高次脳機能障害の注意障害について | 脳梗塞・脊髄損傷・脳出血の再生医療ニューロテック・メディカル|大阪・東京・名古屋

高次脳機能障害の注意障害について

投稿日:

高次脳機能とは情動や記憶、言語などの人間が人間らしくいるための機能の総称です。
障害されることで注意障害や失語症などの様々な障害が生じます。
特に注意障害は集中力が欠如し、なんらかの作業がままならなくなってしまう病気です。
進行すれば日常生活に大きな影響を与えてしまうため早期の診断と介入が必要になります。

高次脳機能障害とは?

脳梗塞とは一般的に脳の血管がなんらかの原因で閉塞してしまう病気です。
脳は人間の感覚や運動、情動や記憶など様々な機能を有していますので、閉塞部位や範囲によって多岐にわたる症状が起きます。
情動や記憶、言語などの高次脳機能が障害されると高次脳機能障害という病気になります。
これは具体的に注意障害、失語症、記憶障害、失認症、半側空間無視、遂行機能障害などの症状の総称であり、脳梗塞の後遺症として手足がしびれたり麻痺が残存するような身体的な症状とは異なります。
作業中のミスが増える」「集中力が持続せず落ち着かない」などの症状が出た場合には、高次脳機能障害の中でも注意障害を疑う必要があります。

高次脳機能障害の症状

高次脳機能障害の中でも注意障害には具体的にどのような症状があるのでしょうか?
いくつか紹介していきます。

容量性注意障害

一度に意識できることの容量や範囲が小さくなる状態です。
マルチタスクができなくなり、長時間の作業になればなるほどミスが増えます。

選択性注意障害

いま自分が必要している情報や行動に注意を向けられない状態です。
作業中でも物音が鳴るとそちらに気を取られ、目の前の作業が緩慢になります。

転換性注意障害

一つのことに固執してしまい、他のことに意識を速やかに切り替えられない状態です。

持続性注意障害

持続的に注意力を保つことができない状態です。
集中力を保てず長時間の作業が困難で、ミスが目立つようになります。

配分性注意障害

複数のことを同時に実行する際、意識配分を適切に振り分けられない状態です。
料理中に他の料理を焦がしたり、電話しながらパソコンを操作できなくなります。

方向性注意障害

脳の視覚情報が損傷されることで、見ている視界の一部を認識できなくなる状態です。
主に障害された方と逆側の視界を認識できなくなります。

高次脳機能障害への介入

高次脳機能障害は脳梗塞に伴う症状のひとつです。
神経が障害された結果引き起こる症状ですので基本的に薬で完全に元に戻るような病気ではありません。
特に高次脳機能障害は日常生活への影響も大きいため、比較的早期に介入する必要性があります。
リハビリなどの介入は、発症から1年以内に開始することが予後に重要であると言われています。
ここでは注意障害における介入方法を紹介します。
注意障害への介入方法は間違い探しや単純な入力作業、電卓計算などの課題を時間内にクリアすることで基礎的な集中力を高める訓練です。
訓練開始前、訓練中、訓練後でそれぞれにポイントがあります。

注意障害の訓練開始前のポイント

訓練開始前に気をつけることは刺激の制限です。
余計な刺激(雑音や音など)が入ると訓練に支障をきたしてしまい効果的な訓練の効果が得られません。
そこで訓練前は極力刺激を制限することが重要です。

注意障害の訓練中のポイント

訓練中に気をつけることは、目標の設定と刺激の与え方です。
訓練開始直後から厳しいハードルを掲げるのではなく、最初は実行可能なハードルから開始してクリアして行くことが治療において重要です。
また訓練を行う環境も非常に重要で、最初は音楽の音や他者の存在をなるべく遠ざけて集中力の損なわれない環境での訓練が必要です。
訓練が進めば徐々に負荷を上げて、あえて音が鳴っていたり他者の介入が入るような環境下での訓練を行います。
他にも訓練の相手を1人から複数人、個室から大部屋にするなど周囲の環境を徐々に変えていきます。

注意障害の訓練後のポイント

訓練の最終目標は決して間違い探しが得意になることではありません。
向上した集中力を持って日常生活のスキルを身に付けることです。
例えば2分間で間違い探しを解いていたのであれば、次は2分間で自宅での身支度をできるようにするのです。
このように訓練での経験を日常生活に落とし込むことが最終目標になります。
またこの段階では本人だけでは困難な部分をいかに周囲が支えられるかが重要であり、特に家族の支援は必要不可欠です。

まとめ

脳の機能は一度損傷すると回復は困難であり早期リハビリが重要となります。
特に高次脳機能障害は後遺症として日常生活に大きな影響を与えてしまいます。
しかしながら近年では再生医療の発達が目覚ましいです。
骨髄から採取した幹細胞を点滴から投与すれば、幹細胞が脳に定着して死んだ脳細胞の代わりとなり再び機能が甦る可能性があるのです。
現在、多くの治療結果を積み重ねており、その成果が期待されています。


貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表 Dr.貴宝院 永稔

大阪医科薬科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

お問い合わせ

YouTubeチャンネル

脳卒中や脊髄損傷など再生医療に関する情報はこちらでもご覧頂けます。
脳卒中ラボ

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA