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側弯症のやってはいけないスポーツについて

           

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この記事を読んでわかること

側弯症とは
側弯症の人がやってはいけないスポーツとは
側弯症に悩んだ有名人とは


背骨が左右に大きく湾曲してしまう病気を側弯症と言い、遺伝的影響を強く受けていると考えられていましたが近年では生活習慣やスポーツの影響も原因の1つと考えられています。
逆に、側弯になってしまった後の運動についても気をつける必要があります。
そこでこの記事では、側弯症とスポーツの関係性に関して詳しく解説していきます。

側弯症の人がやってはいけないスポーツとは?

側湾症
側弯症はなんらかの原因で脊椎が左右に弯曲してしまう病気です。
脊椎の弯曲が進行すると、脊椎周辺の筋肉や組織に負担がかかってしまい痛みが生じ、内部を走行する神経にも影響が出て神経症状が出現することもあります。
側弯症の発症を決定づける要因は現在に至るまで明らかにされていませんが、過去多くの研究では遺伝的要因以外に日常の生活習慣やスポーツによる脊椎への負担が影響していると考えられています。
主に、骨が未熟で成長過程にある小児期や学童期に発症しやすく、生活習慣やスポーツによって脊椎に反復的に負担がかかってしまうと、脊椎が思わぬ方向に曲がって成長してしまう可能性があるのです。
そのスポーツを継続してしまうと側弯症が進行して様々な健康被害を及ぼす可能性もあるため、側弯症の方にとってやってはいけないスポーツがいくつかあります。
結論から言えば、「重いものを持つ」「飛び跳ねる」「一方向に力がかかる」ようなスポーツはリスクが高いです。
具体的にそれぞれの動作について解説していきます。

重いものを持つスポーツ

脊椎は複数の小さな背骨が連結して出来ていて、特に腰や首のひねり運動に可動域を持たせるように作られています。
また、背骨を側面から見ると前後に湾曲していて、上下方向の衝撃を緩和するように作られています。
しかし、側弯症の方は前後以外に左右にも脊椎が弯曲しているため、重いものを持つと上下方向に重力が加わり、脊椎の弯曲が悪化してしまう可能性があるのです。
具体的には、ウェイトリフティングやバーベルを用いたスクワット、ダンベルを使った過度な筋肉トレーニングなどは避けるべきです。
小児期には骨の成長が成熟していないため、これらの動作によって骨の成長に支障をきたす可能性があるわけです。

飛び跳ねるスポーツ

「重いものを持つ」と同様、飛び跳ねるスポーツも脊椎に上下方向の衝撃を与えてしまうため、側弯症を持っている子供の弯曲を増悪させる可能性があります。
具体的には、バスケットボール、バレーボール、走高跳や走り幅跳びなどの陸上競技が挙げられます。

一方向に力がかかるスポーツ

それぞれのスポーツが持つ偏った動作によっても、脊椎に一方向の負担がかかってしまい左右差が生まれ、弯曲を増悪させる可能性があります。
具体的には、野球やテニス、ゴルフなどのスポーツが挙げられます。
また他にも、無理のある態勢を維持するクラシックバレエなどのスポーツが発症に関与している可能性があると報告されています。

側弯症の人がやるべきストレッチとは?

側弯症の治療にはコルセットをつける装具療法や、外科的な手術療法などが挙げられます。
しかし、装具療法は入浴以外常時装着を求められ、手術療法は非常に侵襲的です。
そこで、最近ではリハビリテーションの一環である運動療法が注目されています。
ストレッチも含めた運動療法は姿勢の改善と弯曲悪化の予防が主な目的です。
これまで世界中で様々な側弯矯正ストレッチが開発されてきましたが、どの方法にも共通して言える点は、それぞれの弯曲に合わせて矯正したい方向に脊柱を前屈、もしくは後屈、側屈、回旋させ、繰り返し反復することです。
また側弯症では脊椎の変形によって周囲の筋肉や組織に負担がかかってしまい、痛みとして自覚症状が出現することも少なくありません。
骨の変形には抗えませんが、周囲組織に生じる疼痛を緩和させる目的でカイロプラクティックやエステ、整体などを受ける方もいます。

側弯症に悩んだ有名人とは?

側弯症に悩んだ有名人と言えば世界最速の男、ウサインボルトが代表的です。
ウサインボルトは誰もが知る歴史上最強のランナーですが、実は側弯症を患っており、右肩が極端に下がるランニングフォームとなっていました。
側弯による影響は全身にズレを生み、なんと左右のストライドは20cm以上も差があったそうです。
側湾症によって重心がずれてしまうため、ウサインボルトの場合は特に左足に負担が掛かりやすく故障を頻発していましたが、最後まで手術はせずに運動療法や整体などで症状を緩和させ無事に現役を終えました。

まとめ

今回は側弯症の人がやってはいけないスポーツについて解説しました。
側弯症は脊椎が左右に弯曲してしまう病気であるため、特に脊椎に負担のかかるような上下方向の衝撃が加わるスポーツや、一方向のみに負担のかかるスポーツは控えるべきです。
もし仮にそのスポーツを続けたいのであれば、日々ストレッチを行い、少しでも脊椎に加わる負担が左右均等になるように気をつける必要があります。
しかし、ストレッチを始めとする運動療法や整体、カイロプラクティックなどはあくまで根治治療ではないため、症状の悪化した際には整形外科への受診をお勧めします。
また、近年では再生医療の発達も目覚ましいです。
再生医療とは自身の体から抽出した幹細胞を培養、増殖させて体内に戻す治療法です。
幹細胞は損傷した神経細胞の代わりに働くようになり、失われた機能の再生が期待できるため側湾症によって損傷した神経の回復が見込めます。
現在その知見が待たれるところです。

Q&A

側弯症を放っておくとどうなる?
多くのケースで成長が止まるとともに変形も止まりますが、弯曲の程度が大きいケースでは、成長が止まっても変形が進みます。
その場合、そのまま放置していると、外見からも姿勢のゆがみが目立つようになったり、内臓を圧迫して、心臓・肺・消化器の機能低下を惹き起こしたりします。

側弯症の初期症状は?
側弯症の初期段階は背骨の配列の異常が中心となり、痛みも特になく気づきにくいのが特徴です。
背中の片方や腰の突出、肩が左右で高さが違う、ウエストが左右非対称、乳房の形が左右で違うなど、外見上の異常が見られます。

<参照元>
・柳沢療法研究所http://www.y-ryoho.com/02/child/03/
・側弯トレーニング公式センターhttps://www.sokuwan-training.com/2018/04/06/スポーツと側弯症/
・アレックス脊椎クリニックhttps://ar-ex.jp/spine/254259717579/側弯症の種類と運動療法、ストレッチについて
・飛翔会グループhttps://www.hishokai.or.jp/blog_drcol.php?ID=10957


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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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