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脊椎が曲がってしまう側弯症とは

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側弯症とは、背骨(脊柱)を正面から見たときに左右にグニャグニャと曲がってしまう病気のことです。
小児期に多く見られる病気で、わずか数%の発症率ですが変形が進行していくと脊髄が圧迫されることで麻痺やしびれなどの神経症状をきたす可能性もあります。
この記事では、側弯症の原因や症状、治療法などに関して詳しく解説していきます。

側弯症の定義とは?

背骨が曲がる側湾症
結論から言えば、側弯症とは脊椎を正面から見たときに左右に曲がってしまう病気のことです。
実は人間の脊椎は1本の長い骨ではなく、26個の小さな背骨が連結して成り立っています。
複数の背骨を連結させることで腰や首のひねり運動の可動域を広げ、また上下方向に加わる衝撃をうまく吸収できるような構造になっています。
具体的な側弯症の診断基準としては、左右に弯曲した脊椎の中で角度のついた上下の背骨同士がなす角度(これをコブ角と言う)が10度以上であることです。
背骨とその周囲の靭帯で囲まれた脊柱管と呼ばれる空間には、脳と直接繋がっている脊髄と呼ばれる神経の束が走行していて、上肢や下肢の運動、感覚などをコントロールしています。
そのため、脊椎に異常な弯曲やねじれが生じると脊髄や神経が圧迫される可能性があり、様々な神経所見をきたす可能性があるのです。
では、なぜ脊椎が弯曲してしまうのでしょうか?

側弯症の原因とは?

側弯症が引き起こる原因は複数あり、それぞれの原因によって好発年齢や経過も異なります。
具体的に解説していきます。

機能性側弯症

機能性側弯症とは脊椎そのものに異常があるわけではなく、普段の生活習慣や運動の負荷によって後天的に脊椎にねじれが生じたものを指します。
この場合、脊椎以外の原因となっている要因を除去することで弯曲が改善する可能性もあるため可逆的な側弯と言えます。

構築性側弯症

機能性側弯症と異なり、構築性側弯症は脊椎自体がねじれるように回旋した状態で、かつ左右に弯曲している状態であるため、簡単には元に戻すことができません。
原因によって、下記のようにさらに細かく分類されます。

特発性側弯症

構築性側弯症の中でも原因不明のものを特発性側弯症といい、側弯症の原因のなかで全体の80-85%を占め、最も頻度の多いものになります。
一説によれば遺伝的要因が関係していると言われていますが、詳しい原因は分かっていないのが現状です。
特発性側弯症は主に小児期に多く、加齢とともに弯曲が進行していくと考えられているため、発症年齢が若いほど症状が増悪する可能性が高いです。
逆に、骨成長が成熟すれば症状の急速な進行も止まると言われています。

先天性側弯症

その名の通り、生まれながらに脊椎に弯曲をきたしている側弯症のことです。
急速に症状が進行するものもあれば、ある一定のところで進行が止まるものもあり、個人差があります。
一般的には、変形が複雑なものや変形箇所が多いものほど症状が急速に進行していくと言われています。

その他の側弯症

その他の側弯症として、筋ジストロフィーや脳性麻痺脊髄空洞症など、脊髄や筋肉の異常が原因となって側弯症を引き起こす神経・筋原性側弯症や、マルファン症候群のような周囲の結合組織に異常が生じることで発症する側弯症などが挙げられます。
神経・筋原性側弯症は進行が早く、特発性側弯症と異なり骨成長が成熟しても進行する可能性があります。
マルファン症候群に伴う側弯症では、側弯症以外に大動脈瘤などの心血管系疾患のリスクも伴うため十分な評価が必要になります。

側弯症の症状

側弯症によって脊椎に異常な変形をきたすと、周囲の筋肉や組織にも負担がかかるため痛みを伴うことがあります。
また、内部を走行する脊髄が圧迫されると麻痺やしびれなどの神経症状をきたすこともあります。
さらに側弯症が進行すると胸郭の変形をきたします。
胸郭とは肋骨を骨組みにした骨格のことで、心臓や肺を守るために形作られています。
肋骨は脊椎と連結しているため、側弯によって肋骨の走行にも影響が出てしまい胸郭が変形し、内部の心臓や肺が圧迫されることで息切れなどの症状が出ることもあります。

側弯症の治し方とは?

側弯症の治療法は主に3つあります。
症状の程度や進行度合いなどによって、それぞれに見合った治療法が選択されます。
具体的には下記のような治療法が挙げられます。

ストレッチ

側弯症の多くは定期的な経過観察に留まります。
機能性側弯症の場合であれば日常の生活習慣によって改善する可能性もあり、最も多い特発性側弯症も骨の成長に伴い進行が止まる可能性があるからです。
経過観察中は定期的な整形外科の受診のほか、ストレッチなどの運動療法を行うことで症状を緩和できる可能性があります

コルセット

コブ角が20度以上の弯曲が強い側弯症の場合、進行防止のためにコルセットなどの装具療法を行います。
注意点としては、骨成長が成熟する前、具体的には14-15才以下の段階で治療を開始する必要がある点です。
装着時間が長ければ長いほど高い治療効果を得られるため、極力お風呂に入る時以外は装着することが推奨されます。

手術

子供の側弯症の場合、より若年で弯曲度合いが強いと将来的に重度の側弯症に進行する可能性も高くなるため、進行を止めるための最終手段として手術療法を検討することになります。
大人の側弯症においてはすでに骨の成長が止まっているため、今後の症状の進行度合いや現在の症状も含めて手術療法の必要性について主治医と相談する必要があります。

まとめ

今回は側弯症について解説しました。
側弯症は脊椎が左右に弯曲してしまう病気であり、その原因や発症年齢によっても経過が大きく異なる病気です。
多くの場合、手術療法を選択するまで進行することは少なく、経過観察や装具療法に留まることが多いです。
しかし、症状次第では手術療法も視野に入れる必要があり、ハイリスクな手術でもあるため十分主治医と相談して検討すべきです。
また、近年では再生医療の発達も目覚ましいです。
再生医療によって損傷した神経細胞が再生できれば、側弯症による神経症状の改善も期待できるため、現在その知見が待たれるところです。

<参考サイト>
・日本側弯症学会:https://www.sokuwan.jp
・慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト(KOMPAS):https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000181.html

貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表 Dr.貴宝院 永稔

大阪医科薬科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

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