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20代の若い人にも起こる脳梗塞

           

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この記事を読んでわかること

脳梗塞の発症年齢
ふつうの脳梗塞と20代で起こる脳梗塞の違い
20代で起こる脳梗塞の原因


脳梗塞といえば中年以降の病気、というイメージがあると思います。
発症する数が多いのは確かに中年以降で、近年では高齢化が著しいことから高齢での発症が増加しています。
一方若い年齢で起こることもあり、「若年性脳梗塞」などと呼ばれ区別して考えられています。
ここでは、20代でも起こる脳梗塞について解説していきます。

脳梗塞の発症年齢

脳梗塞患者の年齢ごとの割合
脳梗塞は血管の老化や年齢とともに発症しやすくなる心臓の不整脈が原因になることが多いため、中年以降に多い病気です。
では実際どれくらい多いのでしょうか?
また、20代以下など若い年齢では起こらないのでしょうか?
厚生労働省が発表している「患者調査の概況」によれば、脳梗塞の患者さんの数を年齢ごとで分けると次のような割合になります。

  • 0〜14歳:0.06%
  • 15〜34歳:0.2%
  • 35〜64歳:9.4%
  • 65歳以上:約90.3%

全体の割合からいうと99%中年以降に起こる病気である、という見方ができます。
ただし脳血管疾患の全患者数は111万人。
単純計算すると15〜34歳という若い年齢の患者さんが2000人以上もいることになり、20代でも注意が必要ということが分かります。

ふつうの脳梗塞と20代で起こる脳梗塞の違い

若年性脳梗塞
中年以降に起こるいわゆる一般的な脳梗塞の原因として多いのは、動脈硬化と心房細動という不整脈です。
動脈硬化は高血圧や糖尿病など生活習慣病が原因となり、徐々に進行する変化であるため年齢が進むほど脳梗塞を発症しやすくなります。
また心房細動は高齢になるほど発症しやすくなる不整脈で、心房細動の患者さんのうち約70%は65〜85歳であるというデータもあります。
一方20代で起こる脳梗塞はこれらの疾患が原因となるケースもあるものの、ふつうの脳梗塞ほど関連が強いわけではありません。
20代で起こる脳梗塞には、特有の原因が隠されている場合が多いのです。

20代で起こる脳梗塞の原因

20代など若い年齢で起こる脳梗塞には不明な部分も多いのですが、関連が想定されている疾患として、奇異性脳塞栓症、もやもや病、脳動脈解離、抗リン脂質抗体症候群、ホルモン補充療法、妊娠、血液凝固異常があります。

奇異性脳塞栓症

心臓は左右の心房、心室の4つの部屋に別れているのですが、成人でも心房と心房の間に穴が開いている(心房中隔欠損症)ことがあります。
無症状であることも多く、気づかれていないことがあります。
そのような場合、何らかの原因で静脈からの血栓が右心房に入ってくると、それが左心房から脳へ流れていき、脳梗塞を起こすことがあります。
静脈に血栓ができる原因として多いのは、エコノミークラス症候群です。
エコノミークラス症候群とは、けがの治療や長時間のフライトなどで足を動かすことのできない期間が長くなった時に、足の静脈に血栓ができてしまうことを指します。
その血栓は通常脳まで流れることはありませんが、心房中隔欠損症では脳梗塞の原因になり得るのです。

もやもや病

もやもや病は脳の血管が細くなり、脳の血液不足が起こる原因不明の疾患です。
血液不足を補おうとして細い血管が多数増えてもやもやした像に見えるためそう名付けられました。
20代かそれよりも若い年齢で急な脳梗塞を起こす原因となります。
成人では脳出血を起こすケースも多いとされています。

脳動脈解離

首に強い力がかかることや、過剰な運動がきっかけとなって血管が傷ついてしまうのが脳動脈解離です。
軽い首のケガやヨガなどで起こることもあり、注意が必要です。
血管が傷つき血管の壁がはがれると、血管が狭くなり脳梗塞を起こす原因となります。
脳動脈解離が原因で脳梗塞を発症した場合、脳梗塞の典型的な症状に加えて、首や後頭部の痛みを伴うことが多いとされています。

抗リン脂質抗体症候群

関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)など膠原病の患者さんは、免疫に異常があり血液が固まりやすいとされています。
膠原病は若い年齢で発症することも多く、20代など若い年齢で脳梗塞を起こす原因となります。

ホルモン補充療法と妊娠

子宮内膜症などで女性ホルモンであるエストロゲンを投与されている方が脳梗塞を発症することがあります。
ホルモンバランスが大きく変化する妊娠もリスクの一つで、妊娠の中期から産後6週間にかけて体は血栓ができやすいとされています。
エストロゲンの作用が原因と考えられています。

血液凝固異常

生まれつき血栓ができやすい素因を持つ場合や、多血症という血液疾患をもつ場合、若い年齢でも血栓ができて脳梗塞を起こすことがあります。
以上のように、若い年齢で起こる脳梗塞には特徴的な疾患が多数あります。
それに加えて若くても生活習慣病による動脈硬化、心房細動や心臓弁膜症による血栓が原因になるケースもあります。
20代でも、脳梗塞は他人事ではないのです。

まとめ

20代で起こる脳梗塞について解説しました。
脳梗塞は若い年齢で起こる場合でも、ご高齢の方に起こる場合でも、早期に発見して早期治療することでその後の経過が異なってきます。
もし、発症に気づいた場合には一刻も早く病院を受診するようにしましょう。

よくあるご質問

20代で起こる脳梗塞の原因とは?
20代など若い年齢で起こる脳梗塞には不明な部分も多いのですが、関連が想定されている疾患として、奇異性脳塞栓症、もやもや病、脳動脈解離、抗リン脂質抗体症候群、ホルモン補充療法、妊娠、血液凝固異常があります。

妊娠と脳梗塞の関係は?
ホルモンバランスが大きく変化する妊娠は脳梗塞リスクの一つで、妊娠の中期から産後6週間にかけて体は血栓ができやすいとされています。

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    PROFILEこの記事の監修
    貴宝院 永稔
    貴宝院 永稔 医師
    (大阪医科薬科大学卒業)
    • 脳梗塞・脊髄損傷クリニック 総院長
    • 日本リハビリテーション医学会認定専門医
    • 日本リハビリテーション医学会認定指導医
    • 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
    • ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

    私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
    リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
    このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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