アテローム血栓性脳梗塞の治療薬を解説 | 後遺症・神経障害を幹細胞点滴と幹細胞上清液点鼻×専用リハビリ治療

アテローム血栓性脳梗塞の治療薬を解説

投稿日:

アテローム血栓性脳梗塞は動脈硬化が主な原因となる疾患で、元来欧米に多かったものの近年国内でも増えています。
超急性期には血栓溶解療法や血管内治療が、急性期以降は抗血小板薬が治療の中心となります。
回復期・慢性期には再発リスクを抑えるため高血圧や糖尿病、脂質異常に対する薬剤が使用されます。
脳梗塞は発症の原因別に大きく3つのタイプに分けられます。
脳の細い血管が閉塞するラクナ梗塞、心臓でできた血のかたまりが脳に飛んで血管を閉塞する心原性脳塞栓症、そしてアテローム血栓性脳梗塞です。
ここでは、アテローム血栓性脳梗塞に注目し、病気の解説と治療段階別に使用される治療薬の紹介をしていきたいと思います。

アテローム血栓性脳梗塞とは?

アテローム血栓性脳梗塞とは、脳の中の比較的太い動脈や頚部の動脈に動脈硬化が起こることが原因となる脳梗塞です。
アテロームというのは動脈硬化で起きる病変のことで、コレステロールなどが血管内に蓄積し、かたまりを作るため血管が狭くなってしまう状態を指します。
アテロームがあると血管が狭くなった場所に血液のかたまり(血栓)が詰まってしまったり、血栓が剥がれてその先にある血管が詰まったりすることで脳梗塞を発症します。
高血圧や高脂血症、糖尿病など動脈硬化のリスクを多く抱えている人に多いタイプで、元来欧米人に多い発症様式でしたが、近年では食事の欧米化などにより日本でも増加しています。

超急性期、急性期に使用される治療薬

アテローム血栓性脳梗塞を発症してから間もない時期で診断された場合、プラスミノゲン・アクチベータ(t-PA)という薬剤を使用できる可能性があります。
強力に血栓を溶かす作用を持った薬剤であり、発症後の経過を改善させる可能性があります。
ただし発症後時間が経ってから使用すると脳出血のリスクが高まることが分かっており、使用できるのは発症後4.5時間以内という厳密な基準が定められています。
血栓や閉塞の場所によっては発症後6時間以内であれば、カテーテルを使用した血管内治療が適応となることがあります。
近年になり発症後24時間以内を適応とする流れがあり、注目されています。
t-PAや血管内治療が適応とならない場合、脳梗塞のタイプに応じた治療が開始されます。
アテローム血栓性脳梗塞の治療薬として中心的な役割を果たすのが、抗血小板薬です。
抗血小板薬は血小板に含まれる酵素や成分を阻害することで、血小板が凝集するのを防ぎます。
抗血小板薬の中でも広く使用され、多くの実績があるのがアスピリンです。
アスピリンは血小板がもつシクロオキシゲナーゼという成分を阻害することで、血小板が凝集し血のかたまりを作るのを防止します。
その他クロピドグレルやシロスタゾールといった飲み薬やオザグレルナトリウムの点滴が使用されることもあります。
これらの薬剤を2種類同時に使用することでより良い結果がでたとする試験の報告もあり、最適な治療について現在も研究が進められています。
いずれも発症早期(2-5日以内)に使用することでその後の経過が改善することが示されているため、できるだけ早く治療を開始する必要があります。

回復期、慢性期に使用される治療薬

急性期の治療が終わり回復期・慢性期となっても中心となるのはアスピリンクロピドグレルシロスタゾールの3種類の抗血小板薬です。
アテローム血栓性脳梗塞を発症する方は心臓の血管や手足の血管にも問題があることが多く、それぞれの病状に応じて薬が選択されます。
アスピリンは心臓の血管に、シロスタゾールは手足の血管に、クロピドグレルは心臓と手足の血管に対しても使用することができます。
抗血小板薬を2種類併用することに関しては、3ヶ月を超えるとデメリットのほうが高くなるとされており、基本的に1種類の抗血小板薬が使用されます。
回復期、慢性期では再発のリスクを抑える治療も重要になります。
動脈硬化の原因となる高血圧、糖尿病、脂質異常などに対する薬剤が使用されます。
原則として、血圧130/80mmHg未満、HbA1C(血糖値の指標)7.0%未満、LDLコレステロール120mg/dL未満に抑えることを目標とします。

再生医療によるアテローム血栓性脳梗塞の治療

アテローム血栓性脳梗塞を起こすような方は全身的に動脈硬化が進んでおり、血栓を溶かすのに成功したとしても、同じ場所で脳梗塞を再発してしまい重症となる可能性があります。
動脈硬化が進行した血管や、損傷された神経は元通り健康な状態に戻るのは難しいからです。
長い年月をかけて進行した動脈硬化や、損傷された神経の機能を取り戻すことを可能にするかもしれないのが、再生医療です。
再生医療とは、幹細胞等を用いて臓器や組織の欠損、機能障害に対して臓器や組織を再生し、機能の回復を目指す医療です。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
アテローム血栓性脳梗塞に対しては、幹細胞治療とリハビリテーションを組み合わせることで最大限の機能回復を達成できると考えています。
アテローム血栓性脳梗塞の患者さんやご家族の方は、ぜひご相談ください。

まとめ

脳梗塞の1つのタイプである、アテローム血栓性脳梗塞に注目して、治療薬について解説しました。
できるだけ早期に血栓溶解療法を受けること、適応とならなければ抗血小板薬を使用すること、回復期・慢性期には再発リスクを抑えるための治療を受けることが重要です。
治療中の方は、ご自身が内服している薬剤の意味を知り、ぜひ治療を継続していただきたいと思います。


貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表 Dr.貴宝院 永稔

大阪医科薬科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

お問い合わせ

YouTubeチャンネル

脳卒中や脊髄損傷など再生医療に関する情報はこちらでもご覧頂けます。
脳卒中ラボ

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA