高次脳機能障害者が受けられる社会支援と取得できる手帳|後遺症・神経障害を幹細胞点滴と幹細胞上清液点鼻×専用リハビリ治療

高次脳機能障害者が受けられる社会支援と取得できる手帳

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高次脳機能障害とは、脳卒中や頭のケガなどの後に「認知」や「さまざまな行動」の障害が起こることをいいます。
脳は問題解決や判断、行動の抑制、計画、情緒、注意、記憶、言語など人の「認知」に関わる機能を一手に担っています。
それらの機能が障害されることで高次脳機能障害が発生します。
高次脳機能障害は後遺症として残る頻度が非常に高く、社会復帰できない主な原因となるケースが少なくありません。
そのため、患者さんや家族の生活を支える仕組みが必要です。
その仕組みの一つが、障害者手帳です。
ここでは、高次脳機能障害と手帳について解説します。

高次脳機能障害を持つ方が取得できる可能性のある障害者手帳とは

障害者手帳
高次脳機能障害を持つ方が取得できる可能性のある障害者手帳には、次の3種類があります。

精神障害者保健福祉手帳

高次脳機能障害による症状が主な要因となって日常生活や社会生活に復帰できない場合に申請できる手帳です。
高次脳機能障害の方を支える仕組みとして中心的な役割を持ちます。

身体障害者手帳

高次脳機能障害のうちでも失語症の症状が重い方や、他に手足の麻痺などがあり基準を満たす場合は、「身体障害者」となります。
症状により、精神障害者保健福祉手帳と両方取得することも可能です。

療育手帳

発症や受傷が18歳未満で、指定機関で知的障害と判定された場合に申請できる手帳です。

障害者手帳があるとどんなメリットがあるのでしょう?

障害者手帳は、障害が原因で生活が困難な方をサポートするための手帳です。
主なものでは所得税や住民税、相続税の控除など税金面での負担軽減、補助具購入費の助成、医療助成、障害福祉サービスの利用など、公共福祉を利用しやすくする制度があります。
手帳とは別の申請になりますが、障害者として診断がつく状況であれば障害者年金を受給できる可能性もあります。
具体的なサービスや利用例については市区町村によって異なる場合もあるため、居住地の役所等で確認すると良いでしょう。

精神障害者保健福祉手帳とは

精神障害があり社会生活や日常生活を送るのが難しい方に交付されるのが、精神障害者保健福祉手帳です。
手帳の対象となる疾患には、統合失調症やてんかん、薬物依存症、発達障害などがあります。
高次脳機能障害はさまざまな精神障害のうちの一つです。
手帳の制度自体は古くからありましたが、高次脳機能障害が対象となったのは2006年のことです。
それまでは福祉サービスの利用ができず、高次脳機能障害で困った家族が市役所を訪れても、何の支援も得られなかったという状況がありました。
2001年から開始された「高次脳機能障害支援モデル事業」によってデータが集積され、高次脳機能障害の患者さんや家族は日常生活や社会生活に適応できず困っている状況が明らかとなり、対象に含まれることとなったのです。

精神障害者保健福祉手帳を取得するための高次脳機能障害の診断基準

高次脳機能障害には診断基準が定められており、その基準を満たす場合に精神障害者保健福祉手帳が交付されます。
診断基準は細かく定められていますが、大まかには次のような方を対象としています。

  • 後天的な原因(事故による受傷や脳卒中など)があることが確認できる
  • 高次脳機能障害の症状(記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害)が原因で日常生活に制約がある
  • MRI、CT、脳波などで脳の病変を確認できる、または診断できる高次脳機能障害が発生した原因がはっきり確認できるという点がポイントです

逆に対象にならないのは、次のような方です。

  • 脳の病変があっても、高次脳機能障害の症状がない方
  • 生まれつきの疾患などもともとある障害
  • アルツハイマー病など進行性の疾患による症状
  • 自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害

障害がある方が支援を受けられないわけではなく、アルツハイマー病などでは介護保険の制度、自閉症やアスペルガー症候群などでは発達障害支援法の対象となる可能性があります。

手帳取得に必要なもの

精神障害者保健福祉手帳の申請窓口は、市区町村です。
手帳取得には、医師の診断書が必要です。
統合失調症などの精神疾患の診断は精神科医でないとできませんが、高次脳機能障害については精神科医である必要はなくリハビリテーション医や神経内科医、脳神経外科医も診断することができます。
診断書を作成するには初診日から6ヶ月以上経過しているという条件があります。

まとめ

高次脳機能障害と障害者手帳について解説しました。
身体の障害が重くない高次脳機能障害の患者さんは、見た目にはそれほど大きな異常があるようには見えないため、社会的な支援を得られづらい状況にあります。
精神障害者保健福祉手帳を初めとした公的サービスを利用して、少しでも安心して生活できる状況を確保してください。


貴宝院 永稔【この記事の監修】
福永記念診療所 再生医療部長 再生医療担当医師

ニューロテックメディカル代表 Dr.貴宝院 永稔

大阪医科薬科大学卒業
私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。

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