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関節リウマチと環軸椎亜脱臼の関係性

           

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関節リウマチとは、自己免疫の異常によって全身の関節に炎症を引き起こし、関節の腫脹や痛みを生じる病気です。
発症初期には指関節や手関節に症状が出やすいですが、進行すると頚椎にも症状をきたし、環軸椎亜脱臼と呼ばれる合併症をきたす可能性もあります。
そこでこの記事では、関節リウマチと環軸椎亜脱臼の関係性について解説します。

関節リウマチ患者における環軸椎亜脱臼の症状

関節リウマチ
皆さんは関節リウマチという病気を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
よく温泉の効果効能にも「関節リウマチによる症状の緩和」と記載されていますが、具体的にどのような症状なのかご存知の方は少ないと思います。
関節リウマチは、自己免疫の異常に伴って全身の関節に炎症をきたし、関節痛が進行して関節の破壊や骨の変形・破壊をきたす自己免疫性疾患です。
通常であれば体内に侵入した病原体などの異物を攻撃する免疫細胞が、自身の正常な細胞を異物と誤認することで自己抗体を作り出します。
自己抗体が関節の滑膜に接合し、白血球などの細胞が集積して炎症が生じるため、炎症の舞台となる関節が破壊されていくわけです。
初期には手関節や指関節で症状を認めることが多いですが、その後症状が進行すると頚椎にも炎症が生じることが多いです。
特に、第一頚椎(これを環椎という)と第二頚椎(これを軸椎という)の間の関節が障害されやすく、不安定になると環軸椎亜脱臼に至ります。
環軸椎亜脱臼では、頸部を前屈した際に不安定な環椎が前方にずれ、後屈すると元に戻りますが、このズレが徐々に大きくなると、頚椎周辺を走行する神経や脊髄が圧迫・損傷を受け、さまざまな神経症状をきたします。
環軸椎亜脱臼の主な症状として、初期は骨同士が擦れ合う音を自覚することが多いです。
また、環軸椎に生じる炎症や後頭部の神経の圧迫によって後頭部に痛みを自覚する方もいます。
さらに進行すると、脊柱管内部を走行する頸髄そのものが圧迫を受け、手指の痺れ・上肢の麻痺などの症状が出現し、これらの神経症状はいずれ下肢にも波及します。
下肢にまで麻痺やしびれが及ぶ(これを四肢麻痺という)と歩行が困難となり、日常生活に大きな支障をきたすため注意が必要です。
また、頚椎がずれることで頚椎側方を走行する椎骨動脈が圧迫され、脳への血流が低下してめまいやふらつきを生じることもあります。

関節リウマチによる環軸椎亜脱臼のリスク

関節リウマチは全身の関節に炎症をきたしますが、特に頚椎病変は頻度として多いとされています。
それに伴う環軸椎亜脱臼の発症頻度は概ね30%前後と報告されていますが、これまでの研究でも20〜50%超と研究によってかなり差があります。
環軸椎亜脱臼の診断には頚椎レントゲンで環椎と軸椎のズレを測定する必要があり、この測定の精度が発症頻度のズレに影響している可能性が高いです。
いずれにせよ、関節リウマチの合併症としては頻度の高い合併症であることに間違いはなく、進行すれば日常生活に与える影響も大きいため、早期からの予防・対策が重要となります。

