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脳梗塞後に発生する脳浮腫について

           

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この記事を読んでわかること

脳浮腫とは?
脳梗塞後に脳浮腫がおこるメカニズム
脳浮腫の症状


脳梗塞とは、動脈硬化などが原因となり、脳内の血管が閉塞してしまう状態です。
このために、脳細胞への血流が途絶してしまい、さまざまな問題を起こします。
脳梗塞後に発生する脳浮腫もそのような問題のひとつです。
脳梗塞後のすべての人にみられるものではありませんが、発生したら適切に治療を行う必要があります。
今回は、この脳浮腫について、脳浮腫が起こるメカニズムや対処法などについても、少し詳しくご説明します。

脳浮腫とは?

脳梗塞後に脳浮腫がおこるメカニズム
脳浮腫は、脳が腫れしまうことを意味します。
脳細胞に水分が溜まりすぎてしまい、場合によっては生命を脅かす状態になります。
頭蓋骨は骨によって閉鎖された空間で、簡単には大きくなりません。
そのため脳浮腫が進行すると、頭蓋内圧と呼ばれる頭蓋骨内の圧力が高くなります。

頭蓋内圧が高くなると、脳内に流入する血液が入りにくなってしまいますので、脳の血流が減少し、結果的に脳細胞が受け取ることができる酸素が減少します。
そして最終的に脳の正常な機能が損なわれてしまいます。
また脳浮腫は、脳全体に発生する場合と、脳梗塞を起こした特定の部位に発生する場合があります。

いずれにしても、脳浮腫を治療せずに放置すると、死に至るや生涯にわたる合併症を起こすこともあります。
ですので的確に見抜くことができるように、特に脳梗塞が発生してから1週間ほどは、注意深い観察が必要になります。

脳梗塞後に脳浮腫がおこるメカニズム

脳浮腫を引き起こす要因はいくつかあります。
それらは以下の通りです。

血管原性脳浮腫

脳内の血管は、脳血液関門と呼ばれるメカニズムがあり、脳細胞を守るために血管内からの物質の移動が制限されています。
しかし脳梗塞や脳への外傷が起こると、この脳血液関門とが破綻してしまい、血管内の水分が血管外に漏れ出します。
そのため脳細胞の浮腫が起こると考えられています。

細胞障害性脳浮腫

細胞は傷つくと細胞内のエネルギー代謝が障害され、細胞膜での電解質の移動が障害を受ける状況になります。
そうすると、細胞内の水分貯留が起こります。
水分がたまりすぎると、細胞障害が発生します。
脳梗塞では、脳細胞への血流が途絶えることで脳細胞が傷ついてしまいます。
このことがきっかけで脳細胞内への水分の貯留が発生し、脳浮腫に発展します。

脳浮腫の症状

めまい
脳浮腫は、脳梗塞や脳出血以外にも、外傷や脳への感染症に続いて認められます。
脳浮腫のサインには、次のようなものがあります。

  • 頭痛
  • めまい
  • 吐き気
  • しびれ

脳浮腫のより重篤なケースでは、次のような症状が現れます。

  • 気分の変化
  • 記憶喪失
  • 言語障害
  • 尿や便の失禁
  • 意識の変化
  • けいれん
  • 麻痺

脳浮腫に対する治療法

脳の腫れ、脳浮腫は適切に治療をしなければ生命を脅かす状態になる可能性があります。
そのためには、できるだけ早急に治療を開始する必要があります。
脳浮腫の治療の目的は、脳の腫れを抑えながら、脳への血流と酸素濃度を回復させることを目指します。
また、これ以上の損傷を防ぐために、根本的な原因を治療することも重要です。
一般的な治療法をいくつかご紹介します。

浸透圧を利用した治療

脳が腫れると、余分な水分が脳細胞内に溜まります。
浸透圧を利用した治療は、脳細胞内の水分を外に出すための方法です。
マンニトールや高濃度食塩水など、浸透圧の高い点滴を使います。
浸透圧が高い液体が血管内に流れてくると、細胞内の水分は血管内に導き出され、浮腫が改善されます。
浸透圧治療は、脳内の血液循環の改善にも役立ちます。
これにより、頭蓋内圧を減らすこともできます。

低体温

低体温を誘導する方法もあります。
体温を下げることで、脳の代謝を低下させることになり、脳浮腫を抑えることができます。
この方法ではいくつかの成功例がありますが、その成果や安全性について、まだ十分に研究がなされたわけではありません。

脳室ドレナージ

脳室ドレナージと呼ばれる脳内の液体を排出する、侵襲的な方法です。
頭蓋骨に小さな穴を開け、脳内の液体を排出するための細いチューブを挿入し、脳内の液体を対外へ排出します。
この方法で頭蓋内圧を低下させます。

長期的な予後

脳浮腫は深刻な状態で、人間の持つ認知や思考の能力に長期的なダメージを与える可能性があります。
また治療が遅れると死に至ることもあります。
脳梗塞後、数日以内に状態に変化が見られる場合、脳浮腫が起きている可能性がありますので、詳しく調べてもらうことをお勧めします。

まとめ

脳梗塞後の脳浮腫について、少し詳しくご説明しました。
症状から脳浮腫が発生しているかどうかを把握することは、実際はなかなか難しいかもしれません。
だからこそ脳梗塞後1週間以内の急性期は、丁寧に観察する必要があります。
ぜひ今回の記事を読むことで、脳浮腫に対する理解を深めていただければ幸いです。

よくあるご質問

脳浮腫の原因は?
脳浮腫は脳組織内に異常な液体が溜まる状態で、頭部外傷、脳腫瘍、脳出血、脳梗塞、感染症など、様々な原因により起こります。
これらの条件は、血液と脳との間のバリア機能の異常を引き起こし、その結果、脳内への液体の流入が増えたり、排出が減ったりします。

なぜ脳梗塞後に脳浮腫になるの?
脳梗塞は、脳への血流が一部または完全に遮断され、その結果、脳組織が必要とする酸素と栄養素を得られなくなる状態を指します。
それによる炎症反応は、血液脳関門の透過性を増加させ、結果として液体が脳組織内に漏出し、脳浮腫を引き起こします。
脳浮腫はさらなる脳損傷を引き起こす可能性があります。

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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