慢性疼痛の特徴や薬を徹底解説 | 脳梗塞・脊髄損傷・脳出血の再生医療ニューロテックメディカル

慢性疼痛の特徴や薬を徹底解説

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慢性疼痛とは数ヶ月から数年にかけて継続したり、再燃を繰り返すような痛みのことです。
慢性的な疼痛によって、痛み以外に食欲減退や睡眠障害などの精神的なストレスが生じ、うつ病を併発する事もあるため早期から適切な対応を行うべきです。
そこでこの記事では、慢性疼痛の特徴や症状、治療薬に関して詳しく解説していきます。

慢性疼痛とは?

慢性疼痛によるストレスと鬱病
慢性疼痛とは、厳密には「治療を要すると予測される時間を超えて持続する慢性的な疼痛、または進行性の非ガン性疾患に関連する痛み」と定義されています。
少し難しい表現ですが、わかりやすく言えば下記のような特徴を持つ痛みになります。

  • 3ヶ月以上継続する痛み
  • 整形外科などの術後に遷延して1ヶ月以上継続する痛み
  • 数年にわたって症状が継続、もしくは再燃を繰り返す
  • 糖尿病や帯状疱疹に伴う神経障害性疼痛

では、そもそも人間はなぜ痛みを感じるのでしょうか?
結論から言えば、感覚神経によって感知された痛みの情報が脳にインプットされる事で痛みを感じます。
具体的には、皮膚に存在する感覚受容器が痛みや温度などの感覚を受容し、その情報を感覚神経に伝達します。
感覚神経に伝わった刺激は、そのまま上流の脊髄にインプットされます。
この際、上肢の感覚であれば頸髄に、下肢の感覚であれば腰髄に、体幹の感覚であれば胸髄にインプットされます。
その後脊髄に集まった情報はそのまま上行し、延髄などの脳幹を経由して大脳にインプットされて、ようやく「痛い!」や「熱い!」と感じるわけです。
しかし、例えば手術や帯状疱疹によって頻回に感覚神経が障害されると、神経線維と神経細胞の構造が変わってしまい、感覚神経の活動性や感受性が高まってしまうため、普段は痛いと感じないような感覚でも痛みとして受け取ってしまうのです。
これが慢性疼痛を発症する機序です。
さらに厄介なことに、一度慢性疼痛を経験してしまうと、痛みが再発してしまうという不安感や心理的ストレスが生じてしまい、その恐怖や不安によって感覚神経の感受性がさらに増加してしまうと言われています。
これは、感覚神経の感受性を減少させる物質の分泌が減少してしまうことが原因だと言われています。

慢性疼痛の症状

では、慢性疼痛にはどのような症状が挙げられるのでしょうか?
もちろん原因不明の持続する疼痛が挙げられます。
また、疼痛によるストレスに伴って睡眠障害や食欲不振、味覚減退、体重減少などを引き起こす事もあります。
またストレスは自律神経にも影響を及ぼします。
自律神経とは交感神経と副交感神経のことで、体温、血圧、脈拍、睡眠、排泄など多くの機能をコントロールしている神経のことです。
ストレスによってこれらの機能に悪影響が出てしまうため、血圧が上がったり便秘になる可能性も上がってしまいます。
このような状態が継続してしまうと、徐々に普段楽しんでいる事も楽しめなくなってしまい、引きこもりがちになり抑うつ状態になっていき、最終的にうつ病を併発してしまう事もあるため注意が必要です。

慢性疼痛に対する治療とは?

慢性疼痛に対する治療法には、理学療法薬物療法精神療法の3つが挙げられます。
実際には、なんらかの特定の原因が分かっていればその原因の除去が優先されますが、原因がわからない事も多いため上記のような治療が行われることが一般的です。
具体的に解説していきます。

理学療法

理学療法は、痛みのある部位の筋肉を効果的に動かすことによって慢性疼痛を緩和してくれる可能性があります。
徐々に体の運動強度を上げていく事で失われた機能の回復が見込めます。
これは、運動によって感覚神経の感受性が低下するため過剰な痛みを感じなくなるからだと考えられており、近年では運動療法や認知行動療法を組み合わせた集学的治療アプローチが最も推奨されています。

薬物療法

慢性疼痛に対する治療の中心は、薬物療法です。
前述したように、痛みなどの感覚は皮膚から神経、脊髄、脳という順に伝達されて感知されていて、痛みの原因がどこにあるかで処方される薬も異なってきます。
慢性疼痛の場合、主に痛みの原因は神経にあると考えられるため、第一選択となる薬は三環系抗うつ薬などの鎮痛補助薬です。
時にロキソニンやアセトアミノフェンのような消炎鎮痛剤が処方されますが、これらの消炎鎮痛剤では神経に対する鎮痛効果が弱いため、あまり効果を示さない可能性もあります。
痛みが強く、鎮痛補助薬や消炎鎮痛剤では良好な鎮痛が得られない場合、麻薬などのオピオイドを処方される事もありますが、麻薬には便秘や嘔気、掻痒感、呼吸抑制などの副作用もあるため、服薬には注意が必要となります。

精神療法

前述したように、精神的に弱ってしまうと疼痛閾値が低下して痛みを過剰に感じやすくなってしまいます。
そこで、精神療法では「痛くて何もできない」から「痛みがあっても行動できる」というマインドに変えていくことが治療の目標となります。
そのため、精神療法で結果を出すには患者さんの治療に対する理解が必要となります。

まとめ

今回の記事では慢性疼痛の症状や治療法について解説しました。
慢性疼痛はなんらかの原因で感覚神経の痛みに対する感受性が変化してしまい、過剰に痛みを感じるようになってしまう病気です。
症状は長期間に継続し、さらに再燃を繰り返すため発症してしまうと精神的ストレスも大きく、場合によってはうつ病も併発してしまいます。
そこで、早期から理学療法、薬物療法、精神療法などを組み合わせて適切な治療を行うことが重要です。
また、近年では再生医療の発達も目覚ましいです。
慢性疼痛のように、一度損傷して変化した神経はなかなか元に戻りません。
しかし、再生医療によって損傷した神経が再生すれば、痛みを過剰に感知する事もなくなる可能性があり、新しい治療法になり得るのです。
現在その知見が待たれるところです。

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貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表 Dr.貴宝院 永稔

大阪医科薬科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

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