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80代の脳梗塞は回復するのだろうか

           

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脳梗塞は何歳でも起こりうる病気です。
加齢に従って動脈硬化が進行し発症する脳梗塞もあれば、生まれつき脳の血管に奇形などがあり子どものうちに発症する脳梗塞もあります。
発症後の回復具合はやはり年齢によって異なります。
発症年齢が若いほど回復能力があり、リハビリテーションに臨む体力があるというのも理由の一つです。
それでは、80代で発症した脳梗塞はどの程度回復するのでしょうか?

脳梗塞が起こりやすい年齢とは

脳梗塞
脳梗塞は全年代で起こる可能性があるものの、発症率は年齢によって異なります。
2017年に行われた厚生労働省の調査によれば、脳梗塞の患者さんの数は年齢ごとに次のようなパーセンテージとなっています。

  • 0-14歳:0.06%
  • 15-34歳:0.2%
  • 35-64歳:9.3%
  • 65-74歳:19.3%
  • 75歳以上:約71%

脳梗塞は高齢になるほど発症しやすく、75歳以上が全体の7割以上を占めることが分かります。
80代で発症することは珍しくなく、治療によってどれだけ回復するのかが重要な課題となります。

80代で起きた脳梗塞の平均余命

脳梗塞の回復程度を見るため、年齢ごとの平均余命を見てみましょう。
栃木県で長期間に渡って行われた研究で、年齢ごとの5年生存率(発症後5年間生存している方の占める割合)が報告されています。
それによれば、年齢ごとの脳梗塞の5年生存率は次の通りとなっています。

  • 65歳未満:86.3%
  • 65-74歳:71.3%
  • 75歳以上:46.1%

年齢が若いほど5年生存率は高く、75歳以上、つまり80代になると5年以上生存するのは全体の半分以下ということになります。
80代の脳梗塞からの回復は、簡単ではないことが分かります。

80代の脳梗塞は回復するのか

脳梗塞を発症した場合救命のために重要なのは、治療をどれだけ早く受けるかということです。
脳の損傷が大きい場合や、生命維持のため重要な場所(脳幹といいます)に梗塞が起きてしまった場合、脳の血流を再開させ脳の腫れを抑える治療が必要です。
血流を再開させるための処置は発症後早期でないと行うことができず、時間が経過してしまってからでは対応できません。
発症後4.5時間以内であればt-PAという治療で血栓を溶かすことが試みられ、発症後8時間以内であればコイルで血栓を回収する血管内治療を受けられる可能性があります。
t-PAや血管内治療により脳梗塞の救命率は飛躍的に向上しており、例え80代という年齢でも病状や早期治療により回復する可能性があります。

80代脳梗塞の後遺症は回復するのか

脳梗塞は神経の障害であるため、後遺症を残すことが多い疾患です。
一度起きた神経の障害は、原則として回復することは無いからです。
発症直後であれば神経は一定程度まで回復することができますが、時間が経過すると後遺症は確定し生涯残るものとなってしまいます。
後遺症の回復には2つの意味があります。

  1. 体に残った障害自体が神経の回復(周囲の神経がその機能を代償するなど)により改善する
  2. 障害は残っているものの、残された側の手足やほかの部分を使う動きが上達することで生活能力が改善する

この2つとも、年齢が若いほど有利であると言えます。
そのため、80代で発症した脳梗塞の後遺症からの回復は簡単ではないと言わざるを得ません。
脳梗塞で命を落とす要因はケースにより様々ですが、後遺症により移動能力が下がったことで発症する肺炎などが多くを占めます。
高齢であるからこそ、後遺症対策が必要です。

80代で発症した脳梗塞に対する再生医療

80代では脳梗塞を発症する可能性が高く、その回復は簡単ではない現状があります。
高齢であるからこそ早期治療が重要であり、回復のための新たな治療が必要とされています。
その可能性を持つのが、再生医療です。
再生医療では神経の元となる幹細胞を移植し、治療に応用します。
移植された幹細胞は体内で成長する過程で神経を保護する作用のある物質を分泌するとともに、神経へと成長し機能を再生してくれる可能性があります。
幹細胞は骨髄から採取することができ、必要なのは局所麻酔とわずかな傷です。
処置前には安全性について十分に検討し、高齢であっても受けられる可能性がある治療方法です。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
80代など高齢で発症した脳梗塞の回復を望んでいる方やそのご家族の方は、ぜひご相談ください。

まとめ

80代で発症した脳梗塞の回復について、解説しました。
高齢化が進む日本では、80代以上など超高齢で病気を発症するケースが多くなっています。
回復のためにはどの年齢でも同じく早期治療と、発症前の予防が重要です。
もう年だから、と諦めることなく治療に臨みましょう。

あわせて読みたい記事:20代の若い人にも起こる脳梗塞
<参照元>
【1】平成29年(2017)患者調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/index.html
【2】「脳卒中患者の生命予後と死因の5年間にわたる観察研究」第35回日本脳卒中学会シンポジウム

貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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