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多発性硬化症の治療について

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多発性硬化症は、中枢神経系を含む神経繊維が免疫細胞の攻撃を受けることで発症する慢性疾患です。
初発症状として視覚障害が多く見られますが、さまざまな症状を伴います。
これらの症状は、改善と再発を繰り返し、徐々に進行していきます。
MRIなどの画像検査や腰椎穿刺を行って診断を確定させます。
治療は症状の進行を遅らせ、再発を予防することが中心となります。

多発性硬化症とは?

多発性硬化症は、中枢神経系を含む神経の慢性疾患です。
免疫系の細胞が自分自身の神経線維の保護層であるミエリンを攻撃することで発症します。
それに伴い、多彩な症状がみられますが、改善と再発を繰り返し、徐々に悪化していきます。
多発性硬化症に有効な治療法はありませんが、症状を管理することは可能です。

多発性硬化症の原因

多発性硬化症を発症すると、脳、視神経、脊髄などの神経線維の周囲にあるミエリンの保護層が損傷されます。
この損傷は、免疫システムの攻撃の結果であると考えられています。
ウイルスや毒素など、免疫系の攻撃を引き起こす環境的な引き金があるのではないかと考えられていますが、結論は出ていません。
遺伝性はありませんが、家族に発症者がいるとリスクがわずかに上昇すると言われています。
免疫システムがミエリンを攻撃すると、脱髄が起こります。
ミエリンは神経線維が情報伝達を迅速に行うために必要なものですので、脱髄が起こると、神経が効率的に信号を送信することを妨げます。
その後ミエリンの新しい層が形成されると、状態が寛解することもあります。
もし炎症が持続すると、瘢痕化につながり、神経障害が永続的みられるようになります。

多発性硬化症の症状

歩行困難
多発性硬化症の患者さんには、さまざまな症状が現れます。
症状は人によって大きく異なることがあります。
また、同じ人でも日によって症状が大きく変化することがあります。
ここでは、多発性硬化症に関連する最も一般的な症状のいくつかを紹介します。

疲労感

多発性硬化症の大多数の方は、疲労感を伴います。
疲労のため、日常の活動を実施することが困難になることもあります。

歩行困難

歩行困難は、足のしびれ、バランスをとるのが難しい、筋力低下、筋肉の痙縮、視覚障害などの症状に伴い出現します。
歩行困難のため、転倒すると怪我をする可能性もあります。

視覚障害

視覚障害は、多くの多発性硬化症の方の初発症状としてみられます。
片目または両目に影響を与えることがあり、改善しては再発し、時間の経過とともに悪化します。
ただ完全に回復してしまうこともあります。
具体的な症状として、複視(ものが二重に見える)、眼振、視力障害、失明などがみられます。

発語の問題

多発性硬化症では、発語に影響が出ることがあります。
構音障害としても知られますが、主に不明瞭な発話、単語または音節の間に長い休止が出てしまう、音声の大きさが変化するなどです。

その他の症状

多発性硬化症のその他の症状には、急性または慢性の痛み、集中力や記憶などの認知機能障害、咀嚼および嚥下障害、睡眠障害、膀胱のコントロール障害などがあります。

多発性硬化症の経過

すでに述べたように、多発性硬化症は改善と再発を繰り返し、徐々に進行することが知られています。
ある時期に達すると、一気に症状が進行することもあります。
多くの場合、認知機能障害歩行障害が悪化の一途を辿ります。
かつては再発を予防する薬がありませんでしたが、最近は進行するまでの時間も長くなり、普通に日常生活を送り続けることができる方が増えてきています。

多発性硬化症の診断

まず病歴と診察を行い、多発性硬化症が疑われると、次のような検査を行います。

MRIスキャン

造影剤を併用したMRIスキャンにより、脳や脊髄全体の病変を検出することができます。

腰椎穿刺

髄液の異常を見つけるために腰椎穿刺をすることがあります。
この検査は、脳や脊髄にみられる感染症を除外する際に役立ちます。
多発性硬化症の診断に使用される、オリゴクローナルバンドを調べるために必要な検査です。

視覚誘発電位(VEP)検査

この検査では、神経経路を刺激して、脳内の電気的活動を分析します。
脳幹の聴性誘発電位検査や感覚誘発電位検査も多発性硬化症の診断に用いられていたこともあります。
多発性硬化症の診断には、脳、脊髄、視神経など複数の領域で、異なる時期に脱髄が起こっている証拠が必要です。

多発性硬化症の治療

現在、多発性硬化症の治療法は確立されていませんが、症状を管理し、生活の質を高めるための治療法は存在します。

疾患修飾療法

疾患修飾療法は、無治療であれば生じるであろう多発性硬化症の進行を遅らせ、再発率を低下させることを目的に行います。
使用される薬剤としては、注射によるβインターフェロン、ナタリズマブ、コパキソンなどや、フィンゴリモドなどの経口薬もあります。
残念ながらすべての多発性硬化症の方に適した薬があるわけではありません。
どの薬が最も適切か、効果とリスクを考慮しながら試していくことになります。

その他の薬物療法

再発の治療のために、メチルプレドニゾロンなどのステロイドを使用することがあります。
また、生活の質を向上させるために、特定の症状の緩和を目的とした治療も行われることがあります。

まとめ

多発性硬化症についてご説明しました。
時間の経過とともに症状は変化しますが、多発性硬化症は生涯続く病気です。
ただ以前に比べるとその治療法は格段に進歩しています。
再生医療はまだ多発性硬化症の主流となる治療法ではありませんが、近い将来、神経障害に苦しむ多くの方たちの助けとなる治療法になるかもしれません。
その進歩に期待が寄せられています。

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貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表 Dr.貴宝院 永稔

大阪医科薬科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

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