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膀胱直腸障害の治療

           

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多くの神経が束になっている脊髄が障害されると、様々な障害が発生します。
膀胱直腸障害もその一つです。

少し聞き慣れない言葉かもしれません
膀胱というのはご存知の通り、尿をためておく場所です。
直腸は消化管の最後の部分で、肛門に近い部分のことを指します。
それらの機能が障害され症状が起こるのが、膀胱直腸障害です。
この記事では、膀胱直腸障害について解説していきます。

膀胱直腸障害とは

膀胱には尿をためておき、排尿をコントロールする機能があります。
尿が多くなれば尿意を感じ、自分の意思で排尿することができます。
膀胱の機能が障害されると尿もれや残尿、頻尿といった症状が出現します。
膀胱の機能が障害されるのは過活動膀胱や神経因性膀胱、間質性膀胱炎などがあります。
脊髄が原因となる膀胱機能障害は、神経因性膀胱に分類されます。
直腸は消化管で産生された便の排出をコントロールしています。
排便を我慢したり、便意を感じたりするのも直腸の働きです。
直腸の機能が障害されると便がもれてしまうなど自分の意思でコントロールができなくなります。
直腸の機能が障害されるのは消化管の疾患を始め様々なものがあります。
膀胱、直腸の障害が起きている状況を膀胱直腸障害と呼びます。
膀胱直腸障害

膀胱直腸障害の原因

一般的に「膀胱直腸障害」と呼ばれるのは、脊髄の障害による神経症状として膀胱、直腸の機能障害が起きている状況です。
脊髄は脳から出る神経の束であり、膀胱や直腸の機能をコントロールする神経も含まれています。
それらの神経が障害された時に膀胱直腸障害が出現するのです。
脊髄の神経は脳の近くである頚部から上肢へ枝分かれし、胸部のあたりでは体幹へ、腰のあたりから下肢へ、さらに骨盤のあたりに相当する神経が膀胱、直腸へ枝分かれしています。
つまり膀胱、直腸へ向かう神経は頚部から骨盤のあたりまで長い距離を走行しているため、そのどこかで障害されると膀胱直腸障害が起きるということになります。
原因として多いのは腰部脊柱管狭窄症、脊髄損傷、脊椎転移性腫瘍、椎間板ヘルニア、胸髄症などです。
膀胱直腸障害が起きるということは神経が強く圧迫されていることを意味しており、多くのケースで下肢の麻痺やしびれも同時に発生しています。

膀胱直腸障害の治療

脊髄の障害が原因で膀胱直腸障害が発生していると診断された場合、緊急手術の対象となります。
膀胱直腸障害が起きるほどの強い神経障害を放置すると、元には戻らない(不可逆的な)損傷になってしまうからです。
緊急手術を行ったとしても症状が残るケースが多く、後遺症として排泄に問題が残ることがあります。
生きていく上で排泄障害は日常的に直面する問題であり、影響が大きい症状の一つです。
対症療法としての内服治療やリハビリテーションがありますが、その効果には個人差があると言わざるを得ません。

膀胱直腸障害に対する再生医療

不可逆的な神経損傷として膀胱直腸障害が確定してしまった場合、その根本的な治癒は望めません。
何もしなければ神経が元通りに回復し再生してくれることはないからです。
神経の再生というのはこの100年以上、夢物語と思われていました。
しかし近年になり「再生医療」の可能性が広がり、治療実績が積み重ねられています。
再生医療では神経の元になる「幹細胞」を使用します。
活発な増殖能力と分化能力を持った万能な細胞を使用することで、神経保護因子や修復因子が作用し、また成長した細胞が神経として機能するようになることが期待されています。

まとめ

ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
神経症状としての膀胱直腸障害に対しては、再生医療と最先端のリハビリテーションを組み合わせることで最大限の機能回復を達成できると考えています。
膀胱直腸障害にお悩みの患者さんやご家族の方は、ぜひご相談ください。

Q&A

膀胱直腸障害の特徴は?
膀胱直腸障害は神経の束である脊髄の障害であるため単独の症状であることは少なく、多くの場合下肢の麻痺やしびれを伴います。下肢の症状などは表現しやすい症状である一方排泄の問題は他に伝えることができず、それにより診断が遅れやすいという特徴があります。

膀胱直腸障害の治し方は?
症状が確定してしまうと治すのは非常に難しいため、どれだけ早く診断がつき手術を受けられるかが重要です。症状が残った場合は排泄の機能をサポートするための飲み薬や、自身でコントロールするためのリハビリテーションが実施されます。

あわせて読みたい記事:膀胱直腸障害について
<参照元>
・Up to date 「Acute lumbosacral radiculopathy: Pathophysiology, clinical features, and diagnosis」

貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表 Dr.貴宝院 永稔

大阪医科薬科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

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