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脳梗塞になりやすい人とは

           

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脳梗塞になりやすい生活習慣、食べ物、性格があります。
喫煙、運動不足、野菜不足、過度の飲酒などの習慣は、肥満、高血圧を含む生活習慣病の誘因となります。
また赤身の肉が多くなると、脳梗塞のリスクが上がっていました。
さらにタイプAあるいはタイプDに分類される性格は、脳梗塞を起こしやすい人の特徴と考えられています。

脳梗塞になりやすい人はいるのか?

脳梗塞
脳梗塞は、多くの日本人がかかる可能性のある病気ですが、全ての人が同じ確率で発症するわけではありません。
ある特定の要素を備えた人が、要素を持たない人よりも発症するリスクが高いことがわかっています。
例えば高血圧は、発症リスクを高める要素としてよく知られています。
そのほかにも、糖尿病や高コレステロール血症などの生活習慣病も、同様に脳梗塞の発症リスクを高めています。

脳梗塞になりやすい生活習慣

脳梗塞の発症リスクが高くなる生活習慣というものもあります。
特に健康的と言われる生活習慣に、タバコを吸わない、定期的に運動する、過度の飲酒をしない、野菜を多く食べるなどがあります。
このような健康的な生活習慣と脳梗塞発症の関係を調べた、フィンランドでの研究があります。
健康な成人36,686人を平均13.7年間追跡したところ、1,167人が脳梗塞を発症していました。
そして喫煙、肥満、運動不足、野菜摂取不足、アルコール過量摂取という5つの不健康な生活習慣と脳梗塞の発症リスクには、統計学的に有意な相関関係があり、かつ要素の数が少ないほど発症リスクは減少していました。
またこの傾向に男女差はありませんでした。

(出典:Zhan Y, et al. Lifestyle factors on the risks of ischemic and hemorrhagic stroke. Arch Intern Med. 2011;171(20):1811-8)

このほかにも、血圧をあげてしまう可能性の高い、不規則な生活や慢性的な睡眠不足も、脳梗塞になりやすい生活習慣です。

脳梗塞になりやすい食べ物

脳梗塞と食べ物にも、深い関係があります。
ヨーロッパの9カ国に在住の42万人近い男女を追跡し、食事と脳卒中の関係を調べた調査によると、脳梗塞のリスクは果物と野菜摂取量を200g/日を増加させると13%低下、食物繊維を10g/日だけ増加させると、リスクは23%低下していました。
また牛乳の摂取量を200g/日だけ増やす、ヨーグルトの摂取を100g/日、チーズの摂取を30g/日増やすと、いずれも脳梗塞のリスクを低減していました。
一方で、赤身の肉を50g/日多く摂取した場合は、脳梗塞のリスクを上げることもわかりました。
ただし卵の摂取は、脳出血のリスクを上げていましたが、脳梗塞の発症には影響を与えていませんでした。

(出典: Tong TY, et al. The associations of major foods and fibre with risks of ischaemic and haemorrhagic stroke: a prospective study of 418 329 participants in the EPIC cohort across nice European countries. Eur Heart J. 2020 Jul 21;41(28):2632-40.)

したがって、繊維や野菜、果物、乳製品が少ない、また肉の多い食事が、脳梗塞になりやすい食事といえます。
また塩分過多は高血圧を招くため、脳梗塞を起こしやすくなります。
ちなみに特定の食品が脳梗塞のリスクとなるだけでなく、食べすぎることも生活習慣病のリスクとなりますので、脳梗塞に影響を与えると考えてよいでしょう。

脳梗塞になりやすい性格

脳梗塞になりやすい性格というのもあります。
日本では、血液型で性格を分類することがありますが、そのほかにも分類する方法がいくつかあります。
医学の領域では、よくタイプAの性格が心筋梗塞や脳梗塞を発症しやすいと言われます。
この分類では、タイプAとタイプBが対極にある性格になっていますが、実際はタイプAとタイプBが混在しているのが一般的です。
タイプAの人の性格には、以下のような特徴があると言われています。
何事にも意欲的で勤勉、向上心を持って物事に取り組みます。
競争心があって、成功への決意が強く、迅速で決断力のある人が多く、マルチタスクの傾向があります。また、ストレスを多く感じることもあります。

時間を無駄にするのが嫌い、遅れると焦ったり、イライラしたりします。
仕事に対する緊張感から、一度に複数の仕事をこなし、休む暇もない。
また、特にやり残したことがあったり、自分の仕事がうまくいかなかったと感じたりすると、自分自身を批判する傾向があるかもしれません。
これに対し、タイプBの人の性格は、のんびりした性格の人が多いようです。
この性格の人は、リラックスしているとか、のんびりしていると表現されるかもしれません。
タイプBだからといって、絶対にストレスを感じないというわけではありませんが、タイプAの人に比べると、ストレスにさらされることは少ないと言えるでしょう。

また2005年に心理学者ヨハン・デノレが初めて紹介したタイプD性格は、いくつかの異なる健康上の懸念と結びつけられています。
タイプD性格の人は、かなりの精神的苦痛を感じやすい傾向があります。
その特徴は、辛い、苦しい感情について悩んだり、反芻したりする時間が長い、自分自身を頻繁に批判する傾向がある、世界をより悲観的にとらえる、自分に対する自信がない、緊張や不安を感じやすい、他人に拒絶されることを恐れて、人と付き合うことを避けるなどがあります。

特に辛い、不快な感情を自分の中に溜め込んでしまうと、うつ病などの精神疾患の要因になることがあります。
感情を抑圧することは、やがて健康にも影響を及ぼし始め、全体的な生活の質を低下させることになります。
またタイプDの特徴を持つ人々は、バランスのとれた食事、定期的な運動を避ける傾向が示唆されています。
そのため、このタイプの方は心臓病を発症するリスクが高い可能性が指摘されています。
これは脳梗塞の発症リスクが高い性格とも言えるでしょう。

(出典:Denollet J. DS14: standard assessment of negative affectivity social inhibition, and Type D personality. Psychosom Med. 2005;67(1):89-97.)

まとめ

脳梗塞になりやすい人がもつ、生活習慣や食事内容、また性格の特徴について説明しました。
これらはいずれも意識をして改善することが可能なものではないかと思います。
自分ひとりで取り組むことは難しいかもしれませんが、主治医とも相談し、少しでも健康的な生活を送ることができるよう、工夫してみることをお勧めします。

Q&A

脳梗塞になりやすい人はどんな人?
脳梗塞の主な原因は高血圧や糖尿病、喫煙、肥満などからなる動脈硬化です。高齢になるほど発生しやすくなります。心房細動という不整脈が脳梗塞(心原性脳塞栓症)の原因になることがあります。

脳梗塞はどこまで回復するのか?
脳梗塞の発症後6ヶ月までは回復期に位置づけられ、回復を望むことができます。軽症であれば症状がほぼ消失することもありますが、重症の場合は後遺症が残ります。


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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