アルツハイマー病治療の最前線 | 再生医療|脳梗塞・脊髄損傷の後遺症を幹細胞治療で改善|ニューロテックメディカル

アルツハイマー病治療の最前線

           

投稿日:
読み終わる時間は約 < 1


この記事を読んでわかること

アルツハイマー病の新規治療法
アルツハイマー病の現在の治療法
アルツハイマー病に対する再生医療の効能


アルツハイマー病は、認知症の中でも多くを占める病気であり、新規治療への関心も高まっています。
2023年8月に、アルツハイマー病に対する国内初の疾患修飾薬であるレカネマブの新規承認が了承されました。
今回は、この新薬について解説していきます。

認知症新薬の展望と挑戦

アルツハイマーの症状
アルツハイマー病は、認知症の主要な原因の一つであり、4〜6割を占めているという報告もあります。
加齢とともに有病率は増加し、65歳以上の人口の2〜4% 程度、80歳以上の人口の20%前後がアルツハイマー病を有するとされています。
アルツハイマー病は、初老期以降に徐々に発症し緩徐に進行する認知症疾患で、記銘力障害、思考、判断力の低下などの知的機能障害が主な症状となります。
その治療法は、薬物治療や行動療法、健康的な生活習慣といったものが一般的です。
アルツハイマー病の原因および発症に密接に関与しているとされるアミロイドβ(ベータ)タンパク(Aβ)に関する研究から Aβの産生・代謝に関与する酵素阻害薬および免疫療法などが開発されてきました。
その研究の結果、成果や臨床治験が実を結び実際の治療に寄与できることが期待される新薬である「レケンビ点滴静注」(レカネマブ〔遺伝子組換え〕)の新規承認が2023年8月に厚生労働省によって了承されました。
今回承認が了承された効能・効果は、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)および軽度の認知症の進行抑制です。10mg/kgを2週間に1回、約1時間かけて点滴静注するという投与方法です。

現行の治療薬との違い

「レケンビ点滴静注」(レカネマブ〔遺伝子組換え〕)と現行の治療薬との違いについて説明します。
現行の治療薬は、主に脳内物質のアセチルコリンの濃度を高める、AChE阻害薬です。
これは、アセチルコリン神経系の伝達を促し、記憶障害などのアルツハイマー病の主な症状を改善すると考えられています。
日本で唯一承認されている薬は、アリセプト®️(ドネペジル)です。
一方、「レケンビ点滴静注」(レカネマブ〔遺伝子組換え〕)は患者の脳内に蓄積し、神経細胞を壊すとされるAβの除去を目的とする新しいタイプの薬です。
Aβが固まる前の段階で人工的につくった抗体を結合させて神経細胞が壊れるのを防ぐ仕組みです。
このタイプの薬は、病気の原因に直接働きかける「疾患修飾薬」と呼ばれます。
治療薬の効果・効能としては、記憶や判断力などの認知機能や身体活動などに出る症状の悪化を抑えるというものです。
新薬の開発過程で、日本や米国のほか欧州、アジアの235医療機関で早期のアルツハイマー病と診断された患者1,795人(平均年齢72歳、男女ほぼ半々)を対象に、新薬レカネマブを体重に応じた量を2週間に1回点滴する臨床試験を実施しました。
そして、18カ月後に症状の悪化を偽薬(プラセボ)投与群と比べたところ、新薬投与群は記憶や判断力などの認知機能や身体活動などに出る症状の悪化が27%抑制されたとのことでした。
患者や家族への影響としては、「認知症の夢の新薬」という希望を抱くことになるかもしれず、新しい治療法の一つとして選択肢が増えるというものがあります。
一方で、レケンビはあくまで認知機能の悪化を27%遅らせる薬剤であり、アルツハイマー病を完全に治す薬ではないということを知っておく必要はあります。
また、安全性に重大な懸念はないとはされているものの、脳のむくみや出血などの副作用があることや、投与前に出血傾向の有無を調べることや血栓を溶かす薬を服用している人に対しては慎重に使うべきともされていることに注意も必要です。