関節リウマチと環軸椎亜脱臼の患者のQOL向上のためのリハビリ

関節リウマチに伴う環軸椎亜脱臼の場合、原因となるリウマチの症状進行を抑えない限り、環軸椎に及ぶ炎症もコントロールできません。
また、一度不安定になった環軸椎は基本的に自然には改善しないため、通常は頚椎カラーなどを用いた頸部の固定を行います。
しかし、いかに頚椎カラーで頸部を固定しても、頸部前屈時に頭部の重みに耐えきれず環椎は前方にズレ込んでしまうため、神経症状を認める場合には手術療法による脊椎の安定化が重要です。
また、関節リウマチと環軸椎亜脱臼にはリハビリテーションも大切です。
関節リウマチによって手や足はこわばり、環軸椎亜脱臼による神経圧迫によっても四肢の運動は制限されます。
そこで、手をグーパーしたり、手首の前屈・背屈を繰り返す運動療法が推奨されます。
下肢の場合も同様ですが、環軸椎亜脱臼を伴う場合は頸部の運動には注意が必要です。
必ず専門の医師の指示に従ってリハビリに取り組みましょう。
また、運動療法とともに装具療法も行われることが一般的です。
装具療法は、四肢・体幹に装着する装具を用いた治療法であり、関節の補助・保護、体重の支持、変形の予防などを目的としています。
装具療法によって疼痛が軽減し、日常動作がスムーズとなるため、非常に重要な治療法の1つです。

まとめ

今回の記事では、関節リウマチと環軸椎亜脱臼の関係性について解説しました。
関節リウマチは全身の関節に炎症をきたす自己免疫性疾患であり、特に頚椎病変は少なくありません。
その代表例が環軸椎亜脱臼であり、環椎が前方にズレ込むことで痛みや神経症状をきたします。
特に、内部を走行する頸髄が圧迫・損傷を受けると四肢麻痺や四肢のしびれなど重篤な神経症状をきたし、日常生活にも大きな支障が出るため注意が必要です。
脊髄を構成する神経細胞は一度損傷すると自己修復は困難なため、環軸椎亜脱臼が進行しないように症状を食い止めることが重要です。
そのためには、頚椎カラーによる固定や、手術療法・運動療法などの理学療法が患者QOLの向上につながります。
また、近年では再生医療の発達も目覚ましく、環軸椎亜脱臼に伴う神経損傷も改善する可能性もあります。
理学療法と組み合わせることで、神経症状のさらなる改善が期待でき、その知見が待たれるところです。

Q&A

リウマチと環軸椎亜脱臼の関係は?
自己免疫性疾患である関節リウマチによって全身の関節に炎症が引き起こります。
初期は手指の関節に多いですが、進行すると頚椎にも炎症が生じます。
第一頚椎と第二頚椎の間の関節が破壊されると環軸椎亜脱臼となり、頚椎が不安定となるため神経障害をきたす可能性があります。

環軸関節亜脱臼の合併症は?
環軸関節亜脱臼の合併症として、四肢麻痺や四肢のしびれ、後頭部痛などが挙げられます。
また、第四頸髄以上の頸髄が圧迫されるため、呼吸筋が麻痺して自発呼吸が困難となる可能性もあります。

あわせて読みたい記事:環軸椎亜脱臼とダウン症の関連性
<参照元>
・日本脊髄外科学会:http://www.neurospine.jp/sp/original22.html#:~:text=環軸椎亜脱臼は、第1頸椎(環,などにも生じます%E3%80%82
・日本リウマチ財団:https://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm220/pdf/news149.pdf
・慢性関節リウマチにおける環軸椎亜脱臼の症状とレ線変化について:https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai1951/40/2/40_2_623/_pdf


貴宝院 永稔【この記事の監修】貴宝院 永稔 医師 (大阪医科薬科大学卒業)
脳梗塞・脊髄損傷クリニック銀座院 院長
日本リハビリテーション医学会認定専門医
日本リハビリテーション医学会認定指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

私たちは『神経障害は治るを当たり前にする』をビジョンとし、ニューロテック®(再生医療×リハビリ)の研究開発に取り組んできました。
リハビリテーション専門医として17年以上に渡り、脳卒中・脊髄損傷・骨関節疾患に対する専門的なリハビリテーションを提供し、また兵庫県尼崎市の「はくほう会セントラル病院」ではニューロテック外来・入院を設置し、先進リハビリテーションを提供する体制を築きました。
このブログでは、後遺症でお困りの方、脳卒中・脊髄損傷についてもっと知りたい方へ情報提供していきたいと思っています。


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