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動脈硬化とその予防法について

           

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この記事を読んで分かること

  • 日本の高齢化社会と食文化の変化が、生活習慣病の増加にどのように影響しているか
  • 生活習慣病がどのようにして動脈硬化を引き起こし、それがなぜ脳や心臓などの重要な臓器に致命的な影響を及ぼす可能性があるのか
  • 動脈硬化を予防する方法や、既に発症している場合の対策についての具体的な情報

高齢化社会や食文化の欧米化に伴い、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病はもはや多くの人にとって無視できない病気になりました。
これらの疾患によって血管が硬く脆くなる動脈硬化が進展すれば、脳や心臓などの重要な血管が破綻し、命の危険性もあるからです。
そこで今回は、動脈硬化とその予防法などに関して詳しく解説していきます。

生活習慣病による動脈硬化とは?

冠動脈内に粥状変化
動脈硬化という言葉は近年よく耳にするようになりました。
動脈硬化とは、平たく言えば血管が硬くなることで本来持つべき弾性を失い、脆くなってしまう病気のことです。
主な原因としては、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や加齢、肥満、運動不足、喫煙などが挙げられます。
全身に血液を送っている血管の内腔にコレステロールが蓄積し、それが固くなることで血管内が狭く、かつ脆くなっていくのです。
特に高血圧は動脈硬化最大のリスクファクターであり、血管に圧力がかかっていくため、血管もその圧力に耐えるために徐々に固くなっていき、さらには脆くなっていきます。
動脈硬化は血管が通る脳や心臓、腎臓、肝臓、肺などすべての臓器に悪影響をもたらします。
例えば腎臓であれば末期腎不全のリスクを上昇させることが知られています。
まさに動脈硬化は全身病であり、いかに危険な病気かが分かるかと思います。
中でも、動脈硬化が危険視される最大の理由は、動脈硬化に起因する病気には致死性の高い病気が多いからです。
例えば、急性心筋梗塞がその1つです。
心筋梗塞という病気は、心臓を養う冠動脈という血管が動脈硬化によって閉塞する病気です。
冠動脈はもともと非常に細い血管であり、動脈硬化によって冠動脈内に粥状変化が生じると脂のコブ(プラーク)が形成されます。
このプラークが破裂し、そこに血栓が形成されることで一気に冠動脈が閉塞し急性心筋梗塞に至ります。
心筋梗塞を発症した場合には、すぐに救急車で病院に担ぎ込んで早急に治療を施さないと、死亡率約40%と死を招きやすいことでも広く知られており、多くの人を前触れもなく襲う恐ろしい病気と言えます。
他にも脳血管障害が挙げられます。
脳血管障害は脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの総称であり、どの疾患も動脈硬化が原因となる疾患です。
これらの病気は、脳の血管に異常が生じることで脳の神経細胞が壊死してしまい、麻痺やしびれなどの後遺症や、場合によっては呼吸や循環に悪影響を与え命を奪う可能性のある病気です。
以上のことから分かる通り、いかに動脈硬化を予防するかが非常に重要なのです。

動脈硬化の予防法とは?

具体的に動脈硬化の予防法をご紹介します。

規則正しい食生活

生活習慣病の発症を予防する意味でも、過剰な塩分摂取を控え、糖質や脂質が少なく、タンパク質を多く含んだ食生活を意識すべきです。
具体的には、加工食品や肉類は塩分や脂質が高いため避けて、魚や野菜、豆腐などを中心に摂取するのが好ましいです。
また、ドレッシングなどの調味料には糖質や塩分、脂質が豊富に含まれているため、摂取量に気をつけるべきです。
野菜類にはカリウムが豊富に含まれており、体内の塩分を体外に排出する力を有しているため、積極的な摂取が推奨されます。

運動習慣を身につける

動脈硬化のリスクには肥満や生活習慣病が挙げられるため、運動習慣を身につけることが良い予防策になります。

運動の具体例とその効果

特に、ジョギングやウォーキング、水泳、エアロビクスなどの有酸素運動は脂肪燃焼効果が高く、非常に効果的です。
ウォーキングは手軽に始められる運動であり、心肺機能を高めるだけでなく、血流を促進し、血圧を安定させる効果があります。
毎日30分のウォーキングを続けることで、肥満や高血圧の改善が期待できます。
水泳は全身の筋肉を使う運動であり、特に関節に負担をかけずに体を動かせるため、高齢者にも適しています。
エアロビクスは心拍数を上げる有酸素運動として、カロリー消費と脂肪燃焼に効果的です。
また、これらの運動はストレス解消にも役立ち、心身の健康維持に欠かせません。

