴です。

視神経脊髄炎の再発率は?
何も治療しなかった場合、1年間で1〜1.5回の再発率となります。発症から年数が経つほど、再発する頻度は徐々に低くなる傾向にあります。同じような症状が出る多発性硬化症と比較して、再発の頻度が高いのが特徴です。

あわせて読みたい記事:多発性硬化症と再生医療への期待
<参照元>
●多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/koukasyo_onm_2017.html
●BBCニュースジャパン
https://www.bbc.com/japanese/43455121

再生医療の治療

貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表 Dr.貴宝院 永稔

大阪医科薬科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

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