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脳卒中の発症割合と年齢別リスクに関する完全ガイド

           

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この記事を読んでわかること

脳梗塞に対する年齢の影響
脳梗塞の3つのタイプ
脳梗塞の年齢別発症率


脳梗塞、脳卒中は高齢の方に発症することが多い疾患で、初発では65歳以上が全体の9割、再発では60歳以上が全体の9割以上を占めています。
動脈硬化や生活習慣病、心房細動などの高齢者は脳卒中発症・再発の原因として注意が必要です。
脳梗塞をはじめとする脳卒中の患者さんの数は、高血圧の治療が広く行われるようになったことやさまざまな啓蒙活動、発症直後の治療の進歩などにより減少してきています。
厚生労働省が発表しているデータによれば、1996年時点では国内に173万人いた脳血管疾患の患者さんの数は、2017年時点で111万人まで減少しています。
それでも脳血管疾患で亡くなる方は年間に10万9880人で全体の8.2%を占める、依然として怖い病気です。
脳梗塞といえば、中年以降、ご高齢の方の病気というイメージがあると思います。
その一方で、30〜40歳代で若くして脳梗塞を起こす「若年性脳梗塞」や、子どもでも脳梗塞を起こすケースがゼロではありません。
脳梗塞に気をつけるなんてまだまだ先のこと、と考えている方も他人事ではないかもしれません。
ここでは、脳梗塞と年齢に関するデータを紹介していきたいと思います。

年齢による脳卒中発症率の違いとは?

脳梗塞はご高齢の方の病気というイメージがありますが、なぜでしょうか。
それは、脳梗塞は血管や心臓の病気が原因になることが多く、高齢であるほど血管や心臓に問題を抱えることが多いからです。
脳梗塞は大きく分けて3つのタイプに分けられます。

ラクナ梗塞
脳の細い血管の血流が途絶えてしまうタイプ。動脈硬化が主な原因
アテローム血栓性脳梗塞
血管に溜まったコレステロール等が原因で血のかたまりができて血管に詰まってしまうタイプ。高コレステロール血症などの生活習慣病が主な原因
心原性脳塞栓症
心臓でできた血のかたまりが脳の血管に詰まってしまうタイプ。心房細動が主な原因

ラクナ梗塞の主な原因である動脈硬化や、アテローム血栓性脳梗塞の主な原因である生活習慣病は、年齢を経るほど徐々に進行し脳梗塞を発症しやすい状況になります。
また、心原性脳塞栓症の主な原因である心房細動は、加齢と共に発症率が高くなることが知られており、アメリカの研究では心房細動全体のうち約70%は65〜85歳であると推定されています。
そのため、脳梗塞は高齢の方に発症しやすくなるのです。
一方若い年齢、子どもにも脳梗塞が起こることがあります。
若年性脳梗塞」はまだ不明な部分も多いのですが、関連していると考えられているのが抗リン脂質抗体症候群、奇異性脳塞栓症、もやもや病です。
自己免疫やもともと持っている心臓や血管の特徴が、脳梗塞を起こしやすい状況にあるために若い年齢でも脳梗塞を起こしてしまいます。
子どもの脳梗塞はさらに原因が多彩で、心臓に疾患が隠れているケースや、動脈解離、血管炎、水痘、もやもや病などが原因となりえます。
原因を事前に発見するのは難しいケースも多く、急に発症した脳梗塞をきっかけに他の疾患に気づかれるということもあります。
ただし若い年齢での脳梗塞の原因となるこれらの疾患はそれほど頻度が高いものではなく、動脈硬化や生活習慣病、心房細動を有する方の人数が圧倒的に多いため、脳梗塞は高齢の方の病気、ということになるわけです。

再発率の若年層と高齢者の比較

それでは、脳梗塞は年齢ごとにどれくらい発症率・患者数が異なるのか見ていきましょう。
厚生労働省が発表しているデータに、「患者調査の概況」があります。
この調査は、全国の病院や診療所を利用する患者さんの傷病名等を調べることで、患者さんの数を推計しようという調査です。
3年ごとに調査しているため、年ごとの患者数の推移や、年齢別、疾患別、地域別などの患者数を知ることができます。
冒頭に述べたように、2017年時点で脳血管疾患の全患者数は111万人と推計されていますが、ある時点での調査では脳梗塞で病院や診療所を受診したのは15万人、その年齢別の内訳は次のようになっていました。

  • 0〜14歳:100人
  • 15〜34歳:300人
  • 35〜64歳:1万4000人
  • 65歳以上:13万5000人 うち75歳以上:10万6000人

脳梗塞の患者さんの数は、65歳以上が全体の9割、75歳以上が全体の7割以上ということになります。
脳梗塞は高齢の方に発症することがはるかに多いことが分かります。
ただし、子どもや若い年代でも起きないわけではないことに、注意が必要です。

脳梗塞の年齢別再発率

脳梗塞の年齢別初発・再発率
脳梗塞は、再発しやすい病気です。
脳卒中の再発率は発症年齢によって異なり、特に高齢者では再発リスクが高まります。
再発を防ぐには、生活習慣の見直しや降圧薬の継続的な服用が重要です。定期的な血圧測定や、食事の見直しが有効な予防策です。
ここでは、島根県で平成18,19,21年の3年間に行われた、脳卒中の詳細な調査結果のデータを紹介します。
3年の間に総計6461人の脳卒中発症が報告され、そのうち初発は4536人、再発が1533人、不明が392人でした。
初発の年齢別発症率(人口10万対)は次の通りです。

  • 0〜19歳:5
  • 20〜39歳:44
  • 40〜59歳:620
  • 60歳以上:3867

続いて、再発の年齢別発症率(人口10万対)を紹介します。

  • 0〜19歳:2
  • 20〜39歳:6
  • 40〜59歳:101
  • 60歳以上:1424

初発では全年代での発症のうち60歳以上が85.3%、再発では全年代のうち60歳以上が92.9%を占めているということになります。
再発でも初発と同様に高齢で起こることが圧倒的に多い、ということが分かります。

脳卒中の年齢別リスクのまとめ

脳梗塞、脳卒中の年代別発症率、再発率を紹介しました。
初発も再発も高齢で起こりやすいことが分かりましたね。
高齢の方に起こりやすい原因はさまざまですが、良くない生活習慣の積み重ねが発症につながるケースは少なくありません。
脳梗塞の後遺症は取り返しのつかないもの。
元気な年齢から対策していきたいですね。

よくあるご質問

脳梗塞の年齢別再発率は?
島根県で平成18,19,21年の3年間に行われた、脳卒中の詳細な調査結果のデータによると、初発では全年代での発症のうち60歳以上が85.3%、再発では全年代のうち60歳以上が92.9%を占めています。

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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