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ストレス管理と脳梗塞の再発予防

           

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この記事を読んでわかること

ストレス管理と脳梗塞の関係
脳梗塞の原因と再発しやすい理由
ストレス管理のための方法


脳梗塞は、脳の血管が詰まることでその血管が栄養していた脳組織が酸素不足になってしまう病気のことです。
脳梗塞の主な原因は高血圧なのですが、ストレスも脳梗塞の発症や再発に大きく関わっていることが明らかになってきました。
今回の記事ではストレス管理と脳梗塞の再発予防の関係についてご説明します。

ストレスと脳血管の健康の関係

ストレスと脳梗塞
脳梗塞は、脳の血管が詰まってしまうことで、詰まった先の脳細胞に血液が送られなくなることで、脳が血流不足になり、酸素や栄養が足りなくなってしまう病気のことです。
脳梗塞を発生させる危険因子には、高血圧や不整脈、糖尿病、喫煙、肥満などが知られています。
この中でも、特に重要なのは高血圧とされています。
一方、脳梗塞をはじめとする脳血管障害の予防のためには、こうした高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満などのリスク因子を治療することの他に、禁煙や精神的ストレスの緩和、運動などの生活習慣の改善も有効とされています。
また、脳梗塞と脳出血、くも膜下出血を合わせた脳卒中の再発率は高く、年間で一般的には再発率5%とされています。
脳梗塞の再発予防のためには、適切な血圧管理や糖尿病の管理、また脂質の管理、抗血小板療法や抗凝固療法が必要であるとされています。

ストレスと脳血管障害の関係

では、ストレスと脳血管障害の関係について解説します。
先に、脳血管障害の発症においては高血圧が重要な原因であると述べました。
高血圧ガイドライン2019によれば、心理的・社会的ストレスによって高血圧の発症が2倍以上に高まることが報告されているそうです。
さらに、ストレスは自律神経系の交感神経系を活性化させ、身体が興奮した状態になったままとなります。
また、ストレスがかかった状態では、コルチゾールというステロイドホルモンが副腎から放出されます。
これは、ストレスホルモンとしても知られているホルモンです。
コルチゾールは免疫系や中枢神経系、代謝系等に対してさまざまな生理学的な作用を有しており、身体にとっては無くてはならないものです。
一方で、過剰に分泌されると血糖値が上昇してしまい、動脈硬化のリスクが高まります。
このようなメカニズムから、脳血管障害とストレスには密接な関係があると言えます。
一過性であっても、急激なストレス負荷が脳卒中や心臓発作の引き金となることもありますので、不安や興奮は避けるべきでしょう。
また、慢性的なストレス状態も、脳血流量の低下を招くおそれがありますので、心の健康を保つことはとても大切なのです。

瞑想や深呼吸などのリラクゼーションテクニック

脳梗塞の発症や再発予防のためには、血圧のコントロールが大切です。
そのために、メンタルヘルスを良好に保つことも有効です。
ストレスコントロール法としては、ヨガや瞑想、バイオフィードバック療法の有効性が示唆されています。
オートジェニックトレーニング(自律訓練法)と呼ばれる訓練も、ストレス解消に効果があるといわれています。
この、オートジェニックトレーニングは自己暗示によって身体の筋肉の緊張をときほぐし、中枢神経や脳の機能を調整して本来の健康な状態へと心身を整えることを目的としています。

心理的サポートとカウンセリングの役割

セルフケアによってもストレスに上手く対応できなかったり、すでに心身に不調が出ている場合には、周りの専門家の心理的サポートやカウンセリングを受けることも有効です。
ストレス管理において心理的サポートとカウンセリングは重要な役割を果たします。
まず、心理的サポートは個人がストレスに対処するのを助ける手段の一つです。
友達や家族が話し相手となり、感情や不安を共有することで、心の重荷が軽減されることがあります。
これにより、ストレスが解消されるだけでなく、人はより強くなり、困難に対処する力を得ることができます。
一方で、カウンセリングはより専門的なアプローチで、訓練を受けた専門家であるカウンセラーがクライアント、つまりストレスを感じている人と対話し、問題や感情に焦点を当てます。
カウンセリングでは、過去の経験や思考パターン、行動のパターンなどを探りながら、クライアントが抱えるストレスや問題の原因を理解し、それに対処する方法を見つけるサポートを行っていきます。
そして、カウンセリングは深層心理に働きかけ、持続的な変化を促進するのに役立ちます。
また、サポートグループの援助を受けることもストレスの緩和に役立つ可能性もあります。

まとめ

脳梗塞が起こると、後遺症として手足の麻痺や言語障害などが残ることがあります。
一度ダメージを受けてしまった神経細胞は、完全に修復することが難しいとされています。
そこで、当院ニューロテックメディカルでは、『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』を、ニューロテック®とし、脳卒中や脊髄損傷、神経障害の患者さんに対する『脳の治る力を高める治療』を、リニューロ®と定義しました。
リニューロ®は、同時刺激×再生医療、骨髄由来間葉系幹細胞、神経再生リハビリにて『脳の治る力を高める治療』です。
脳梗塞後の後遺症に対して、再生医療の効果にご興味のある方はぜひ一度ご相談ください。

Q&A

脳梗塞が再発しやすい理由は何ですか?
脳梗塞は、高血圧や糖尿病、脂質異常症、大量の飲酒や喫煙などの生活習慣病が背景となり、動脈硬化が進んだ結果脳の血管が詰まってしまい発症することが多いです。こうした危険因子があると、何回も脳梗塞になってしまうことがあり、脳梗塞が再発しやすい理由となりえるでしょう。

脳梗塞の原因はストレスですか?
脳梗塞の直接的な原因としては、動脈硬化がすすみ血管が詰まることがあります。その理由として高血圧や糖尿病などの生活習慣病があります。こうした病気は、ストレスによって悪化してしまうことがあり、ストレスが間接的に脳梗塞の原因となることがあります。

<参照元>
脳血管障害・脳卒中 | e-ヘルスネット(厚生労働省):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html
脳卒中や心筋梗塞などを引き起こすストレスの原因やチェック法 | NHK健康チャンネル:https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1149.html
脳血管疾患:用語解説|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト:https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1826/
脳梗塞:これからの再発予防治療.神経治療.2018;35:439-443.:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/35/4/35_439/_pdf
循環器心身症の心身医学的アプローチ法.Jpn J Psychosom Med.2020.60:417-424.
ストレスホルモンを測る 独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所:https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2016/87-column-2.html
自律訓練法 | e-ヘルスネット(厚生労働省):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-024.html
Q5:カウンセリング効果の実際は?:専門家が事例と共に回答~職場のメンタルヘルス対策Q&A:https://kokoro.mhlw.go.jp/mental-health-pro-qa/mh-pro-qa005/


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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