この記事を読んでわかること
・脳梗塞で頭痛は起きるのか
・脳梗塞による神経因性疼痛
・脳梗塞の痛みに対する再生医療
脳梗塞は運動麻痺や言葉の障害、認知障害など様々な症状が起こりますが、痛みが話題に挙がることは多くありません。
それは生活への支障に直結するのは先に挙げたような障害であるからかもしれません。
しかし常に痛みを抱えている状態というのはとてもつらいものです。
脳梗塞も痛みが残り慢性的となるケースがあります。
この記事では脳梗塞による痛みについて解説します。
脳梗塞で頭痛は起きるのか
脳梗塞はもちろん頭に発生する疾患ですが、頭痛は原則として起きません。
脳の血流が途絶えることで神経が死んでしまっても、それ自体による痛みを感じることはありません。
脳卒中の中で頭痛が起きるのは、出血性脳卒中です。
つまり脳出血やくも膜下出血では頭痛を自覚することが一般的です。
脳梗塞による神経因性疼痛
脳梗塞で感じる痛みとして、神経因性疼痛があります。
これは脳梗塞で発生する感覚障害が関連する痛みです。
感覚障害は触った感覚や温かい、冷たいという感覚が障害され分かりづらくなる症状ですが、時にしびれやジリジリ感など異常な感覚を感じることがあります。
異常な感覚は時間が経つと痛みに変わることがあり、ピリピリした痛みや電気が走るような痛みを感じます。
けがなどによる痛みは侵害受容性疼痛と呼ばれる正常な感覚ですが、神経が障害されることにより感じる痛みは神経因性疼痛と呼ばれる異常な感覚であり区別されています。
神経因性疼痛には通常の痛み止めが効きづらく、慢性的な痛みとなり治療が難しいのです。
中でも視床や脳幹など感覚の経路が損傷されることによる痛みは右または左半身がビリビリ痛い、ジリジリ焼けるような感じを自覚し「脳卒中後疼痛」と呼ばれています。
脳梗塞による筋肉と関節の痛み
脳梗塞は筋肉と関節にも痛みを発生させることがあります。
脳梗塞による運動麻痺には「弛緩性麻痺」と「痙性麻痺」があります。
力が抜けてだらんとしてしまう弛緩性麻痺と、逆に力が入りすぎてつっぱってしまう痙性麻痺です。
痙性麻痺では常に筋肉が緊張した状態になるため、筋肉に痛みが起こります。
痛くても自分で力を抜くことができないため、痛みが持続してしまうことになります。
痙性麻痺で動きが悪くなった関節は拘縮してしまい、動く範囲が非常に狭くなります。
硬くなった関節はわずかな動きでも可動範囲を超えてしまい、それが痛みにつながることがあります。
また、麻痺した関節は脱臼傾向となりそれによる痛みが発生することもあります。
脳梗塞の痛みに対する再生医療
脳梗塞による後遺症は生涯残るものとなり、解決することは簡単ではありません。
神経の障害が一度確定してしまうと、その回復は基本的に困難であるからです。
神経そのものの損傷である神経因性疼痛はもちろん、筋肉や関節の状態も大きな改善は難しく、痛みと長期間付き合っていかなければなりません。
常時感じる痛みは生活へ与える影響が大きく、睡眠不足などからうつ状態を引き起こすこともあります。
痛みの改善には神経の機能改善が必要です。
そのために役立つかもしれないのが、再生医療です。
再生医療では神経の元になる「幹細胞」を治療に使用します。
体内に移植された幹細胞は成長する過程で神経を保護する物質を分泌し、成長した細胞は神経そのものになることで神経の機能を改善することが期待されています。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
脳梗塞による痛みに対しては、再生医療と最先端のリハビリテーションを組み合わせることで最大限の機能回復を達成できると考えています。
脳梗塞による痛みにお悩みの患者さんやご家族の方は、ぜひご相談ください。
まとめ
脳梗塞による痛みについて解説しました。
痛みは自覚するものであるため、周囲が十分に理解することが出来ず、本人がつらい思いをしやすい症状です。
早期発見により後遺症が残るリスクをできるだけ減らし、もし痛みが残ってしまった場合は必要な治療を受けられるようにしましょう。
よくあるご質問
脳梗塞ってどんな痛み?
脳梗塞による神経因性疼痛は、ビリビリするような痛み、ジリジリ焼けるような痛み、電気が走るような痛みを感じるとされています。麻痺症状による痛みでは、筋肉や関節の痛みを自覚します。
脳梗塞は血液検査でわかりますか?
血液検査により血中のコレステロール値や中性脂肪を測定することで、脳梗塞のリスクを推定することができます。ただし脳梗塞を起こしたのかどうか、血液検査で決定的な診断をすることはできません。
<参照元>
・「脳卒中後遺症とその治療」地域医療機能推進機構
https://takanawa.jcho.go.jp/wp-content/uploads/2016/06/6-1_takeda.pdf
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