高次脳機能障害の方に向いている職務と就労支援制度 | 脳卒中・脊髄損傷|麻痺痺れなど神経再生医療×同時リハビリ™で改善

高次脳機能障害の方に向いている職務と就労支援制度

           

投稿日:
読み終わる時間は約 < 1


脳梗塞の後遺症として頻度の高い高次脳機能障害
日常生活は自立していても、仕事復帰や社会参加の障壁になりやすい症状です。
高次脳機能障害はケースにより症状がさまざまで、個人に合わせた支援が欠かせません。
ここでは、高次脳機能障害がある方に向いていると思われる職務や、就労支援制度について解説します。

高次脳機能障害の症状

高次脳機能障害とは、「認知」や「さまざまな行動」の障害が起こることを言います。
「認知」とは問題解決や判断、行動の抑制、計画など高度な機能のことを指し、いわば人間らしくあるための機能とも言えます。
高次脳機能障害になると、大きく分けて次の4つの症状が起こります。

記憶障害
同じ話や質問を繰り返す、物の置き場所を忘れてしまうなど
注意障害
ぼんやりしてしまう、飽きやすく物事に集中することができない、グループでの話し合いができないなど
遂行機能障害
計画を立てて段取りすることができない、時間を守ることができない、衝動的な行動をとってしまうなど
社会的行動障害
興奮しやすい、怒りやすい、自己中心的になり人と良好な関係を築くことができないなど

これらの症状が患者さん全員に全て出るわけではなく、一部であったり混じり合ったりするため、実際の症状は個人によりさまざまです。

高次脳機能障害がある方に向いている職務とは?

症状の種類や程度により向いている職務は異なります。
一般的には自身の判断や人間関係がポイントとなるような職務を遂行するのは難しく、データ入力やアシスタント業務など、指示された内容を行う職務が向いていると考えられます。
販売職や営業職など、臨機応変の対応や人との関わりが大きなウェイトを占める職務は避けたほうが良いと思われます。

高次脳機能障害の方の就労支援制度

ハローワーク
高次脳機能障害の方は、症状の程度や種類がさまざまであるため、個人に対応したオーダーメイドの就労支援が欠かせません。
就労支援の中心となるのは全国に300以上設置されている「障害者就業・生活支援センター」です。
センターでは福祉事務所や保健所、医療機関と連携しながら日常生活に関する助言をするだけでなく、就労に関する相談支援を行っています。
ハローワークでの求職活動を支援したり、地域障害者職業センターや就労移行支援事業者など、障害者の就労に関して専門的な支援を依頼したりします。
また必要に応じて特別支援学校や、職業能力開発施設と連携し、職務に必要な能力を培うお手伝いをします。
高次脳機能障害の方を支援する行政的な事業は2001年度からスタートしており、現在もさまざまな就労支援制度が拡大しています。
高次脳機能障害で社会復帰できない現状にお悩みの方は、まずは障害者就業・生活支援センターに相談してみると良いでしょう。

高次脳機能障害の方が職務に定着するために

高次脳機能障害の方が仕事を続けていくためには、自身の障害を自覚してできること・できないことを明らかにしておくことが重要です。
難しいことに対しては具体的な対策を事前に講じておくことで、職務を長く続けられる可能性が高くなります。

それぞれの症状には、次のような対策が考えられます。

記憶障害
ものの置き場所を決めて、ラベルなど目印をつけておく。メモ帳を持ち歩き、必要に応じて見る。道に迷いやすい場合はわかりやすい目印を確認しておく、GPS付きの携帯電話を使用する。
注意障害
こまめに休憩をとり、長時間の連続作業を避ける。1つずつできるように段取りを組む。
遂行機能障害
頭の中ではなく、紙に書いて計画を立てる。スケジュール帳に予定を記入する。
社会的行動障害
感情が落ち着かない時は、まず休憩する。少し落ち着いたらその原因を自分で、または周囲の人の力をかりて考える。考えた内容や解決策をメモして、見返すようにする。

高次脳機能障害がある方が、これらの対策を自ら考え実行するのは簡単ではありません。
周囲の人の支えが重要になります。

高次脳機能障害に対する再生医療

高次脳機能障害は脳の神経の損傷によるものであり、一度定着してしまった障害は一生残る後遺症となってしまいます。
神経の損傷は原則として回復することはないからです。
しかし、そのような状況に新たな光をもたらしてくれる可能性があるのが、再生医療です。
再生医療とは、神経や血管のもとになる幹細胞などを使用して臓器や組織の欠損、機能障害に対して回復を目指す医療です。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を高める取り組みを行っています。
高次脳機能障害に対しては、幹細胞治療とリハビリテーションを組み合わせることで最大限の機能回復を達成できると考えています。
高次脳機能障害の患者さんやご家族の方は、ぜひご相談ください。

まとめ

高次脳機能障害がある方の仕事復帰について、解説しました。
見えにくい障害である高次脳機能障害は、支援を受けづらく本人や家族の負担になりやすい症状です。
社会参加が難しい状況にお悩みの方は、ぜひ具体的な就労支援制度を活用して現状を打破していただきたいと思います。


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


再生医療の治療 各地クリニックの案内

YouTubeチャンネル

脳卒中や脊髄損傷など再生医療に関する情報はこちらでもご覧頂けます。
脳卒中ラボ

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

ニューロテックメディカル・リハビリセンター

おすすめ記事

(腰椎損傷 下肢不全麻痺|30代 MK様)

おすすめ記事

最近の記事

  1. ワクチン接種後の視神経脊髄炎発症

  2. 女性特有の脳梗塞危険因子

  3. 脳梗塞後の口の麻痺とよだれ

【再生医療×リハビリテーションの可能性】オンライン講演会 Vol.1

ピックアップ記事

  1. 脊髄損傷とその後遺症について

  2. 若い人でも要注意!若年性脳梗塞の恐怖

  3. 脳梗塞後に利用できる補助金制度

おすすめ記事

  1. 認知症予防のためのトレーニング方法とは

  2. 神経の機能が失われる脊髄ショックとは

  3. 視神経脊髄炎と多発性硬化症の違いと基本知識

各クリニックのご案内

福永診療所
脳梗塞・脊髄損傷クリニック
リブラささしまメディカルクリニック

脳卒中・脊髄損傷の後遺症の
       お悩みや治療のご相談
お気軽にお問い合わせ下さい

0120-955-573

[電話受付]平日9:00~18:00/土曜日13:00迄/日祝休