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脳梗塞と飲酒の関係

           

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脳梗塞は生活習慣病が大きく関係する疾患です。
生活習慣には運動や睡眠、食事など様々な要素がありますが、嗜好品もその一つ。
お酒やタバコ、コーヒーなどお好きな方も多いと思います。
特にお酒は人との付き合いなど、飲まざるを得ない場合もあることでしょう。
この記事では脳梗塞と飲酒の関係について紹介します。

酒は百薬の長

飲み過ぎ注意
使い古された言葉ではありますが、適量の飲酒が持つ健康効果は実証されています。
イギリスの研究では、毎日適量飲酒する人は全然飲まない人と比較して、心筋梗塞などの心疾患による死亡率が低いことが報告されています。
赤ワインはポリフェノールを多量に含み、抗酸化作用があるとされます。
お酒は血管の炎症を抑え、血行を良くすることで血液のかたまりである血栓の発生を抑える効果があると考えられます。
脳梗塞の主要な原因でもある血栓ができづらい、すなわち脳梗塞の発症を抑える効果が期待できるということになります。

飲酒量と脳梗塞発症の関係

美味しいし体にも良いならどんどん飲もう、となりたいところですが、もちろんそうはいきません。
国立がん研究センターでは、約2万人の方を対象に11年間追跡し、飲酒と脳卒中発症の関連を調べています。
それによれば、脳梗塞を発症した率が最も低かったのは「1日1合未満」の人たちでした。
つまり毎日少しずつ飲む方、ということになります。
「時々飲む」とした人と比較して約4割脳梗塞の発症が少ないという結果でした。
しかし飲酒の量が増えると脳梗塞の発症率は上昇し、最も発症率が高いのは「1日3合以上」の人たちでした。
特に出血性脳卒中については、「1日3合以上」飲む人は「時々飲む」人のなんと2.5倍以上発症していました。
飲酒によるメリットはあるものの、やはり「適量」を守ることが何よりも大事だということが分かります。

脳梗塞になったらもう飲酒してはいけないのか

飲酒は血圧を上昇させるため出血性脳卒中のリスクとなり、動脈硬化を進行させる可能性があります。
しかもアルコールには利尿作用があるため、過度な飲酒は体を水分不足にして、血液が固まりやすい状況を作り出します。
このような危険性がある飲酒は、一度脳梗塞になったらもう二度とできないのでしょうか?
確かなこととして、発症後間もないうちは飲酒をしてはいけません。
ただ脳の血流が安定すれば、適量であれば飲酒は可能であると考えられています。
脳梗塞の発症早期は血圧の厳密なコントロールなど、慎重な対応が必要な時期です。
血圧の急な変動は脳梗塞の再発を招くリスクとなります。
飲酒は血圧への影響が大きいため、発症後2-3ヶ月のうちは絶対に飲酒してはいけません
しかし脳梗塞の治療が落ち着く約3ヶ月以降であれば、適量の飲酒は可能であると思われます。
適量の飲酒は脳梗塞の発症リスクを下げるため、再発予防にも一定の効果を上げる可能性があります。
また、少量の飲酒をしている人は脳梗塞発症後の回復が良かったというデータもあります。
あくまで適量であることを肝に銘じて、飲酒を楽しむことができたら良いですね。

脳梗塞の後遺症と飲酒

脳梗塞を発症すると、多くの場合後遺症を残します。
症状は人により様々ですが、運動の麻痺や認知症状などがあります。
運動の麻痺がある場合移動が不安定となるため、飲酒をした後の立位や歩行には注意が必要です。
また飲酒による集中力や判断力の低下に注意が必要です。
脳梗塞の後遺症は一度確定すると元通りに回復するのは困難です。
神経そのものを治療することは難しいからです。
しかし回復困難と思われていた神経の機能を改善させる可能性があるのが、再生医療です。
再生医療では神経の元になる細胞を使用し、神経そのものを再生させることで機能改善を図ります。
長年の研究により再生医療は普及が進み、私たちの手が届くところまで来ています。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
脳梗塞の後遺症に対しては、再生医療と最先端のリハビリテーションを組み合わせることで最大限の機能回復を達成できると考えています。
脳梗塞後遺症の症状にお悩みの患者さんやご家族の方は、ぜひご相談ください。

まとめ

脳梗塞と飲酒の関係について紹介しました。
悪いことばかりではない飲酒ですが、適量を超えてしまうと逆効果になります。
「適量」が人によって異なるという事実もあります。
十分体調に注意しながら、少量を楽しむというスタンスが必要です。

Q&A

脳梗塞のアルコール制限は?
適切な飲酒量には個人差や民族差があるため、はっきりと制限量を決めるのは難しいと言えます。国内の研究で1日1合未満の方の発症リスクが最も低いという結果があることから、1日1合未満は一つの目安と言えるでしょう。

アルコールの脳への影響は?
アルコールは血圧を高くするため、出血性脳卒中(脳出血、くも膜下出血)を発症するリスクを上昇させます。多量の飲酒は脳の萎縮を引き起こし、アルコール性の認知症を招くことが知られています。

<参照元>
・「飲酒と脳卒中発症との関連について」国立がん研究センターホームページ
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/261.html

貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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