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脳梗塞の性差とその原因

           

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この記事を読んでわかること

男性と女性の脳梗塞発症率の比較
女性特有の脳梗塞リスク要因
閉経後の女性におけるリスク増加の理由


今回は脳梗塞の性差とその原因について解説します。
脳梗塞は、脳の血管が詰まることで脳への血液供給が途絶え、脳が壊死する病気です。
性差によって発症率に違いが見られます。
原因として、女性はホルモンに代表される生物学的な要因が大きく影響しています。
特に、更年期以降のホルモン変化による身体的な変化がポイントとなります。

男性と女性の脳梗塞発症率の比較

男性と女性の脳梗塞発症率の比較
この記事では男性と女性の脳梗塞発症率の比較について解説します。
脳梗塞は脳卒中の中の1つの病型です。
脳卒中は、日本において死因の第3位であり予後を決定する重要な疾患です。
発症率の特徴として、男性が女性よりも高い傾向にあります。
厚生労働省の報告によると、2020年の脳卒中新規発症者数は、男性が約25万人、女性が約18万人であり、男性が約3割多くなっています。
年齢別の検討では、 40歳未満では男性の発症率が女性と比較して2倍以上高いです。
原因として、この年齢の男性は、血圧高値、脂質異常、高血糖などの生活習慣病因子を多く保有しているためと考えられております。
最近では若い世代においても生活習慣病因子の保有が問題となっています。
でも、年齢が上がるにつれて男女差は縮小し、70歳以上では女性の方が男性よりも高くなります。
これは、閉経後の女性ホルモンの減少がリスクを高めるためと考えられています。
具体的には、閉経後はエストロゲンという女性ホルモンの分泌が減少するためです。
ちなみに2017年度、脳梗塞による死亡者数は6万2,122人(男性2万9,494人、女性3万2,628人)でした。

女性特有の脳梗塞リスク要因

女性特有の脳梗塞リスク要因
では女性特有の脳梗塞リスク要因について解説します。
女性特有のリスク要因として、閉経によるホルモン変化、妊娠や出産による身体的な変化、自己免疫疾患などがあります。
まず、ホルモン変化についてです。
最も重要なホルモンはエストロゲンという女性ホルモンです。
このホルモンは血管を保護する作用があります。
そのため、減少すると動脈硬化が進行し、脳梗塞のリスクを高めます。
エストロゲン分泌が著明に減少する閉経後は要注意です。
次に、妊娠と出産における影響です。
妊娠中は血圧が上昇傾向となり、更に、血が固まりやすくなるため脳梗塞リスクが増加します。
特に妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)になった場合は要注意です。
その他、妊娠と出産は高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病因子が悪化傾向になるためリスクを増加させます。
最後に、自己免疫疾患の影響です。
この疾患は、体を守る免疫システムが誤って自分の正常な細胞を攻撃してしまう疾患の総称です。
中でも、全身性エリテマトーデスは要注意です。
この疾患は、血小板の凝集を促進したり、血液を固まりやすくしたり、血管を傷つけたりするため、血栓ができやすくなり脳梗塞のリスクを高めます。

閉経後の女性におけるリスク増加の理由

この記事では閉経後の女性におけるリスク増加の理由について解説します。
大きく3つが影響しています。
1つ目は、閉経により女性ホルモンであるエストロゲンが大幅に減少するためです。
このホルモンは、血管を拡張し、血栓の形成を抑制し動脈硬化を防ぎます。
従って、血管保護作用が減少して脳梗塞のリスクが増加します。
2つ目は、閉経後の脂質代謝の変化です。
閉経後は、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)と中性脂肪が増加し、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が減少する傾向があります。
このため、動脈硬化が進展して、脳梗塞のリスクを高めます。
3つ目は、高血圧です。
高血圧は動脈壁に負担をかけるため、脳の血管にも損傷が及び脳梗塞のリスクを上げます。
原因として、血管拡張作用のあるエストロゲンの減少、基礎代謝低下による体重増加、自律神経の乱れが考えられます。
その他、加齢も原因として考えられます。
加齢とともに血管の弾力性が失われるため、動脈硬化が進展してリスクが増加します。
まとめると、閉経後の女性の体は様々な変化が複合的に起き、このことがリスク増加の理由に繋がります。

まとめ

今回の記事では、脳梗塞の性差とその原因について解説しました。
脳梗塞は脳の血管が詰まり脳組織が壊死して後遺症を残す疾患です。
これまで、壊死した神経をもとに戻すことは難しいと言われてきました。
でも、再生させると後遺症は軽減します。
そのため、神経の再生医療は期待が持てます。
脳や脊髄の損傷に対して、「ニューロテック®」と呼ばれる「神経障害が治ることを当たり前にする取り組み」も盛んです。
ニューロテックメディカルでは、狙った脳・脊髄の治る力を高める治療『リニューロ®』を提供しております。
さらに、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「再生医療×同時リハビリ™」があります。
脳梗塞の新たな治療方法として、神経を再生する医療は後遺症に苦しむ脳梗塞患者の福音となるでしょう。

Q&A

脳卒中は男性と女性では性差がありますか?
あります。
発症率として、男性の方が若い世代で発症しやすく、女性は高齢になると男性を追い抜く傾向にあります。
症状として、男性の方が失語症や片麻痺などの症状が出やすく、女性は認知症やうつ病などの後遺症が出やすい傾向にあります。

脳梗塞の原因として女性に多いのは?
まず、男女共通の原因として生活習慣病があります。
女性特有の原因は、女性ホルモンの変化があります。
特に、閉経後は女性ホルモンが減少するため身体的変化を来すことがポイントです。
その他、女性が罹患しやすい自己免疫疾患も原因としてあげられます。

<参照元>
日本脳卒中学会:https://www.jsts.gr.jp/
厚生労働省 e-ヘルスネット:https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11303000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu-Roudoueiseika/0000153518.pdf
日本生活習慣病予防協会:https://seikatsusyukanbyo.com/statistics/2019/009998.php


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貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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