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脳梗塞後にみられる記憶障害について

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脳梗塞後に記憶障害が見られることがあります。
特に最初の数週間から数ヶ月は、多くの方が短期記憶を中心に記憶障害を経験します。
この記憶障害は、時間とともに改善することがありますが、何年も続くことがあります。
そのため記憶障害を改善するためのトレーニングや記憶障害を抱えながらも生活に支障を来たさない工夫が必要となります。

脳梗塞後にみられる記憶障害

私達は誰もが時々、物忘れを経験します。
通常私達の記憶は加齢とともに曖昧になるものです。
ただ記憶障害が原因で日常生活に支障をきたすようになると、認知症と呼ばれるようになります。
そして記憶障害は、高齢の脳梗塞経験者に多く見られることが知られています。

記憶の種類

記憶には、以下のような種類があります。

  • 言語性:名前、物語、言語に関連する情報の記憶
  • 視覚:形、顔、経路、見たものなどの記憶
  • 情報系:情報や技能の記憶、新しいことを覚えるのが苦手など

これは覚える対象について分類していますが、そのほかにも短期記憶と長期記憶のように、記憶されている期間による分類もあります。

脳梗塞後になぜ記憶が影響を受けるのか?

記憶
私達は、あらゆる種類の情報を記憶として保存しています。
例えば短期記憶は、脳のなかでも特に海馬と呼ばれる場所が、その役割を果たしていると考えられています。

海馬は情報のための一時的な貯蔵庫のようなもので、使用するために十分な時間だけ記憶しておくことができます。
例えば電話をかけるとき、ダイヤルするまでの数秒間は、短期記憶を使って記憶します。
これはワーキングメモリーとも呼ばれます。

長期記憶は主に大脳にその役割があります。
海馬に蓄えられた短期記憶が、さまざまなプロセスを経て、脳の外側にある大脳に書き換えられています。
ここでは、過去の出来事や感情など、後で思い出す必要のある情報が保存されています。

脳梗塞後、特に最初の数週間から数ヶ月は、多くの人が記憶力に問題を抱えることになります。
脳梗塞は、長期記憶よりも短期記憶に影響を及ぼすことが多いと言われています。
例えば、つい先ほど聞いたばかりのことを思い出すことは難しいが、10年前のことは思い出すことはできます。
これは脳梗塞によって脳が障害を受けた結果、記憶を司る部位が影響を受けていることを意味します。

記憶障害の兆候

短期記憶に障害がある場合、思い出すことが困難になることがあります。
誰かに言われたこと、今自分が何をしようとしていたのか、また長期記憶に問題がある場合、次のようなことが思い出せなくなることや思い出せないことに伴う症状がみられるがあります。

  • 重要な日付や約束の時間
  • 大切なものを置いた場所
  • 誰かの名前や、前回会ったときに何を言われたか
  • 慣れた場所での徘徊や迷子
  • 指示に従うことが困難
  • 金銭のやりとりに支障がある

なお、物忘れは脳梗塞が直接の原因である場合もありますが、飲酒、喫煙、睡眠薬の使用、睡眠不足、うつ病やストレス、栄養不良などが原因、あるいは悪化の要因となる場合もあります。

脳梗塞後の記憶障害への対処法

脳トレーニング
脳梗塞後の記憶障害は、自然に、あるいはリハビリテーションによって、時間とともに改善することがありますが、何年も続くことがあります。

記憶を強化する訓練

脳梗塞後の思考や記憶を改善するために、脳の再教育技術が考案されています。

例えば、コンピュータのプログラムやアプリケーションを使用する方法があります。
脳を刺激して記憶力や認知力を高めるに、心と体の両方を使う新しい趣味に挑戦してもよいでしょう。
また、運動も大切です。
適度な運動を通した体力づくりは、心身の健康全般にプラスになります。

記憶障害を管理するためのヒント

記憶障害を改善するのではなく、記憶障害のある状態を受け入れ、その状態でも日常生活に支障をきたさない工夫を取り入れることもできます。

書き留める

カレンダーやダイアリーを使って、約束や重要な日を記録しておきましょう。
また、その日にあったことを記録するのにも使えます。
誰かに電話をかけた、ペットに餌をやった、など小さな作業をするたびにメモをしておきます。
友人とおしゃべりした後などに記録を書くと、次に会ったときに何を話したか思い出すことができます。
メモが苦手であれば、スマートフォンのアプリを使って、音声を録音することができます。
携帯電話で写真が撮れることで、より視覚的に情報を残し、かつ容易に管理することもできます。

すべてのものの場所を決める

例えば、鍵はドアの横のフックにかける。
食器棚や引き出しにラベルを貼ると、どこに何が入っているのかがわかりやすくなります。
文字のラベルでなくても、絵でもかまいません。
メガネはチェーンで首から下げておくと、紛失を防げます。
わかりやすい薬箱があれば、毎日飲むべき薬を整理でき、飲んだのか飲んでいないのかが一目瞭然になります。

日課を決める

就寝前のルーチンなど、毎日同じ順序ですることを決めておくこともよいアイデアです。
薬を飲む、鍵をかけるなど、毎日同じ時間に決まったことをするようにしましょう。
また寝る前に翌日の「やることリスト」を書きましょう。
そうすれば、起きたらすぐに何をしなければならないかがわかります。

目につくところにメモを残す

予定、電話番号、薬など、重要な情報を書き留めたノートを手元に置いておきましょう。
また家のなかの目立つ場所にメモを置いてもよいでしょう。
そのためには洗面所の鏡に書けるペンを買ったり、ホワイトボードを目立つところに設置したりすると助かります。
キッチンには、調理器具のスイッチを切るように、ドアの裏側には、外出時に鍵をかけるように、といったサインを貼っておくとよいでしょう。

まとめ

脳梗塞と記憶障害の関係、また対処法についてご説明しました。
このほかにも、特定の作業や情報を思い出すために、タスクや情報の一部を、画像、よく知っている名前、歌など、意味のあるものと結びつける方法なども取り組まれています。
また最近はスマートフォンで手軽に使える記憶訓練用アプリもありますので、試してみるとよいでしょう。



貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表 Dr.貴宝院 永稔

大阪医科薬科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

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