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前頭側頭葉認知症とは何か?

           

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この記事を読んでわかること

前頭側頭葉認知症の病態がわかる
前頭側頭葉認知症の症状や診断方法がわかる
前頭側頭葉認知症の予後がわかる


前頭側頭葉認知症とは認知機能の低下よりも前頭葉の萎縮に伴う人格障害や行動障害が特徴的な認知症です。
原因は解明されていませんが、神経細胞が変性する病気であることは知られており、経過や予後が通常の認知症とは異なります、
この記事では、前頭側頭葉認知症の病態や症状、経過や予後などについて詳しく解説します。

前頭側頭葉認知症の定義と概要

前頭側頭葉認知症とは、1892年にArnold Pickが初めて報告し、1994年にLundとManchesterのグループが疾患概念を確立した病気です。
脳の一部である前頭葉や側頭葉における神経変性によって萎縮が生じ、通常の認知症には認められにくい特徴的な神経症状を伴う認知症です。
通常の認知症では、側頭葉の萎縮に伴う物忘れなどの認知機能低下が主ですが、前頭側頭葉認知症では記憶障害・物忘れが目立ちにくいとされています。
一方で、人格や社会性・理性を司る前頭葉に萎縮をきたすため、人格の変化や社会性の欠如などの症状が目立つ点が特徴的です。
諸外国の報告によれば有病率はと人口10万人あたり2.7〜25人とされており、国内の研究においては人口10万人あたり11.2人の有病率と推計されています。
また、全認知症の中で4番目に多い病型とされています。
前頭葉と側頭葉の神経細胞に変性が生じ、残存した神経細胞にはタウ蛋白やTDP-43、FUSと呼ばれる異常蛋白が集積することが知られていますが、なぜそのような変性が生じるのかについては原因不明です。

前頭側頭葉認知症の初期症状と診断方法

前頭側頭葉認知症の初期症状
先述したように、前頭側頭葉認知症では通常の認知症と異なり、認知機能の低下よりも、前頭葉の萎縮に伴う人格の変化や社会性の欠如などの症状が目立ちます。
具体的な初期症状は下記の通りです。

  • 脱抑制・社会性の欠如
  • 無関心・無気力
  • 共感や感情移入の欠如
  • 常同行動
  • 食嗜好の変化
  • 被影響性の亢進

上記のような症状を発症の3年以内に認める場合、前頭側頭葉認知症を疑う必要があります。
脱抑制・社会性の欠如とは、本来持つべき礼節や社会通念が欠如し、万引きを起こしたり、身だしなみに気が回らなくなることです。
また、常同行動とは、毎日決まったコースを散歩する常同的周遊(周徊)や、同じ時間に同じ行為を毎日行う時刻表的生活などを指します。
他にも、過食や飲酒喫煙増加などの食嗜好の変化や、脅迫的な会話・行動を示す被影響性の亢進などの症状が見られた場合には注意が必要です。

診断方法

次に診断方法ですが、診断においては先述したような初期症状の問診が非常に重要です。
問診の結果、前頭側頭葉認知症が疑わしいと判断された場合は、他の認知症との鑑別を行うために頭部CT検査や頭部MRI検査などの画像検査を実施し、萎縮が生じている部位を精査します。
他にも、脳血流新地グラフィーやPET検査など、複合的な所見を元に診断を行います。

前頭側頭葉認知症の進行と経過

前頭側頭葉認知症の進行と経過
まず、前頭側頭葉認知症の原因である異常蛋白の集積の原因がわかっていないため、前頭側頭葉認知症に対する根治的な治療法は見つかっておりません。
また、一度変性した脳細胞は元に戻ることもないため、症状が徐々に進行していきます。
現在行われる治療としては、異常行動の緩和に対して選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの抗うつ薬が選択されますが、あくまで対症療法に過ぎません。
そのため、徐々に症状は進行し、さまざまな神経機能の低下によって誤嚥性肺炎の併発や、食べ物による窒息、転倒や転落などの合併症を併発するリスクがあり、そのまま命に直結する可能性もあります。
実際に、主症状が行動障害の方における発症からの平均寿命は平均6〜9年、主症状が失語症の方の場合は平均寿命12年と報告されています。

まとめ

今回の記事では、前頭側頭葉認知症の病態や症状、診断方法について詳しく解説しました。
前頭側頭葉認知は、原因不明に脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで、従来の認知症とは異なる経過で認知機能低下やさまざまな神経症状が出現する病気です。
特に、前頭葉が障害されることで生じる人格障害や行動障害は特徴的な症状であり、他の認知症では認めにくい点で診断に有用です。
一方で、診断がついたとしても根本の原因である神経細胞の変性を食い止めるような治療法は現在に至るまで発見されておらず、あくまで出現した症状に対する対症療法やリハビリテーションが主です。
そこで、近年ではこれらの神経変性疾患に対する再生医療が非常に注目されており、ニューロテックメディカルでは、「ニューロテック®」と呼ばれる『神経障害は治るを当たり前にする取り組み』も盛んです。
「ニューロテック®」では、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』を提供しています。
また、神経機能の再生を促す再生医療と、デバイスを用いたリハビリによる同時治療「同時刺激×神経再生医療Ⓡ」によって、前頭側頭葉認知症の改善・根治が期待できます。

よくあるご質問

前頭側頭葉型認知症の特徴は?
認知機能の低下よりも、前頭葉萎縮に伴う人格障害や行動障害が目立つ点が特徴です。
主な症状としては、脱抑制や社会性の欠如、常同行動、食嗜好の変化、被影響性の亢進などが挙げられます。

前頭側頭型認知症になると性格はどうなる?
前頭側頭型認知症になると、性格は暴力的・攻撃的になる方が多いです。
前頭葉の萎縮によって社会性が欠如し、自分に対する抑制が効かなくなるため、相手に暴言を吐いたり、暴力を振るうようなことも増えてしまいます。

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    <参照元>
    前頭側頭葉変性症(指定難病127)|難病情報センター:https://www.nanbyou.or.jp/entry/4841
    前頭側頭型認知症|健康長寿ネット:https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/ninchishou/zentou-sokutou.html

    あわせて読みたい記事:認知症の初期に起こりやすい症状や重度認知症について

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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