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線条体黒質変性症とは

           

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この記事を読んでわかること

線条体黒質変性症とは
線条体黒質変性症とパーキンソン病の違い
線条体黒質変性症に対する再生医療


神経の難病に線条体黒質変性症という病気があります。
多系統萎縮症という疾患に含まれる病気です。
神経の機能が特にきっかけなく失われていく変性疾患であるため、根本的な治療がなく対応が難しい病気の一つです。
この記事では、線条体黒質変性症について解説します。

線条体黒質変性症とは

大脳基底核
線条体と黒質は脳の大脳基底核にあり、運動調節や認知機能、感情や学習など様々な機能を担っています。
線条体は黒質から分泌されるドパミンを受けて機能を発揮します。
線条体・黒質の機能が徐々に失われる疾患にパーキンソン病があります。
ドパミンが減少することで運動調節などに障害が生じ、動作緩慢や安静時振戦(手のふるえ)などの症状が発生します。
線条体黒質変性症も同じように機能が失われるため、初期にはパーキンソン病と同じような症状が見られます。
ただし多系統萎縮症はパーキンソン病よりも広い範囲に神経の変性を起こすため、進行すると小脳や自律神経系の機能障害を来します。
多系統萎縮症は全国に約11000人いるとされており、そのうち30%程度は線条体黒質変性症であると考えられています。

線条体黒質変性症とパーキンソン病の違い

線条体黒質変性症とパーキンソン病は似た疾患であり、初期ではほぼ同じ症状を呈するため、両者を見分けるのは簡単ではありません。
しかしいくつか異なる点があります。
一つは、パーキンソン病に効果を示す抗パーキンソン病薬が線条体黒質変性症には効果を示しづらいという点です。
ドパミンを補充する抗パーキンソン病薬を使用しても、線条体黒質変性症の症状は改善しづらいのです。
次に、線条体黒質変性症は進行が早いという点があります。
パーキンソン病は平均余命が健常な方と比較して2-3年短い程度とされており、予後が悪くない疾患です。
一方で線条体黒質変性症は発症してから5年ほどで車いす使用となり、10年ほどで亡くなることが多いとされています。

線条体黒質変性症の治療

線条体黒質変性症の進行を止める治療は確立していません。
パーキンソン病のような症状に対しては、抗パーキンソン病薬が使用されるものの、その効果は限定的です。
運動の症状が生活の支障となり怪我をするリスクが高くなるため、手すりをつける、障害物を片付けておくなど環境調整が重要です。
またリハビリテーションが一定の効果を示す可能性があります。
症状が進行すると自律神経障害を起こすため、抗コリン薬やノルアドレナリン遮断薬などの投薬治療を行うことがあります。

線条体黒質変性症に対する再生医療

神経の変性疾患に対しては根本的な治療法がなく、対症療法や残された機能を使って生活するためのリハビリテーションが治療の中心となります。
一方で全く異なる手法で神経の根本治療を目指す治療が、再生医療です。
iPS細胞をきっかけに国内でも再生医療が広く注目を集めるようになり、現在も日夜研究が行われています。
再生医療には多くの手法がありますが、その中でも実用化に近づいているのが「間葉系幹細胞」を使用した再生医療です。
間葉系幹細胞は骨髄や脂肪から取り出すことのできる細胞で、神経などの細胞に成長し増殖することができます。
自分の細胞を治療に使用できるというメリットがあります。
多系統萎縮症に対する間葉系幹細胞移植治療が試みられており、韓国やアメリカの研究グループから研究成果が報告されています。
あっという間に完治する、というような魔法の治療ではないものの、ポジティブな結果が見られており今後の成果が期待されます。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
線条体黒質変性症に対しては、再生医療と最先端のリハビリテーションを組み合わせることで最大限の機能回復を達成できると考えています。
線条体黒質変性症の症状にお悩みの患者さんやご家族の方は、ぜひご相談ください。

まとめ

線条体黒質変性症について解説しました。
初期にはパーキンソン病と診断されることがあるものの、進行が早い場合や小脳症状・自律神経症状が起きてくる場合にこの疾患の可能性が想定されます。
進行を抑え根本的に治癒を目指す治療法の発展が望まれます。

Q&A

線条体黒質変性症の原因は?
はっきりとした原因は不明ですが、神経細胞にα-シヌクレインという物質が沈着することが分かっています。また、発症に関係する可能性のある遺伝子が複数知られています。

線条体黒質変性症の症状は?
初期からパーキンソン病のような症状が目立ちます。動作が遅くなり、起立・歩行が不安定になります。症状が進行すると排尿障害や立ちくらみなどの自律神経症状、ふらつきなどの小脳症状が出現します。

<参照元>
・「多系統萎縮症」Pharma Medica 39(3), 2021
・「多系統萎縮症(1)線条体黒質変性症」難病情報センターホームページ
https://www.nanbyou.or.jp/entry/59



貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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