新薬の治療法と再生医療の違いとは

治療への期待と課題もあります。
まずは、既に死んでしまった神経細胞は再生できないため、投薬効果が期待できるのは発病早期の患者に限られる点です。
このため投与対象はAβが脳内に蓄積し、生活に支障が出始めた軽度の患者とその前段階の軽度認知障害(MCI)の人とされています。
一方、臨床試験では投与後は深刻ではないものの、一定の割合で副作用が出ていることから副作用の有無を定期的に調べる検査も必要なのですが、適切に対応できる医療機関は限られています。
新薬であっても死んだ神経細胞は再生できませんが、再生医療では、死んでしまったとされる神経細胞の再生も期待できます。
ニューロテックメディカル株式会社では、「ニューロテック®」として脳卒中・脊髄損傷・神経障害などに対する幹細胞治療の基盤特許を取得しており、再生医療の効果を最大限に高める取り組みを行っています。

まとめ

今回の記事では、アルツハイマー病に対する最新の治療法について解説しました。
新薬であっても、現時点では死んでしまった神経細胞の再生は難しいため、発症してしまった場合の治療として、再生医療にも期待が高まっているといえます。
ご家族や周囲の方の認知機能低下にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

Q&A

海馬の萎縮を止めるには?
アルツハイマー病の初期には、海馬を中心とした側頭葉の内側が萎縮することが知られています。病気のことなどの相談できる相手がいると、海馬の容積や認知機能が維持されることが報告されています。また、長年飲酒を続けてきた人の脳では海馬が萎縮することもわかっていますので、飲み過ぎには気をつけましょう。

アルツハイマーになりやすい人は?
アルツハイマーの原因やなりやすい人の素因としては、遺伝、環境および生活習慣などの複数の因子が絡み合っていると考えられます。例えば、加齢に伴う脳の変化や、遺伝的な因子、また心疾患、脳卒中、高血圧、糖尿病および肥満などとの関連性も示唆されています。

あわせて読みたい記事:アルツハイマー型認知症の治療とは
<参照元>
◼️厚労相、エーザイのアルツハイマー病新薬を承認へ 原因タンパク除去し進行遅らせる効果は初 | Science Portal 科学技術振興機構(JST):https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20230822_n02/
◼️アルツハイマー病の治療―現状と解決すべき諸問題|日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)131,351~356(2008):https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/131/5/131_5_351/_pdf

貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


再生医療の治療 各地クリニックの案内

YouTubeチャンネル

脳卒中や脊髄損傷など再生医療に関する情報はこちらでもご覧頂けます。
脳卒中ラボ

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

ニューロテックメディカル・リハビリセンター

おすすめ記事

(腰椎損傷 下肢不全麻痺|30代 MK様)

おすすめ記事

最近の記事

  1. 突然下半身に力が入らなくなる脊髄梗塞とは

  2. 頭蓋頸椎移行部脊髄硬膜動静脈瘻(CCJ DAVF)とは

  3. 筋力低下で力が入らず顔面麻痺や痺れる病気とは

【再生医療×リハビリテーションの可能性】オンライン講演会 Vol.1

ピックアップ記事

  1. 遺伝性脊髄小脳変性症とは

  2. 脊椎すべり症について

  3. 頸椎椎間板ヘルニアの基本的な理解

おすすめ記事

  1. 関節リウマチと環軸椎亜脱臼の関係性

  2. 脳出血の意識レベルと回復について

  3. 脳梗塞の症状と病期による看護のポイント

各クリニックのご案内

福永診療所
脳梗塞・脊髄損傷クリニック
リブラささしまメディカルクリニック

脳卒中・脊髄損傷の後遺症の
       お悩みや治療のご相談
お気軽にお問い合わせ下さい

0120-955-573

[電話受付]平日9:00~18:00/土曜日13:00迄/日祝休