運動習慣による生活習慣病の改善

運動は、生活習慣病の予防や改善に大きな効果を発揮します。
例えば、定期的な運動はインスリン感受性を高め、糖尿病の管理に役立ちます。
また、運動によって血圧が安定しやすくなり、高血圧の予防や改善に寄与します。
さらに、肥満の予防や体重管理にも運動は不可欠です。
適度な運動は脂肪燃焼を促進し、体脂肪を減少させることで、心臓病や脳卒中のリスクを低減します。
また、運動はメンタルヘルスにも効果的で、ストレスやうつ病の予防にも繋がります。
運動習慣を取り入れることで、生活習慣病の予防と改善に繋がることが期待されます。

禁煙する

適度な飲酒は問題ありませんが、喫煙は喫煙量に相関して血管にとって悪影響です。
可能な限り禁煙することが動脈硬化の進行を防ぐためには必要です。

内服療法を行う

最後に、予防ではなく治療として内服療法が挙げられます。
原則として生活習慣の改善が必要になりますが、運動や食事などの生活習慣の改善を十分に行ってもLDLコレステロールの値などが改善しない場合には、動脈硬化の進展を抑制するためにも、血中の脂質を低下させるスタチンなどの治療薬の内服が有効です。
適応に関しては医療機関に相談してください。

コーヒーと動脈硬化予防

コーヒーは、適量を摂取することで動脈硬化の予防に役立つことが研究で示されています。
コーヒーに含まれるカフェインやポリフェノールには、抗酸化作用や抗炎症作用があり、これが動脈の健康を保つ一助となります。
特に、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は、動脈壁の酸化を防ぎ、血管の柔軟性を維持する働きがあります。
また、適度なカフェイン摂取は、血管を拡張し、血流を促進することで動脈硬化のリスクを低減します。
ただし、コーヒーの摂取量には注意が必要です。1日3〜4杯程度の適量が効果的であり、これを超えると逆に血圧が上がるなどのリスクも考えられます。
バランスの良い食生活と適度な運動とともに、コーヒーを取り入れることで、動脈硬化予防に役立てることができます。

動脈硬化とその予防法についてのまとめ

今回は動脈硬化とその予防法について解説しました。
動脈硬化は全身のありとあらゆる動脈が固く、脆くなってしまう全身病であり、特に心臓や脳などの生命維持に最も重要な臓器における影響が大きいです。
動脈硬化によって急性心筋梗塞や脳血管障害が生じると長期的な入院や手術が必要になり、重大な後遺症、場合によっては死に至る可能性もあるため、いかに予防するかが肝要です。
この記事で紹介した予防法を実践してみてください。
また、重大な後遺症を残す可能性の高い脳血管障害に対して、今まではいかに予防するかが重要でしたが、近年では再生医療の発達も目覚ましいです。
再生医療によって損傷した神経細胞が再生すれば、今までは治すことの難しかった後遺症に対しても改善の期待が持てるため、現在その知見が待たれるところです。

よくあるご質問

動脈硬化は予防できますか?
予防策としては「規則正しい食生活」「運動習慣を身につける」「禁煙する」ということになります。
生活習慣病の発症を予防する意味でも、過剰な塩分摂取を控え、糖質や脂質が少なく、タンパク質を多く含んだ食生活を意識すべきです。
動脈硬化のリスクには肥満や生活習慣病が挙げられるため、運動習慣を身につけることが良い予防策になります。
また禁煙することが動脈硬化の進行を防ぐためには必要です。

急性心筋梗塞の生存率は?
心筋梗塞とは、心臓を養う冠動脈という血管が動脈硬化によって閉塞する病気で、発症した場合は、すぐに救急車を呼び病院で治療を施す必要があります。
心筋梗塞は、生存率約60%と死を招きやすいことで知られており、前兆なく襲う恐ろしい病気と言えます。

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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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