廃用症候群の症状について | 脳梗塞・脊髄損傷・脳出血の再生医療ニューロテックメディカル

廃用症候群の症状について

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身体を動かさない状態が長期に渡る事で生じる廃用症候群。
その症状は、筋骨格系や循環器系、神経系まで多岐に渡り、特に筋肉や関節を動かさない為に生じる筋萎縮及び関節拘縮は、筋力低下や関節の可動域制限、そして慢性的な痛みの原因となります。
その他、起立性低血圧や鬱状態、見当識障害等も、廃用症候群に伴ってみられる事があります。

廃用症候群とは?

廃用症候群の症状
廃用症候群とは長期間にわたり身体を動かさないで安静にすることや、身体の活動が低下したことにより生じる、様々な状態を指します。
身体を使わなくなると、筋肉や骨格、循環器系、消化器系、神経系など、多くの体の仕組みに関わるところに影響が出ることがあります。
ここでは廃用症候群によって生じる症状について、詳しく説明します。

廃用症候群の症状

廃用症候群の症状は、いくつかの種類に分けることができます。

筋肉に関する症状

まず筋肉を動かさなくなることによる症状について、ご説明します。
筋肉は長期間使用しない状態が続くと、次第に痩せ衰えてしまいます。
これは筋萎縮と呼ばれます。
筋萎縮をきたすと、最も明らかな兆候として、筋肉量の減少がみられるようになります。
その結果、腕や足が細くなり、腕や足の力が弱くなってしまいます。
腕や脚をギブスで固定したことがある人は、しばらく固定した後に固定した手足の直径が明らかに細くなっていたことを思い出すかもしれません。
運動不足が続けば続くほど、筋肉はどんどん失われていきます。
このため、日常的な作業がますます困難になり、怪我をしやすい体になってしまいます。
また、このように筋肉量や筋力が低下すると、体に慢性的な痛みを感じることもあります。

関節に関する症状

骨折後に固定をしたり、脳卒中後に手足を動かせない状態が続いたりすると、関節を動かさない状態が続くため、関節が固まって動かなくなることがあります。
これは関節拘縮と呼ばれます。
関節が拘縮すると、関節の動きが制限されてしまうだけでなく、無理に動かそうとすると激しい痛みを起こすことになります。

骨に関する症状

わたしたちの骨は、絶えず刺激を受けて強度を維持する特徴があります。
しかし廃用症候群に至るような状態、つまり骨に刺激が加わらない状態が持続すると、骨が脆くなり、骨折しやすくなることがあります。
骨折してしまうと、さらに動きが制限されてしまいますので、廃用症候群の症状が悪化してしまう原因となります。

心肺機能に関する症状

身体が活動的でないと、心臓血管系にも悪い影響を与えます。
心臓は、全身の血管を使って酸素と栄養分を送り出すために使われています。
心臓は筋肉であり、他の筋肉と同様に、使わなければ弱くなり、効果的に働かなくなります。
身体を動かさない状態が長く続くと、体組織への血液と酸素を供給する機会が少なくなってしまいます。
その結果、運動をしても身体を動かせない、すぐに息切れをして疲れてしまうことになります。
また体内への血液と酸素の供給が十分でないと、組織に必要な栄養素が行き渡りません。
その結果、筋肉が萎縮し、慢性的な痛みを引き起こすことになります。
また急に立ち上がったときに、血圧が急激に低下してしまう起立性低血圧も起こしてしまいます。
これは立ちくらみの原因です。

消化器に関する症状

身体を動かさない状態が続くと、排便のコントロールにも影響が出ます。
特に便秘に悩まされることがあります。
そのほかにも、胃のなかに入った食事や胃酸が逆流する逆流性食道炎が生じることもあります。

精神状態に関する症状

身体を動かさない状態が長く続くと、記憶力や集中力の低下を招くことがあります。
またうつ状態、不安感など、精神状態の変化を生じることもあります。
うつ状態になると精神的に落ち込むため、さらに身体を動かす機会が減少してしまいます。
また今はいつなのか、場所がどこなのかわからない見当識障害、軽度の意識混濁を伴って見えはずがないものが見えたり、混乱した言葉づかいや行動がみられたりするせん妄を生じることもあります。

神経系に関する症状

廃用症候群が、慢性的な腰痛の原因となることもあります。
特に身体の重さを支えるための筋肉が弱くなると、特に背骨に身体の重さがかかるようになります。
この状態が長く続くと、背骨の変性をきたし、慢性的な腰痛につながります。
また寝ていることにより神経が圧迫され、圧迫性末梢神経障害による麻痺がおきることも知られています。

皮膚に関する症状

床ずれともいわれる褥瘡も、廃用症候群に伴う症状のひとつです。

まとめ

廃用症候群に伴う様々な症状について、ご説明いたしました。
とても多方面に渡る症状が生じうることをご理解いただけたのではないかと思います。
できれば、このような状態に陥ることは避けたいとも思われたのではないでしょうか?
どうしても避けられないことはありますが、予防には定期的な適度な運動が何より大切です。
ぜひできる範囲でできる運動に取り組んでみてはいかがでしょうか?

あわせて読みたい記事:廃用症候群と廃用性萎縮について

貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表 Dr.貴宝院 永稔

大阪医科薬科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

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